築62年の平家建てのこの家は現在入居されているご家族のおじいさんが建てられたという話を聞きました。
そのおじいさんは大工だったという事で本来であれば建て替えなんだけどなと言われました。
何年か前の遺産相続で自分が土地建物を引き継ぐ事になったという事で、
その時相続の仲で当社の不動産部門がお世話になったご縁で当社に依頼がありました。
その時は3～4社の1社として競合がありましたが、ご案内した当社がリノベーションした築50年の住宅を
内見していただきそれをとても気に入って頂いた事が当社にご依頼いただいた理由の一つでした。
昭和34年という戦後の復興がまだ終わらぬ時代に建てられた貴重な建物を象徴するように
燻銀（いぶしぎん）色の日本瓦の乗った小さな平家建て家で、私もこれは残した方がいいなと直感的に思いました。

外壁塗装もしてきれいになりました

手すり付き階段を設置してバリアフリーに

造作の下足入れも設置しました

ペンダントライトと化粧梁がデザインされた美しいダイニング

ダイニングの脇には造作の棚があります

テレビ台の上部には梁で造られた飾り棚

ロフト付きの寝室

赤い棚と丸い鏡が特徴的な洗面室

ダイニングからキッチンの全体像

落ち着いたリビング

梁は全て計算されていて、耐震も美しさも兼ね備えている

L字型のキッチンは使い勝手も抜群です

昔ながらの和室の多い平屋は老朽化もしていますし、耐震基準も違うので、梁や柱で補強しながら活かした内装となりました。昔ながらの物を活かしつつ、LDKが一体化し天井も高くなって開放感と落ち着きが溢れる家にデザインされています。個室にはベットにもなるロフトも造作致しました。自分だけの有意義な空間が出来たのではないでしょうか。

　施工のポイント

燻銀色の日本瓦、古き良き外観はそのままに、生まれ育った既存の雰囲気を残すため使える部分はそのまま使用し、ブルー、グリーンに塗装した板を外壁貼りました。
内装は現しとした既存の柱や梁は無垢の床と相性もよく温かさがありながらも、この家のテーマカラーでもあるブルーやグリーンの差し色でモダンでおしゃれなLDKとなりました。（梁や柱はこの家を長年支えた既存の物を再利用しています。）
吹抜けの天井は間接照明や様々なペンダントライトやミニシャンデリアが空間を彩ります。たくさん照明があることにより自分がいる場所だけ照明をつけると雰囲気を変えることができ、また電気代の節約にもなります。

この事例はLIXILメンバーズコンテスト2022にて「地域最優秀賞」を受賞した事例です。

BEFORE

趣のある日本家屋

窓は大きいが隙間風が悩み

和室を中心に細かく区切られた
間取り

既存ユーティリティ