建築用語集
■テーブルランプ
テーブルのような台の上に置くことを前提とした照明器具のこと。テーブルスタンドとも呼ばれている。世界中で愛用されている照明器具のひとつ。様々な種類の物が存在し、明かりとして使える物から、演出として利用されるような物までバリエーションに富む。デザインとして考えた場合、傘の形状だけではなく、スタンド全体のデザインをインテリアとしても活用できる。テーブルに置くことを前提としているものの、光の方向を壁や天井にすることができるようになっている物を使えば、傘を使った間接照明だけではない利用をすることも可能。光ファイバーを使った物や、一見すればテーブルランプには見えないようなデザインの物まで存在し、アクセントとしても強い役割を持たすことができる。
■手洗い付きカウンター
洗面化粧台のひとつで手洗いボールや水栓が天板上に設置してある物のこと。手洗い器としては、コンパクトにまとめられている。下部には収納スペースがあり、タオル掛けやペーパーホルダーに活用することができるため、トイレに使われることが多い。実際に省スペースで活用することができるメリットを考えても、スペースが限られるトイレは有効に活用できる。洗面所で使われる場合には、洗面化粧台と呼ばれ、特別に手洗い付きカウンターとは呼ばない。洗顔もシャンプーもできるようになることから、シャンプードレッサーと呼ばれることもある。どうしても水跳ねする問題があるため、工夫された物も多い。
■TQM
「Total Quality Management」の略。TQCを発展させた形の内容で、ここでの「Q=クオリティ」は、設計図書において定められた品質のことを言う。契約において定められた品質を最小の費用で、もっとも効率よく実現するための技術のことだ。TQMは、1980年代にアメリカで提唱された考え方である。当時、日本の企業、製造業の研究が盛んに行なわれており、その中で日本独自の進化を遂げていたTQCやQCが注目され、トップダウン型のTQCが、日本ではQCサークルなどのボトムアップ型の活動に進化し、日本型TQCと呼ばれるようになった。その特徴である、改善し続けるという特徴を取り入れて、アメリカの企業に合うようにトップダウン型の意思決定プロセスを採用して、品質マネジメントを行なうTQMが登場した。
■TQC
「Total Quality Control」の略。全社的な品質管理(QC)の推進を行なうもの。アメリカのファインゲンバウムが提唱した言葉だ。JISではTQCを次のように定義している。「品質管理を効果的に実施するために市場の調査、研究、開発から製品の企画、設計、生産準備、購買・外注、製造、検査、販売及びアフターサービスならびに財務、人事、教育など企業活動の全段階にわたり、経営者及び管理者、監督者、作業者など企業の全員の参加と協力が必要である」最近は、品質管理だけに限定されることなく幅が広がったため、TQM(Total Quality Management)と呼ばれることも多い。
■定期借地権
平成4年8月に施行された新しい借地権のこと。それまでの借地権とは違い、当初の契約期間が終了したとしても、その後の更新はない。これによって、土地の所有者は安心して土地を貸すことができる。借主にとっては、従来よりも少ない負担で住宅を持てるというメリットがある。「定期借地権」の種類は、3つ。かつての借地権では、借主の保護が優先されていたため、貸主にとって大きな不利益があった。これは、戦前は借地借家が当たり前だったことによる。時代が変わり、現代では自分で土地を所有する人が増えているため、土地の所有者の権利を強めるために「定期借地権」が誕生。土地に対する考え方が変わったため、「定期借地権」は普及した。
■低層住宅
1〜2階建て程度の住宅のこと。まれに3階建てを含めることも。低層住宅より高い住宅は、中層、高層住宅と呼ぶ。定義として旧建設省が1995年に策定した「長寿社会対応住宅設計指針」(旧建設省住備発第63号)で、「6階以上の高層住宅にはエレベーターを設置するとともに、できる限り3〜5階の中層住宅等にもエレベーターを設ける」と規定されており、1〜2階の建築物が低層建築物であると解釈できる。一方、建築基準法第55条では、第一種低層住居専用地域及び第二種低層住居専用地域における建築物の高さ制限を、10mまたは12mとしており、この制限内であれば3〜4階建ての建築も可能だ。
■テキスタイル
織物だけではなく繊維も含めて指す言葉のこと。総称的な使われ方をすることもあり、編物や不織布、布など様々な物を含める。狭義には染織だけを指すこともある。アパレル関連で使われることが多いのは、同じような意味を持つファブリックという言葉と区別をするという意味が強い。どちらも布地という意味を持ち、ファブリックはインテリア関連の繊維ということを表すことが多い。カーテンやカーペット、ソファカバーなど加工後の物に対して使われている。テキスタイルが加工前の物を指すということもある。インテリアでテキスタイルが使われることもあり、逆にアパレルでファブリックを使うこともあるため、そこまで明確ではない。
■テクスチャー
本来は「織物の織り方や質感」という意味だが、そこから「材料の質感や感触、特徴や表面の様子」等を指す言葉として使用されている。また建築工事の設計の場では、単純に材料や素材感という意味で使われるだけでなく、どのような素材を用いて空間を仕上げるかといった造形の概念をあらわすときにも使われる。3Dグラフィックソフトを使用して、建物の表面に貼り付けるコンクリートや金属、木材等の画像が「テクスチャー」であり、これを貼り付けてリアルな質感を出すことを「テクスチャー」を貼り付けると表現する。テクスチャーマッピングとも言う。建築パースで使用される「テクスチャー」は、敷材や芝生、壁紙やフロアタイルなど多岐にわたる。
■テストピース
コンクリートやモルタルの圧縮強度試験に用いるための供試体のこと。コンクリートやモルタルを打設する際に、現場で専用の型枠を使い作成していく。コンクリートの場合、直径10cm、高さ20cmの円形になっている型枠を使い作成される。材令7日と28日に試験機に掛けられることが一般的な試験方法だ。養生は水中養生が基本で、3本を2セット用意しておく。モルタルの場合には、もっと簡易的な直径5cm、高さ10cmの型枠を使うこともある。無収縮モルタルなど、初期強度の発現が早い場合には、材令3日で試験を行なうことも。道路工事などに使われる超速硬コンクリートの場合には、規制解放前に簡易アムスラーを使い、テストピースをその場でつぶして確認する。
■鉄筋コンクリート造
鉄筋コンクリート構造、RC造とも言う。鉄筋コンクリートの部材で形成した構造の総称である。鉄筋コンクリートとはコンクリートの中へ鉄筋を組み入れたもので、コンクリートの引張りに弱い性質を鉄筋で補った材料である。建築物の主要構造部をつくるのに用いられる代表的な構造であり、長所は耐火性、耐久性に優れ、構造形態が自由にでき、耐震性に優れた構造をつくることができる所。短所は自重が重い、ひび割れができやすい、施工が繁雑で工事期間が長くかかるなどである。
■テッセラ
モザイク張りに使われる大理石などを原材料とした四角い小片のこと。数mmから2cm〜3cm角に作られており、大理石の他にも貴石や色ガラス、ガラスに金箔や銀箔を貼りつけた物などがある。漆喰をベースとして埋め込まれて使われた。耐久性が高いことにより、半永久的な美しさを保てることからも、大規模な装飾に使われてきた。テッセラを一個ずつ接着剤によって張り付けていくと、より立体感を出し、三次元的な表現にすることが可能だ。絵画的な表現にも直接張る付ける方法は向いており、長期間の作業には向いていないことからも小さな作品にも多く使われている。他にも関節法や二重関節法といった技法も存在する。
■テナント
賃貸借契約のもとで不動産を借りる賃借人のこと。日本ではもっと範囲が狭くオフィスビルや商業ビルの一部区画を借り受けて営業する事務所や店舗のことを指す。店子(たなこ)とも呼ばれる。
■手元
職人に対して補助をする者のこと。主たる作業者である職人に対して、サポート役という意味合いがあった。現在では、現場内で主たる作業を行なうのではなく、掃除などを行なう補助的な人員に対して使われることが多い。かつては、手元を専門とする職人もいたが、現在では消滅している。
■テラコッタ
粘土の素焼き、赤褐色の建築用外壁材のこと。昔から、屋根瓦や排水管に多く使われており、最近ではガーデニン用の鉢や、レリーフを施した装飾的な使い方もされている。イタリア語で焼いた土の意味であり、スパニシュ様式の建築外壁に良く使用。レンガや屋根板と同様、彫刻や陶器に使われてきた長い歴史があり、古代においては、彫刻をこしらえたあと、天日干しにしていた。その後は火おけの灰の中に入れて焼き固めるようになり、最終的には今日、見られるのと同様に窯に入れて焼くようになったとされる。テラコッタは焼成温度によってでき上がりの色彩が変化し、800度程度で焼成された物が良く見られる。
■テラス
家屋の母屋から建物外部に突き出した部分のことである。様々な形態があるが、基本的に戸建住宅、または専用庭のあるマンションの1階に設けられ、「テラス=盛り土」という原義の通り、本来の地盤面よりはやや高くなっている。通常は掃き出し窓や扉などによって屋内とつながっている他、土の庭にもそのまま出入りすることが可能。「テラス」には、表面がコンクリートの物だけでなく、レンガ、タイル貼り、石貼り、ウッドデッキなど材質の違いの他、周囲を枠や柵で囲まれている物や、屋根の有無など、様々なバリエーションがある。なお、2階以上に作られた家屋の突き出し部分は「バルコニー」や「ベランダ」と呼ぶ。
■テラスハウス
境界部分の壁を共有している複数の低層階建物(主に2階建てが多い)が連なった形式の住宅のこと。独立した庭などが各戸に設けられている。各戸に専用の庭があることから「テラスハウス」と呼ばれるようになった。「テラスハウス」は、他にも長屋建て住宅、連続建て住宅、もしくは連棟建て住宅とも言われている。「テラスハウス」の特徴である境界壁の共有により、敷地の効率的な利用、さらには建築コストがかからないといったメリットがある。その反面、共有の壁であるため隣の家側には窓が設置できないことや、生活音など騒音の問題が起こることがあるといったデメリットもある。「テラスハウス」と似たような建物で「タウンハウス」と呼ばれるタイプがあるが、これは庭などが共有スペースとなり、分譲マンションなどの分類。ちなみに「テラスハウス」は、戸建住宅の分類になる。
■テラスハウスとタウンハウス
住宅の建て方のひとつ。長屋建て、連続建てとも言われ、各戸が土地に定着していて、共用の界壁で連続している住宅のこと。「タウンハウス」とは、接地型住宅団地のひとつの形態。住戸を集約化し、各住戸の専用、使用する土地の面積を最小限にとどめることで、オープン・スペース、コミュニティ施設用地を確保でき、良好な住環境を団地全体で創出できる。しかし、タウンハウス団地内の住宅は、テラスハウスであることが多いため、テラスハウスのことをタウンハウスと言うこともあるが、もともと異なった意味を持つ物だ。テラスハウスとタウンハウスは、土地の有効活用という観点から見ると、効果的な設計手法である。
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