マンションには個人で占有している部分もあれば、住民みんなで共有している部分もあります。実際にこの10年でマンションリフォーム・リノベーションでトラブルが約2倍に増加しています。リフォームしたいけど「どこまで個人がリフォームしてよいのか」という部分が分からずに我慢している人も多いのではないでしょうか。戸建とは違い、希望があっても出来ないコトもあるので、注意点を実際の施工例を交えてご紹介します。
まず戸建と違って、マンションの場合は住民で共有している部分があります。その部分を個人で勝手にリフォームしてしまうと、「区分所有法」という法律に沿ってつくられた管理規約と使用細則というものに対して、違反したとされ、罰則や思わぬトラブルとなってしまう可能性があります。
ここで重要なのがリフォーム可能な『専有部分』とリフォームできない『共用部分』というエリアになります。
専有部分…独立した住居、および床や天井など壁に覆われて遮断された空間を指す
共用部分…敷地内の専有部分を除いたエリア全てを指す
一見分かりにくいので、具体的な「共用部分」を例に挙げておきます。
意外と知らないのが「窓」がマンション全体で共有しているということです。専有部分と共用部分に関しては、マンションの管理規約にも掲載されているため、リフォーム前に一度チェックしておくことをおすすめします。
マンションリフォームは構造上や管理規約によって制限されてしまうため、どうしても希望通りにリフォーム出来ない場合があります。
多くのマンションでは管理規約の中で階下住民への生活音の配慮として遮音等級が定められています。そのため、この基準を満たす防音性のある床材を使用しなければなりません。
左図の遮音等級は下の階にどれくらい音が響くかを表したもので、主にマンションでは、L-40(物音がかすかにする程度、住人の気配を感じるが気にならない)もしくはL-45(スプーンを落とすと少し音がする、大きな音を立てると分かる)を使用することが多いです。
また工事中の搬入や組み立て・工事時間にも制約がある場合があるので注意が必要です。思わぬトラブルにならないよう騒音が伝わりやすい上下階や左右隣だけでなく斜め方向の住民にもあいさつをしておくとよいでしょう。
一般的な鉄筋コンクリート造のマンションは、柱や梁や構造壁で構成された頑強な骨格に、軽量の鋼材や木材などを使った間仕切り壁を組み合わせた造りになっているのでスケルトン(駆体のみ)にしてリフォームすることは可能です。
しかし低層マンション等で採用されることがある”壁式構造”の場合、構造壁で建物を支えているため壁の撤去は出来ません。スケルトンリフォームの可・不可は建物の構造によって決まるものなので、条件を満たしていればマンションでもスケルトンリフォームを行う事は十分可能です。
前述した通りマンションによって規約が定められているので、スケルトンリフォームをしたい場合は事前に確認が必要です。
築20年のマンションにお住まいのK様。
3年前に老朽化に伴う洗面室と浴室のリフォームを当社にて行い、今回はLDKの壁紙の張替えの依頼とトイレとキッチンの入替をしたいというご要望でした。
当初は間取り変更等のリフォーム計画では無かったのですが、何度かご自宅へ伺う機会があり、キッチンの使い勝手や間取りに不便さがあるように感じました。
お施主様は20年間、この生活に慣れてらっしゃいましたが、もう少し間取りや収納をアレンジして機能的で明るく、温かみのある空間にされてみたら如何ですか?ということで、間取り変更を含めた別のプランをご提案させて頂きました。
築30年を超えたRC造マンションのリノベーション。
Y様のご家族構成は30代前半のご夫妻と4才の女の子と0才の男の子の4人家族。
築30年を超えた3LDKの中古マンションをご購入され、これから10年、20年先を見据えたライフスタイルを視野に入れた空間を造って欲しいとのご希望がありました。
現況は7年程前に前の所有者が表面上の全体的なリフォームをされていましたが、収納スペースの不足、内装のインテリアや色調もご自分たちの好みの空間では無い事、サッシ部周辺の結露についても色々とお悩みのようでした。
メゾネットタイプの中古マンションをご購入されたH様。
築30年のマンションは、老朽化してはいるものの窓から見える並木道の緑が美しく、リフォームにより快適な住まいになると直感しました。
「海外(欧米)の住宅のようなインテリアや色合いにしたい。」と明確なイメージをお持ちでした。
また、ネコと共同生活をしている為、内装仕上げ材には、傷が付きにくい素材をとりいれたいというご希望もふまえ提案プレゼンしました。
限られたご予算の中で、請一杯工夫をしながら、欧米風のきれいな色の部屋をつくっていきます。
典型的なDK+洋室6帖+和室4.5畳という間取りをコストを抑えつつ、全面的にリニューアルをしたいと分譲賃貸のオーナー様よりご依頼を頂きました。
物件は杉並区内の駅徒歩2分圏内の好立地にある分譲賃貸マンション。
新築・中古物件を合わせると類似の空室賃貸物件が300件以上ある為、特徴的な差別化を図り、他にはないインテリア空間や快適で遊び心のある空間へとリニューアルしました。
新築時とはライフスタイルも家族構成も変化し同時に宅内の水廻りも老朽化が見られるようになりました。
同居するお母様の将来的な事も踏まえて、間取りも一新して、機能的で使い易い環境に変え、ナチュラルで明るく、既製品を入れるというよりも造作部分を多用した空間にしたいというご要望から今回の計画が始まりました。
既存の間取りは和室10畳のとなりにリビング・ダイニングスペース、独立型のキッチンスペース、長い廊下の両脇には収納スペースやトイレ・洗面室・浴室があり、奥に10帖ほどの洋室が2間ある間取りでした。
リノベーション後の計画は、昼間でも暗く独立したキッチンを開放的なLDKにして、少しでも明るく全体が見渡せるキッチンへと変更して背面の収納に殆どのものが納まるようにプランニング。
既製品の収納等では均一過ぎて味気がないので、内装の雰囲気にあった木質系の造作収納を当初よりご希望されていました。
専有面積18㎡の賃貸向けマンション。
長年入居されていた方が漏水を起こしてしまい、階下への漏水被害をきっかけに全体的なリノベーションの依頼を受けました。
長築年数も然ることながら、足の踏み場の無い生活環境だった為、換気も非常に悪い状態でした。換気ダクトは外部のフードまで錆付き穴が開いている状態でした。原状回復にて復旧出来る状態ではなく、根本的なリニューアルでの計画でプランニングしていきました。
一般的なワンルームアパートやマンションは、省スペースの為、なるべく間仕切りを少なく機能的な空間にする事が多いのですが、今回の計画では居室にあえて間仕切り壁を設ける事で家電や家具の配置をし易くし、又、視覚的な奥行感を持たせるようにプランニングしました。
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