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木造であれ、鉄筋コンクリート造であれ、建物を長持ちさせるためには「定期的な点検」と「適切な処置」が必要です。あらゆる角度から診断し、劣化への対応が必要です。建物は、 常に過酷な条件の中で必死に耐えているのです。
- 「定期的な点検」と「適切な処置」による建物の変化
- 構造別にみる注意点( 木造の場合 | 鉄骨造の場合 | RC造の場合 | その他)
- すぐに対策が必要な症状
「定期的な点検」と「適切な処置」による建物の変化
- 「定期的な点検」と「適切な処置」による建物の変化
- 構造別にみる注意点( 木造の場合 | 鉄骨造の場合 | RC造の場合 | その他)
- すぐに対策が必要な症状
構造別にみる注意点
一年中風雨にさらされている屋根や外壁の他、 防水部分や浴室廻りの柱、土台等が腐蝕することによって、 そこにシロアリやカビが発生し急激に構造部分が蝕んでいきます。表面になんらかの現象が表れるときには、取り返しのつかないことになっている事がよくあります。
基本的にしっかりと施工されていれば、50年でも問題ありませんが、施工ミスがあると2~3年で劣化が始まる例も数多くあります。特に最近建てられた住宅は高気密・高断熱のため、壁内部に湿気がこもり、結露により木材が腐食することが多いです。また、外材を使用しているケースが多く、恐らく日本産の松や檜の材木に比べて湿気に弱く非常に腐りやすいです。
外からでは分からなかったのですが、バルコニーを解体したところ、床下が腐食していました。
このままでは大変危険です。補修した上で新たに柱もたて、リフォーム前より強度が強い建物となりました。
バルコニー床下の天井の腐蝕
防水材の老化による漏水
表面からは分からなかったが解体してみたら腐蝕していた
バルコニーを修理し、全面に柱を立てタイルを貼る
約10年という長い月日でバルコニーが腐食してしまったとの事、補修工事を行いました。
新しいバルコニーは同じ事が起こった際に早期発見できるよう、下地を露出したデザインにしました。
ツーバイフォー住宅(築10年)のバルコニーの腐蝕
腐蝕した手すり壁とバルコニー部分を解体する
柱立ての新しいバルコニーを設置する
点検しやすいように下地を露出したデザイン
リフォームを進めていくと、経年劣化で腐食した柱がでてきました。
今のままでは柱としての機能をはたせず、耐震面でも心配なため、補修を行います。
外壁からの漏水により腐食してしまった柱
左写真 腐食部分拡大
両サイドに新しい柱を2本設置してボルトを連結させる
さらに2本の柱・梁で補強し、新しいサッシを入れ、壁・天井とも石こうボードで下地を作る
バルコニーの下端の天井をはがしたら、下地が腐っていました
建築不可の築60年の老朽化した家も新築同様に蘇ります 基礎もほとんどありません
外壁タイル貼でも下地に浸水している場合が多い
はね出し式のバルコニーの下端の腐り
白ありに食われた柱
バルコニー下端天井を開けるとほとんど腐っていました
サッシ枠より雨水が浸入して腐った例
天井裏を開けるとこんなに腐っている場合があります。
外壁からの雨水侵入により
軒天井に割れが生じている。
風雨により、穴のあいた外壁下見板
ノンメンテナンスにより崩れ落ちた外壁
屋根の劣化により、雨水が浸透する可能性があります。
外壁タイル目地より雨水が侵入し、軒天井より漏水
築9年の住宅に使用された外材の腐蝕
(左同)
(左同)
2階床 水漏れによる腐食
外壁からの雨漏れによる梁材の腐食
(同左)2階桁材の腐食
瓦屋根の破風板の腐食
洗面室 浴室入口床下の腐食
(同左)
木造住宅の外壁塗装の劣化
木造住宅の外壁モルタルのクラック。放置すると雨水が侵入して木材が腐食する
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- すぐに対策が必要な症状
鉄骨は、RC造に比べ、軽くて力強く、木造に比べて大きなスパンをとばす事が出来る長所がありますが、決定的に「錆」と「火」に弱いという欠点があります。
天井裏の結露や漏水等で知らない間に錆が発生し、気づいた時は肉厚のほとんどが錆びて穴が空いていたというケースがよくあります。
鉄骨部分に、塗装の剥がれ・錆を見つけた場合、経過年数に関らず、すぐに補修する必要があります。
補修は専門業者へ依頼し、適切な防錆処理を施してもらいます。
ベランダの鉄骨部分が錆びて破裂している
衝撃により変形した錆の発生した床
屋上の漏水により鉄骨梁に錆が発生
ここまで進行すると修復は難しいと考えられる
塗装が剥離し錆が発生 このままでは鉄骨材に穴があく
錆により腐食した鉄骨階段
軽量鉄骨造の鉄部の錆
鉄骨材の錆止め塗装のはがれ
木造住宅の基礎の鉄筋が露出して錆が発生。原因はコンクリートの調合の悪さによる
屋外鉄骨階段床に錆が発生
鉄骨造の1階ピロティーの鉄部材の錆発生
鉄骨造建物の外壁モルタル下地 下地ラス板の錆
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- すぐに対策が必要な症状
コンクリートの建物は、新築の時点では高いアルカリ性を保っていますが、年月を経るに従って空気中の炭素ガスや酸性雨等により、アルカリ分が少しずつ失われていきます。
そうなると、鉄筋が錆び易くなり、錆びることで鉄筋が膨張した周りのコンクリートを押し出し(爆裂)、表面 的に見てもクラックが生じ、そこから漏水を起こしたり、耐久的にももろくなる場合があります。
プロの経験や知識で内視鏡の様に内部を見抜く能力がないと手遅れになることがあります。
防水処理を怠った結果、シミ、爆裂、落下
コンクリートの破壊により突き出した鉄筋
鉄筋コンクリート部分のジャンカ(※1)より雨水が侵入
※1 ジャンカ:
コンクリートの打設不良の事例の1つ。調合・打設がうまくいっていない状態
洗面室の床を剥がすと、隣浴室との結露の影響で腐りが発生していた実例 の紹介
コンクリートの爆裂により、鉄筋が露出した事例 ※中央の横亀裂
外壁面からの結露による影響で鉄筋、コンセント周辺が錆びて膨張してしまった
※2
この事例は、マンションの欠陥工事が原因
RC造柱のクラック
RC造外観タイルの割れ
(同左)タイルの浮き
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- 構造別にみる注意点( 木造の場合 | 鉄骨造の場合 | RC造の場合 | その他)
- すぐに対策が必要な症状
住まいの目に見える内装仕上げ部分に見えてきた劣化は、解体すると家にとってかなり危ないサインである事がわかります。
特に水廻りの湿気や水漏れ、北側の部屋の結露は、カビや腐りが見えた時点での点検が必要です。空気の流れや換気、湿度コントロール、断熱が上手くいっていない場合が多く見られます。
または、水漏れや雨漏れが原因になっているときも室内にすぐ漏水するということは少なく、表面に表れた時は大規模な改修工事を余儀無くされるということはよくあることです。
大切な住まいを、永く気持ちよく使う為には、小さなサインを是非お見逃しなく! 気になる点は、是非ご相談下さい。
北側の和室の壁にカビが発生。結露と断熱対策が必要。
洗面室から浴室への入口ドアの枠と床部分の腐蝕。
洗面所の湿気によるクロス剥がれ。下地の腐りも見られる
金属屋根のメンテナンス塗装を怠ったため腐蝕し漏水の原因となる。
パラペット笠木部分及びタイル目地からの漏水により剥離したタイルやコンクリート片
地盤沈下により、クラックが入った基礎 ※基礎のヒビ
- 「定期的な点検」と「適切な処置」による建物の変化
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- すぐに対策が必要な症状
こんな症状がでたら要注意!すぐに対策が必要です!!
どの構造の場合でも、次のような症状がでたら要注意です。すぐに対策が必要なレベルです。
雨漏りは、家を支えている柱や土台が腐る可能性もあるので早急な処置が必要です。湿気のせいだと思っていたクロスにカビが、実は雨漏りのせいだったという事例もあります。日頃つかっていない部屋も定期的に点検しましょう。
外壁は厳しい自然環境にさらされる部分だけに、目に見えて傷みが目立つようになると早めの修繕が必要です。ヒビ割れを放置すると、外壁の内部にしみ込んだ雨水によって木材や鉄骨材を腐食してしまう可能性もあります。
木の調湿機能が働いておこる季節的なものと、構造的欠陥がある場合があります。耐震上安心できる住まいにするためにも、不快なきしみ音のストレスから解消されるためにも、気になる点があればご相談ください。
結露や雨漏り・経年劣化などにより、柱や窓枠がくさってしまう場合があります。家をささえている柱が腐ってしまった場合、これは重大な問題です。自然災害で大きな影響を受けてしまう可能性があるため、早く補修する必要があります。
家が傾いていると感じたときには、その住宅は構造上で大きな問題がある可能性があります。そのまま放っておけば、地震などの災害時に倒壊しかねないのです。一度プロの目で調べてみる必要があります。
シロアリの被害にあいやすいのは、床下や屋根裏などのふだん目につかない部分や、浴室・洗面所・トイレなどの水廻りです。土台が被害を受けると建物の強度が下がり、地震や台風のときの倒壊の原因になることもあります。