CASE9 再建築不可物件のリノベーション
都心に近い住宅地にある再建築不可の土壁民家を「トカイナカ」として表現しました
この建物は都心から程近いけれど、昔ながらの町屋が並ぶ閑静な住宅街で、まさに「トカイナカ」と言える場所にありました。
お母様から相続された家でしたが、築55年と古く、道路は私道のため再建築不可の土地でした。そのため建築許可がとれないので建て直しは出来ませんし、一部減築を行わなければなりません。
外部・内部は調査の段階では普通の町屋でしたが、内壁も外壁も竹小舞下地の本格的な土壁で出来ており、解体によって建物全体の歪みを引き起こす可能性がありました。
試行錯誤しながら完成した家の外観は既存建物の面影は全くなく、渋いブラックグリーンの木目でシンプルなものになり、まるで新築のような全く違う建物へと生まれ変わりました。
ご夫婦はまだ40代で、ご主人は都心の企業へ勤められており、奥様は自宅で絵の仕事をしていました。駐車スペースを確保しつつ、自宅でお仕事をされる奥様にとって過ごしやすい充分な居住空間を確保する必要がありました。
広いLDKの一部には奥様の小さなアトリエスペースがあり、”住むこと”と”仕事”が両方出来る空間になっています。また広いロフトのスペースは物置だけではなく、ちょっとした趣味の部屋としても使用する事が出来ます。見下ろすとキッチンやダイニングを見渡すことができ、家族とのコミュニケーションをとることが出来ます。趣味や仕事、家族を大切に暮らすことが出来る「トカイナカ」の良さを集めたリノベーションとなりました。
ポイントを写真で解説!
BEFORE
AFTER