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建築用語集

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その他「ト」

■トーネットチェア
ドイツのミカエル・トーネットが考案した椅子のこと。曲げ木を使っていることが特徴で、世界各国で使われるほど浸透している。ミカエル・トーネットはドイツとオーストリアの家具デザイナーであり、トーネット社の創業者でもある。曲げ木技術の発明者でもあったことから、トーネットチェアが生み出されていった。木をやわらかくしてから曲げる技法でもありながらも、工場で大量生産することができるようになっている。代表的な作品としても知られているのがNo.14で、世界的に広まった。19世紀で5000万脚という大ヒット商品となり、当時生産された数多くのトーネットチェアを見ることができる。生産も続けられており、コレクターも存在する。


■戸当たり
扉や扉の握り部分が、開いたときに壁に直接当たらないように取り付けるストッパー金具のこと。または開き戸の枠に、扉を止めるために付ける細木のこともさす。


■樋(トイ)
雨が降ったときに、屋根の上に落ちた雨水を集めることで、スムーズに配水する装置のこと。雨水を樋に集めることによって、意図しないところに漏水させることがないため、建物の腐敗を防げる。樋は建物の耐久性を保つためにも重要であるが、樋を使うことによって、雨水が落ちて生ずる騒音も防止することも可能だ。雨水の落下によって、庭の土が掘り返されてしまうことを防ぎ、水たまりができたりしないようにする。


■投影図
空間に存在する三次元の物体の位置や形状を、1点から見て一平面上に表す投影図法を用いて描いた平面図形のこと。物体を一平面に対して水平かつ垂直において描いた投影図を「正投影図」と言う。また、もっとも良く使われる投影図は、「アイソメトリック投影法」とも呼ばれる軸測投影図だ。投影図は、放射線が互いに平行な平行投影と、すべての投射線が一定点を通る中心投影に分かれる。投影図は、何が写されているかが容易に分かること、そしてもとの図形の長さや角度、面積などが正確に復元できることが必要だ。そのため、投影面を増やす、あるいは、その投影図内に数値を記入するなどして、より分かりやすくする工夫が取られている。


■陶器質タイル
屋内の壁に多用されるタイルのこと。やわらかく、湯飲みなどと同じ素材でできている。海外からの輸入品に多く、国産のタイルではあまり見られない。多くは上薬で仕上げられ、表面にツヤがある。硬さや強さは磁器質タイルに比べて小さく、内装に用いられることが多い。優れた耐久性がある反面、吸水性が高く、常時湿度の高い場所で使用するとカビが発生するおそれがあるので、使用推奨場所を確認してから施工することが重要。自然環境に対して劣化、変色、変質がほぼなく、化学的にも安定性があり、酸やアルカリなど薬品に対してとても変質しにくい。風合いや色彩、形、材質感を豊かに表現できる意匠性が特徴で、メンテナンスも容易である。


■唐木(トウボク)
東南アジアから輸入されている銘木の総称のこと。紫檀や黒檀といった物が知られているが、鉄刀木や花梨といった物のことも唐木と呼ぶ。熱帯産の木材であることから、唐は中国のことを指しているわけではない。唐を経由して輸入されてきたため、唐木という言葉が残って今でも使われている。


■通り心(トオリシン)
壁や柱の中心を通る線のこと。柱と柱の中心を結ぶ場合、直線として表すことができる。格子状に柱を配することが一般的となるため、グリッド状に通り芯も表すことができるようになる。各通り芯に番号などを振ることによって、これを共通情報とすることができ、部材の配置を間違わないようにすることが可能。大きな目安として使われることが多く、通り芯から寸法や位置の割り出しも行なわれていく。設計段階で決められた物はすべて同じ番号が振られていくが、大工が施工上行なう場合には、独自の番号を付けることが一般的だ。サッシの取り付けなどでも重要な基準線であり、これが間違ってしまえば、すべてに狂いが生じてしまう。


■特定道路
15m以上の幅員を持つ道路のこと。特定道路が6m以上ある前面道路から70m以内にある場合には、容積率が前面道路幅による規制を緩和させることができる。ただし、都市計画で指定された容積率よりも低くなければならない。特定道路によって緩和されるための条件として、定められた容積率より低くなるための条件は、住居系用途地域であれば指定容積率が300%以上あるか、その他の用途地域で400%以上、前面道路の容積率の低減係数が8/10区域で、指定容積率500%以上となる。この中で、住居系用途地域で考えた場合には、ほとんど存在しない。その他の用途地域は、商業地域であれば存在するが、準工業地域では300%が上限となっていることが多い。


■戸車
建具のひとつで引き戸や引き違い戸に取り付けられている可動装置のこと。下部に付けられており、車輪状になっていることから、レール内でスムーズに滑らせることができるようになる。レールによって適合する形状が決められているため、適切な物を組み合わせなければならない。実際にはVレールに対して使われる形状の物が多い。戸車は、小さな車輪がついたパーツではあるものの、ストレスを感じずに生活をするためには、欠かせない建具であると言える。引き戸などを円滑に動かすことが求められることから、ベアリングの入った物が主流となってきた。必ずレールが必要であるというわけではなく、ない場合に用いられる戸車は平戸車と呼ぶ。


■床框(トコガマチ)
床の間の前端に取り付けられている化粧横木のこと。とこぶちと呼ばれることもある。床框は一段高くすることで、そのままでは見えてしまう床畳や床板の端を隠すために用いられる。格式を高めるために檜材や黒漆塗りを施した物が使われることがあるが、高額になってしまうため、代替えとしてカシュー塗りの面皮框が使われることも。高級材である黒檀、紫檀といった唐木が使われていることも多い。


■床挿し
畳や竿縁天井の竿、天井にある溝が床の間の方向を向いている状態のこと。直角の状態になっている場合を床挿しと呼ぶ。他にも床指や床刺しと表記することもあるが、日本建築では縁起のいいものとはされておらず、不吉とされている。施工としても好ましくないものであるが、建売住宅の中には視覚的な目的で、デザイン性を重視するといった名目で使われていることがある。


■床の間
座敷や茶室などに設ける掛け物や花、書画などを飾る空間のこと。銘木または薄縁の床板、横材の床框、床柱、落し掛けなどで構成される。床の間は特徴的な日本間の大きな要素で、格式のためにつくられることもある。床の間の形式は、本床、蹴込み床、琵琶床、室床、畳床、板床、洞床、織部床、吊り床など多い。


■床柱
床の間の脇に使われている飾り柱で、床の間の構成上、その中心となる柱のこと。床柱のサイズは、和室の広さによって決まり、広い和室には大きな床柱を使用する。和室全体の調和を決めるポイントとなるため、材質や木目などにこだわった物が多い。書院建築では、他の柱と同種の角柱を使うことが多いが、絞り丸太などの丸柱が使われることも。床の間を部屋の中央にしつらえた場合、床柱は床の間の両側に1本ずつするが、多くは床の間は部屋の南側に寄せられるので、その場合は、床柱は部屋の中央側に1本配される。格式の高い床の間では、桧の正角大面取りの床柱を用い、一般の住宅においては、黒壇、紫壇、桧の突板貼りなどを用いる。


■床脇
床の間の横にある、違い棚や天袋、地袋などをしつらえた場所のこと。床の間や書院とともに、書院造りの和室の床構えを構成する上で重要なもので、様々な棚を組み合わせた装飾的な空間となっている。床の間に向かって右側に設けられることが多く、天袋や地袋がないタイプ、違い棚の代わりの釣り棚や通り棚、箱棚などを設けたタイプなど、意匠が豊富。床脇に、違い棚という左右の壁から段違いに張り出し小さな束でつなげる棚を付けるのが、一般的だ。しかし、天袋や地袋の有無や形状、大きさなどに、設計者や建築主の意向を多く取り入れることができるため、床脇はそれぞれの家による違いが大きいという特徴もある。


■都市計画区域
都市として総合的に整備や開発を進めていく必要のある区域として指定された地域のこと。都道府県は人工・都市の発展・地形などを考慮し、必要に応じて「市街化区域」や「市街化調整区域」などに区分する。「市街化区域」とは、すでに市街地が形成されている区域で、10年以内に優先的に市街化を図る必要のある区域を指す。積極的に市街化を進める地域という言い方もできる。一方、「市街化調整区域」は新たな建物の建設を抑止する地域だ。「都市計画区域」の指定を受けている地域では、土地利用が制限されてしまうことがあるが、このように区分することによって、市街化が無秩序に進められていくことを防ぐことができる。都市計画区域は、都心部において特に重要である。


■都市計画法
街づくり3法のひとつである法律。1968年に制定以来、何度も大きな改正を重ねている。特に1998年の改正で、改正都市計画法とも呼ばれ、2006年の改正から改正街づくり3法のひとつとなった。都市が健全に発展し秩序のある整備が進められるように規制している。1998年からは、地方自治体の仕事と定められるようになった。その時代ごとに改正されている法律であり、都市計画事業に関して様々な取り決めをしている。都市の開発に関する計画だけではなく、決定手続きや開発許可制度と言った制限も定めている法律である。2006年の改正では、超高齢化社会の到来を前提とし、人口減少に対応するため大規模集客施設の規制がこれまで以上に強化された。


■戸決り(トジャクリ)
引き戸を用いるときに、光が漏れたりしないように、柱や枠を刻み込んだ部分のこと。引き戸を閉めるときには、柱や枠にあたるまで動かすことになるが、そのままではわずかな隙間ができてしまうことがある。隙間風や光が漏れるなどの問題が出てくるが、これを防ぐために溝を掘っておき、引き戸を食い込ませていく。これによって隙間の発生を防ぐのが戸決りの目的だ。戸杓りと書かれていることもある。外部の引き戸に使われる方法であり、室内で使われる障子や襖(ふすま)には行なわれることがない。アルミサッシのように精度の高い建具が登場するようになり、外部に障子や襖が用いられなくなったことで必要性がなくなり自然と消滅していった。



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