和室のすすめ その1~和室事例

日本の家には、近年和室を作るという事が少なくなりました。 まだ高度成長時代には全部が和室の家とか、1軒の住宅の内約半分は和室という家もたくさんありました。そしてそれが徐々に変わって、洋室という訳の解らない室名を付けてただのビニールクロスを貼っただけの四角い箱のような部屋ばかりの家になりました。 このように洋室ばかりになった1番の理由は、和室を作るには手間がかかること。2番目として生活様式が洋風になって来て、基本的に座って生活する和室では不具合が生じてきたこと。3番目に和室を作れる職人が少なくなったこと。4番目は、和室は銘木材とか、特殊で高価な材料を使う場合が多いため、お金がたくさんかかること。5番目としては、ハウスメーカーや建売住宅の量産化住宅では和室を作ったのでは利益が出せないからといった理由が挙げられます。

当社は設計の依頼があった時にはどんな家にもどんなお客様にも、原則として和室の良さを説明して、可能な限り和室を1ヶ所でも作るように勧めています。 壁と天井は石膏ボードの上に和風のビニールクロス貼、床は一応タタミにはなっているが、中身は発泡スチロールで厚さも2センチ位しかないような和室は、和室ではありません。そして入り口や押し入れの建具も枠も新建材で工場で作った木に見えるユニット式の新建材であり、柱も長押しも、タタミ寄せも本物の木は1ヶ所も無いような物は決して和室ではありませんから、ただ単に和室と記入したような部屋は作らないようにしています。

右側には茶室の下地窓が埋め込まれていた。デザインは当社オリジナルで、敢えて、どこにでもある材木を使用しました。

完全同居型2世帯住宅の和室。収納はWICになっており、中には造作のデスクもありプライベートが確保できます。

4.5帖の和室は3枚引戸で上部は飾り棚としても使えます。

吹抜けの開放感のある和室

既存の梁や天窓を活かした明るい和室。和紙のような照明や造作の収納など工夫がたくさんあります。

彫刻が施されている欄間や和紙で出来た襖が高級感を与えます。

LDKの一角に小さな和室。柱や梁を利用した飾り棚を造作しています。

扉を開けている時もリビングの雰囲気にあう和室になるようプランニングしました。

和室4.5帖には床の間のような飾り棚があります。嫁入り道具の桐のタンスもリフォーム。

LDKの一角に小さな和室。扉を閉めれば自分だけの空間が出来ます。

既存を活かした開放できる和室は丸窓を付けてモダンな雰囲気に。

折上げ天井の中央はクロスを貼り替えました。

和室入口廻りの上品なデザイン、欄間の透明ガラスから和室の天井が見えます。上部にある飾り棚がアクセントとなっています

リビングから見た和室。掘り炬燵と天井は変形折上天井としました

開放的な明るい和室

和室8帖に床の間を造作しました。

和室4.5帖のドアを開けるとLDKに続きます。建具上部はオープンにして、天井は続き、和室と洋室の一体感を演出しました。

開放型の可動間仕切り:和室とリビングをつなげました

枠を飾り棚と一体に造作した
採光型の可動型間仕切りは明るく、又開放すると広々と使える仕様。

階段から見た和室
階段を下りてくるとガラス越しに和室天井が見えます。

欄間
ご実家から持ってきたものをはめ込みました

床の間と吊り押入

壁はじゅらく壁、柱は杉材、天井は秋田杉の格子天井、縁甲板はカバ桜を使用。細部にまでこだわって作り上げた和室

和室の中央に掘りごたつ。畳縁の柄は、かきつばたにしました。代々の木目のタンスはリニューアルして新品同様に作った。欄間は奥様の実家より持ってきました。

寝室の奥に和室コーナーを設置しました。隣地の庭が借景となりました。

広縁は明るく開放的。仕切りは採光引き戸を使い、外からの光を取り入れます。

天井は2階床の構造材をそのまま露出させ、和紙を使用したぼんぼり調の照明器具を設置。

和室入口の障子襖の風流格子窓

両脇に収納スペース、中央を床の間とした。

床柱は齢60年の松丸太を引きさいた。地板は錆ゴマ竹真鍮釘打、中棚は杉木習板寄貼、上棚は松材の正面に錆ゴマ竹を貼った。上棚は外して掛け軸や花器を飾ることも出来る。

茶室の広さは千利休の作った待庵の広さを再現。当社ショールームの一角にある2帖の和室です。坪庭と外のつながり、壁を無くし、オープンにすることで、ショールームとの一体感を創り出しました。

リビングバリアフリーの床でモダンな和室をねらった半透明の3枚引き戸を取り付けました。

飾り棚に小物やグリーンを使ったモダンな和室

リビングに隣接する和室には、琉球畳を敷きました

床の間中央に建てた床板は桧錆丸太。幕板は北海道から取り寄せた銘木板。

欄間はオープンとなっていて、3枚引き採光建具の上は木で造作して飾り棚が付いている。 下り壁を設けず開放することにより、家全体が有機的につながっていく。また、家全体の風の流れをよくする。

玄関より和室を見る

4世代にわたって使われる建具
建具は、ご実家で使われていた古いもの



和室のすすめ その2~数寄の感性と現代というようなテーマで作った和室

客間としての和室8帖を、本格的な和室として作りました。床の間に仏壇入れ、書院造のような地袋や天袋と筆返しのある中棚、小さな水屋、押入れ、雪見障子、掘りコタツという設え(しつらえ)です。数寄の感性と現代というようなテーマで作りました。
床の間の銘木材は床柱が桧の錆丸太、仏壇入れの吊り柱が北山杉面皮付チョンナなぐり仕上、床框は面皮蝋色漆塗り(めんかわろいろうるしぬり)、落とし掛けは北山杉磨太鼓、床地板に黒御影石と多摩川砂利敷、床の間天井は網代(あじろ)天井、部屋全体の天井は杉杢無垢板敷目貼となっています。 天袋と地袋の材料は、私の地元・宮崎県の家具屋さんに屋久島杉を使って作ってもらいました。屋久杉は年輪が細かく天然記念物に指定されているため、台風等で倒れた木材を利用して作るため、貴重な材料となっています(屋久島は台風銀座として有名)。地袋の天板には小さな竹を敷き並べてあります。

元来、和室の造りは床の間を中心に真・行・草(しん・ぎょう・そう)の形がありますが、この家の和室は行と草の間にあります。下記に引用させて頂いた千利休の言葉「真を知り、行・草に至れば(作法や形態は)いかほど自由にくずそうと、その本性(質)はたがわぬ」というところでしょうか。 広縁は約15年前に増築しました。この空間は庭に続く和モダンなデザインとなっています。天井は全面ガラストップライト、壁はごま入りの平割竹真鍮釘打と、イタリア産・金入りガラスモザイクタイル貼りのミックス、床は杉板荒木節有無垢材で四隅の溝に多摩川で拾った玉砂利を敷いています。片壁面には変形和モダン飾り棚を設置しています。

和室(客間)入口、雪見障子を閉めた状態:正月等、和室の座卓で寛ぐ時には風情があります。

正面は飾り棚。床は松荒板、床脇溝は多摩川の砂利を置き、正面下部はイタリア産ガラスモザイクタイル(金入り)、上部は胡麻寂平割竹、真鋳釘打、屋根はガラストップライト。

ステンドグラスを嵌め込んだ板戸を閉めた状態。お客様が使用する時は閉鎖する事ができます。

和室・床の間を見る。左に吊仏壇入れがあります。

玄関出入口は雪見障子と板戸があります。

中央と下部がガラスモザイクタイル貼り。間は胡麻寂平割竹。

左側が縁側、中央が押入れ、右側は書院・飾り棚。

屋根はガラストップライト。上には木製飾り棚。中国人形とワイングラス。

合板の上はオイルステイン塗、シルバーペインティング。天井は松板丸ノコ

右手が雪見障子を開けると縁側。

天袋と地袋は扉共屋久杉を使用。違い棚も屋久杉。地板は小青竹。天井は杉壁は聚楽(じゅらく)壁。 地袋の台に白い水屋を埋め込んであります。

下部オブジェは、製観音像・陶器製茶器・ガラスボール。飾り棚の小物は真鋳製水差し・つづり




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