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ついに完成!
限られた予算の中での築80年の古民家再生が完成しました。
古き良き部分と融合させた内装及び外装、使い勝手、断熱、耐震補強・・・自然に恵まれた景勝地で、多くのテーマを盛り込みながら、ついに完成しました。
※2世帯住宅とは異なりますが、台所側の渡り廊下を通じて母屋(御両親)と別宅(子世帯)が結ばれていました。
今回のリビングダイニングキッチンのリフォームは、ご高齢の御両親に配慮して両世帯の食事の準備及び食事を母屋にて一緒に出来るようにする目的もありました。完成後に、大きなダイニングテーブルと椅子を運び入れ、3世代のうれしそうな表情がとても印象的でした。
リフォームを通じてご家族が幸せになっていく様子が手にとるように感じられた、大変素敵な現場でした。
無垢のフローリング(栗)と塗り壁(珪藻土(カビに強いタイプ))の質感がナチュラルで、リラックスできる心地よい空間になりました。すっかり明るく生まれ変わったLDKです。
照明器具はヤコブセンのデザインしたパイン材のやさしいペンダントを中心にダウンライトで照度を確保。増築部分の照明器具は、フィリップスタルクの赤い小さなペンダントをアクセントにしました。
部屋の中の雰囲気や光りは、夕方から夜に掛けて刻々と雰囲気を変えていくそうです。
増築部分の外壁は、南京下見貼にして木の風合いを部屋の中からも見て楽しめるようにデザイン。奥様のコーディネートする和の雰囲気も感じられる庭をそっと引き立てる色目で塗装しました。
断熱ガラスの入った高さにあるサッシを多用したので、以前よりも庭の景色が視界に入り、増築の効果 が大きく出ています。
夕方から夜にかけて、部屋の色合いは刻々と変化して、暖かみを増していきます。
担当者より
長い年月を経て風合いを増した“古材の色合いと質感の魅力”をいかす事“構造的な弱さ”“冬の寒さ”といった欠点を 補うことをポイントにリフォームを行いました。
具体的には、古民家の風合いを残しながら寒さ対策を行い、構造的には、床下の構造材の腐りによって傾いてしまった家自体を基礎補強等して徹底改善しました。1階居間の床は、土台の腐蝕が原因で、柱が10センチもずり落ちて、室内床も坂のような傾斜が付いていて、点検の結果、床の重さを受ける重要な構造材である束が腐食して沈下していることが判明。床の重さを支える大引(太い丸太)は空中に浮いているような危険な状況だったので、土台をジャッキで持ち上げ、新たにコンクリート布基礎を作って補強する大工事を行ないました。(合わせて耐震金物による補強も実施)
築年数が80年を越えた古民家を限られた予算で、構造的補強、寒さ対策、内装デザインの充実を行うことは、非常に難しい作業でした。優先順位を話し合いながら、リフォームの内容を決定していきました。
当初、リフォームについては母屋に住んでいるご両親からは、もうそんなにお金を掛ける必要は無いとの理由で反対されていたとのことでしたが、工事が進むにつれて、御両親の表情がどんどんうれしそうに変わっていきました。
母屋と隣家としての今までの暮らしから、リフォーム後は食事とくつろぎの空間であるリビングを共有する三世代の集まる暮らしに変化していく喜びと期待感に満ち溢れている、素敵な引渡しの日となりました。御協力をありがとうございました。
一級建築士 蓑田 常弘