リフォームライブリポート 普段、なかなか見る事の出来ない工事中の現場もご紹介します!!

  • 【1】リフォーム開始 リフォーム前の状態
  • 【2】中間レポート 工事中の様子
  • 【3】完成 リフォーム終了

リフォーム完成

バリアフリー対応のやさしい家に変わりました。
減築によって、駐車場が生まれ、玄関までのスロープも完備。

年齢や住い手の愛着、思い出にもよりますが、打合せをする中で今回のリフォームによって、全てを新しくするよりも、古い家のちょっとした面影を残す方がお施主様にとっても心休まる空間となるのではないかと考えました。
外観は新築同様ですが、実は既存の瓦屋根を残して昔の面影も感じられます。サッシは全て断熱仕様の新しい商品に交換しました。玄関ドアは、防犯的にもバリアフリー的にも安心な引戸仕様にしてあります。
内装は、スケルトンとなった天井の高さと既存の梁を活かして、古き良き部分を残しながらデザインしました。
実際に、はじめてリフォーム後の家をご覧になった際「亡くなったご主人がびっくりするね。」とおっしゃったお施主様の嬉しそうな笑顔が印象的でした。

写真で見るBefore & After

外観

Before

After

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西側 外観

減築により、車2台分の駐車スペースが確保されました。車での送迎から玄関までのアプローチの動線が安全になりました。丸型と菱形のデザイン窓が家の顔としてアクセントになり、いい雰囲気です。

外観 駐車場方向

駐車スペースが広くなっただけではなく、全く窓のなかった西面 から、西日に配慮しつつも室内に光が入るようになった。

玄関

バリアフリーの玄関。採光型の明るい玄関ドアは引戸仕様。玄関とポーチのタイルは、明るく楽しい気分になるようなタイルを選びデザインしました。

外装デザイン

南京下見板貼とレンガ調タイル、軒天井と色目を「素材違いの類似色」にして統一感と奥行を出しています。
ベージュ系の濃淡×グリーンのカラーコ-ディネ-ト。

1階北側の書斎

手入れが負担にならない程度だが、植栽によるグリーンを配して、大切なアクセントとしました。ナチュラルな外観に、グリーンが良くあいます。

東側 外観

東側の外壁は、質感のいいジョリパット塗壁仕様にして雰囲気よく。部屋から外の庭が眺められるように、新たにつけた窓も防犯仕様にて安全性能高めた。

玄関側から、門扉へのアプローチを見る

ゆったりとしたスロープと手摺を付けた玄関周辺。道路からも駐車場からも玄関まで段差がない。安全に十分配慮した。

玄関の内側

明るく楽しい気分になれる玄関。下駄箱は、ずっと使ってきた思い出のあるもの。新しい空間の中にいつもの下駄箱を見つけてほっと出来る。

東側から西側の廊下

外からも見える円型のデザイン窓は、室内からは、廊下の突き当りにこんなふうに見える。フローリングは、無垢板で統一。お施主様にとっては、昼間は太陽、夕方になると色目がオレンジ色になりお月様が見える様だと言って、大変喜んでくださったお施主様。そんな言葉が、作り手としてはとってもうれしい。

丸型のデザイン窓

ケースメントタイプのロ-ルスクリ-ンを設置して、光をやわらげて部屋に通す。

寝室兼リビング

元々は和室だった部屋。洗面、浴室、トイレに近く、バリアフリーの観点からも動線が短く使い易くなるように配慮。 読書が大好きなお施主様の為の本棚も造作した。構造上、抜けない柱は新たに壁紙で巻き込み違和感がないように楽しくデザインした。

天井の梁

天井の梁は、白く塗装をかけて、古さや色の重さが出ないように配慮。

天井の梁

高くなった天井と部屋の雰囲気。右側、お施主様お気に入りで、写真や置き物を飾っていた床の間は、そのままの形で残した。また、左側(廊下側)天井も木の風合いと懐かしさが感じられる昔のままの姿。

寝室 兼 リビング

床材は、床暖房対応の無垢のフローリングを採用。新旧いずれの色にも溶け込むやさしい色目である。

寝室兼リビングの前室

洗面脱衣室、浴室やトイレへのアプローチがよい前室。着替えやタオル類を収納したチェストを置くスペースも確保して、動線の良い空間となっている。

以前と全く変わらない床の間を新しい空間の中に残す

全てが新しく変わってしまうことよりも、お気に入りのスペースを最小限残すことにより、落ち着けることもある。増してや、60年来の住まいには、若き頃からの思い出もたくさんなはずだ。寝室にて、思い出深い、いつもの景色がみえることで、 心が安らぐこともある様。この床の間を残したことを、一番喜んだのも他ではない、お施主様だ。

造作本棚

壁一杯の本棚を創作。読書好きには、お気に入りの本が見えるだけでも安心できるのではないだろうか。

ダイニング

リフォーム前にあった作り付けの収納と使い勝手は同じにして、色やデザインを新しくしました。カウンター右上は、引戸を引くと台所との間を視覚的にも閉ざし、開けると台所からの配膳台になります。(この作り付け収納も、リフォーム前と同じ使い勝手にしました。)

バリアフリーだから引戸仕様の建具をなるべく多く使いました。

バリアフリー仕様としてのポイントの一つは、引戸を多く使用すること。出入口近くには、手摺も付けました。

台所

窓の形状や位置をがらりと変えて、大好きな庭が部屋の中からも見えるようにプランニングしました。
システムキッチンは、LIXIL社の「アミィー」を採用。ガスコンロとIHクッキングヒーターのどちらを採用するか悩んだ末に、火加減の慣れているガスコンロの全ての加熱機器に安全装置がついたので、最終的にガスコンロに決定しました。
調理の際、換気扇のつけ忘れや逆に使っていない時の誤運転がないように、ガスコンロと連動型の換気扇を設置しました。

洗面化粧台

採用した洗面台は、LIXIL社の「ドウーケア」バリアフリー対応の使い易いデザインとなっています。例えば、椅子が入れられる点、水栓金具を操作する位置が洗面 台カウンター右手前にあること等、座った状態でも操作が出来る仕様。

浴室入口

浴室入口は、3枚引戸仕様にて、開口巾を大きくとっています。寝室、廊下、洗面脱衣室、浴室までどこを通っても安全なバリアフリー仕様となっている。

浴室

白色とベ-ジュ系の色目が清潔感のある雰囲気を出している。やさしい印象のバスルーム。

担当者より

一級建築士 蓑田 常弘

お施主様は、つまずいて転ぶという不慮の事故で怪我をされて入院、リハビリを経て御入居されました。
リハビリ中は、リフォームが楽しみで励みになったとお聞きしました。
若い頃にご主人と建てた思い出深い家に、はじめてのリフォームで手を加えました。
全てを壊すのではなく、家のところどころに重いである家のパーツを残したり、新たに造作した家具の使い勝手を 以前と同じにしたり・・・。
あまりにも思い出深い家の場合は、特に、すべてを新しくするよりも、思い出を残した方があたたかくて幸せな気持ちで過ごせるように感じます。

完成後にはじめてリフォーム後の我が家に入り、感激されてたご様子で「怪我をしなければ、こんな素敵な家に住めなかったわね。」と笑顔でおっしゃっていただいたこと。 「主人(亡くなった)もこんなにきれいになって、きっとびっっくりしているわ。」 「毎日が楽しいです。」など、宝物になるような言葉をたくさん頂きました。
元気とパワー、幸せを頂いたのは、工事で携わった私達でした。お施主様を支えていらっしゃった素敵なご家族の皆様。大変お世話になりました。ご協力をありがとうございました。

一級建築士 蓑田 常弘

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