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リフォーム完成
バリアフリー対応のやさしい家に変わりました。
減築によって、駐車場が生まれ、玄関までのスロープも完備。
年齢や住い手の愛着、思い出にもよりますが、打合せをする中で今回のリフォームによって、全てを新しくするよりも、古い家のちょっとした面影を残す方がお施主様にとっても心休まる空間となるのではないかと考えました。
外観は新築同様ですが、実は既存の瓦屋根を残して昔の面影も感じられます。サッシは全て断熱仕様の新しい商品に交換しました。玄関ドアは、防犯的にもバリアフリー的にも安心な引戸仕様にしてあります。
内装は、スケルトンとなった天井の高さと既存の梁を活かして、古き良き部分を残しながらデザインしました。
実際に、はじめてリフォーム後の家をご覧になった際「亡くなったご主人がびっくりするね。」とおっしゃったお施主様の嬉しそうな笑顔が印象的でした。
外からも見える円型のデザイン窓は、室内からは、廊下の突き当りにこんなふうに見える。フローリングは、無垢板で統一。お施主様にとっては、昼間は太陽、夕方になると色目がオレンジ色になりお月様が見える様だと言って、大変喜んでくださったお施主様。そんな言葉が、作り手としてはとってもうれしい。
元々は和室だった部屋。洗面、浴室、トイレに近く、バリアフリーの観点からも動線が短く使い易くなるように配慮。 読書が大好きなお施主様の為の本棚も造作した。構造上、抜けない柱は新たに壁紙で巻き込み違和感がないように楽しくデザインした。
床材は、床暖房対応の無垢のフローリングを採用。新旧いずれの色にも溶け込むやさしい色目である。
洗面脱衣室、浴室やトイレへのアプローチがよい前室。着替えやタオル類を収納したチェストを置くスペースも確保して、動線の良い空間となっている。
全てが新しく変わってしまうことよりも、お気に入りのスペースを最小限残すことにより、落ち着けることもある。増してや、60年来の住まいには、若き頃からの思い出もたくさんなはずだ。寝室にて、思い出深い、いつもの景色がみえることで、 心が安らぐこともある様。この床の間を残したことを、一番喜んだのも他ではない、お施主様だ。
壁一杯の本棚を創作。読書好きには、お気に入りの本が見えるだけでも安心できるのではないだろうか。
リフォーム前にあった作り付けの収納と使い勝手は同じにして、色やデザインを新しくしました。カウンター右上は、引戸を引くと台所との間を視覚的にも閉ざし、開けると台所からの配膳台になります。(この作り付け収納も、リフォーム前と同じ使い勝手にしました。)
窓の形状や位置をがらりと変えて、大好きな庭が部屋の中からも見えるようにプランニングしました。
システムキッチンは、LIXIL社の「アミィー」を採用。ガスコンロとIHクッキングヒーターのどちらを採用するか悩んだ末に、火加減の慣れているガスコンロの全ての加熱機器に安全装置がついたので、最終的にガスコンロに決定しました。
調理の際、換気扇のつけ忘れや逆に使っていない時の誤運転がないように、ガスコンロと連動型の換気扇を設置しました。
担当者より
お施主様は、つまずいて転ぶという不慮の事故で怪我をされて入院、リハビリを経て御入居されました。
リハビリ中は、リフォームが楽しみで励みになったとお聞きしました。
若い頃にご主人と建てた思い出深い家に、はじめてのリフォームで手を加えました。
全てを壊すのではなく、家のところどころに重いである家のパーツを残したり、新たに造作した家具の使い勝手を 以前と同じにしたり・・・。
あまりにも思い出深い家の場合は、特に、すべてを新しくするよりも、思い出を残した方があたたかくて幸せな気持ちで過ごせるように感じます。
完成後にはじめてリフォーム後の我が家に入り、感激されてたご様子で「怪我をしなければ、こんな素敵な家に住めなかったわね。」と笑顔でおっしゃっていただいたこと。 「主人(亡くなった)もこんなにきれいになって、きっとびっっくりしているわ。」 「毎日が楽しいです。」など、宝物になるような言葉をたくさん頂きました。
元気とパワー、幸せを頂いたのは、工事で携わった私達でした。お施主様を支えていらっしゃった素敵なご家族の皆様。大変お世話になりました。ご協力をありがとうございました。
一級建築士 蓑田 常弘