アスベストと聞くと何となく不安になる方も多いのでは無いでしょうか。アスベストは、ほぐすと綿のようになり、その繊維は極めて細かく、耐熱性、耐久性、耐摩耗性、耐腐食性、絶縁性等の特性に優れています。このようなアスベストの特性はアスベスト以外の単一の天然鉱物や人工物質にはほとんどみられないことから、「奇跡の鉱物」と呼ばれることもありました。しかし、石綿肺、肺がん、中皮腫、びまん性胸膜肥厚などの肺の疾病の原因になることが明らかになり、2004年にアスベスト(石綿)を1%以上含む製品の出荷が原則禁止され、2006(平成18)年には0.1%以上含有する物の輸入・製造・使用等が禁止されました。つまり、2006(平成18)年以降に家を建てた方は問題ありません。
アスベストに関して法律の改正や国交省の方針で、アスベストの含有に限らず事前調査が義務化しています!
アスベストとは、繊維状鉱物の総称で、クリソタイル、アモサイト、クロシドライト、アンソフィライト、トレモライト、アクチノライトの6種に分類されます。このうち、日本において主に使用されていたアスベストは、クリソタイル、アモサイト、クロシドライトの3種です。
アスベストを含有している可能性のある屋根材はスレート屋根とセメント瓦です。粘土瓦は問題ありません。スレート屋根も瓦も、一見して詳しい屋根材を判断することはとても難しいです。
2023年10月からは資格がないと調査すら出来なくなってしまいます。家を建てた年代と屋根を見て、不安があればご相談下さい。
住宅の屋根がアスベスト入りかどうかを見分けるには、屋根の不具合の様子で見分けることが一番確実です。アスベスト入りの屋根は耐久性があり、不具合が生じにくいという特長があります。アスベスト(石綿)問題が言われるようになり、ノンアスベストのスレート屋根が出始めました。しかし強度が落ちてしまい、10年程度でひび割れが起こってしまうものもあります。環境にもよりますが、築20年を過ぎてもあまりダメージが目立たなければアスベスト入りの屋根の可能性があると覚えておくと良いでしょう。
アスベストを使用していないスレート屋根は人が乗ることに耐えられず割れて落下してし まう危険性もあるので、決して屋根には上がらず、2階の窓などから確認することが難しいようであれば業者に確認を依頼してください。
アスベストを吸引してもすぐに疾病を発症するわけではありません。通常、数十年という長い潜伏期間を経てから疾病を発症することになります。例えば、アスベストを原因としてしか発症しないといわれている悪性中皮腫については、アスベストばく露から約20~50年程度の潜伏期間を経てから発症するのが通常であるとされています。
左の表は、日本における中皮腫による死亡者数の推移です。平成7年には500人であったのが、令和2年には最高値である1605人を記録しており、約3倍に増加しています。このデータから、過去にアスベストにばく露した方のアスベスト被害が年々顕在化している傾向にあることがわかります。
結論から申しますと、酷い劣化症状がみられない限り、ほぼ害はありません。セメントにアスベスト(石綿)を混ぜて使っているので、まず飛散することがありません。危険性を分類するレベルも「3」で、最も低いものです。因みにレベル「1」の危険度の高いものは、屋内の天井や壁に対する吹付け材です。「危険だ!」「健康被害が!」と言われているのはこの屋内のものです。
とはいっても、アスベスト入り屋根の解体や処分時には、粉塵による影響もあるため有資格者が細心の注意を払っての工事、廃棄物を処理が必要となるので、解体処分費用は高額になる可能性が高いです。
ガルバリウム鋼板とは、アルミニウムと亜鉛を主とした金属板の一種です。業界では「ガルバ」や「GL鋼板」などと略されます。(よく使われるので、覚えておくと良いかもしれません。)
表面がアルミニウム55%/亜鉛43.4%/シリコン1.6%で構成されためっき鋼板です。アルミニウムの耐食性と亜鉛の防食作用により、20年以上の長期にわたり錆を防ぐことが特徴です。アルミニウムと亜鉛の強みを兼ね合わせた「良いとこどり」の材質と言えるでしょう。
ガルバリウム鋼板の耐用年数は30~40年です。メンテナンスの周期もふまえると、もっともコストパフォーマンスの高い屋根材となります。ガルバリウム鋼板は、錆が原因で生じる穴さえメンテナンスができれば、長期にわたって利用することができます。寿命を延ばすためにも適切にメンテナンスを行うことが重要です。
屋根のリフォームには大きく分けて既存の屋根を解体し新しい屋根材を張る「葺き替え」と既存の屋根を解体せず上から新しい屋根材を 張る「カバー工法」があります。 アスベストが含まれた屋根の葺き替えを行う場合、有資格者による解体とアスベスト含有廃棄物の処分が必要になるため費用も高額に なりがちです。 「カバー工法」では既存の屋根の上から屋根材を張るため解体工事や廃棄物の処理が必要ありません。そのため、葺き替え工事と比較して費用を抑えられ、工期も短期間で済むため生活への影響が少ないというメリットもあります。解体費・アスベスト含有廃棄物の処分費が発生するため、 葺き替えはカバー工法と比較して1.2倍~1.5倍の費用がかかるケースが一般的です。
カバー工法は既存の古い屋根を残したままにするため、そのことに抵抗感や不安感を持つ方も確かにいらっしゃいます。しかし、アスベストが使用されている屋根を残したままでのカバー工法は危険なものではありません。
屋根の場合、アスベストが残った状態でも問題はありません。 アスベストが人体に影響するのは、飛散するなどし直接吸い込んでしまう場合なので、既存の屋根材を新しい屋根材で覆った方がむしろ 工事中にアスベストが飛散するなどのリスクは低減されるともいえます。
カバー工法では基本的にガルバリウム鋼板という軽量な屋根材を使用します。ガルバリウム鋼板は0.4㎜程度の薄い金属で、重量も他の屋根材と比較すると大変軽量です。確かに屋根全体が多少重くはなりますが、耐震性能への影響はごく軽微です。
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