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建築用語集

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その他「シ」

■シックハウス症候群
住宅に由来する健康被害の総称。建材等から揮発・発生する化学物質などによる室内空気汚染や、高湿度によるカビ・ダニの繁殖、燃焼による一酸化炭素・二酸化炭素・窒素酸化物の発生などに起因すると考えられる。症状としては、めまい、倦怠感、目がチカチカする、目がかゆくなる、咽頭痛、咳、頭痛、嘔吐、湿疹など多岐にわたり、個人差も大きい。住宅の高気密化・高断熱化が進んだことにも起因すると考えられる。新築の住居や、改築直後の住居で症状が見られることが多く、化学物質過敏症と混同されることもあるが、必ずしも一致するものではない。対策としては、換気を行なうこと、カビ・ダニの発生をおさえることなどがある。


■湿式工法
建設現場の工法として水を使う施工方法を用いること。左官工事が代表的であり、コンクリート工事やタイル工事も含まれている。水を使うということでは、天候にも左右されることが多く、乾燥させる期間が必要となる。各工程が存在することから、天候によっては工期が読めなくなることも珍しくなく、コストも増加しやすい。現場での作業となることから、状況に合わせた対応も求められる。手作り感を出すことができる一方で、作業者である職人の技量に左右される部分が大きい。湿式工法に対して、工場などで生産される石膏ボードや合板などを取り付けることを、乾式工法と呼ぶ。どちらにも一長一短があり、適材になるように組み合わせていく。


■七宝模様
同じ大きさの円を1/4ずつ重ねた模様のこと。正円の内側に沿ってつないでいる。七宝模様を連続したものを七宝繋と別に呼ぶこともある。また、輪違と呼ぶことも。家紋にも七宝模様が使われることがあるが、輪違と呼んだときには、2つの円を横にずらして重ねた紋となる。円を重ねることから円満を意味するとされ、吉祥文様としても知られてきた。仏教の七宝から取られたという説もあり、七宝自体は由来すると考えられるが、七宝模様自体の関連性について確証のあるものではない。七宝模様自体は紡錘円の繰り返し模様でしかないため幾何学的になるが、文様と組み合わせることによって、広がりを増すことができる。着物の絵柄としても用いられている。


■室礼(シツライ)
平安時代に寝殿造の住宅の母屋や庇に、ちょうどを立てて室内を飾り整えたことを言う。客を招いての宴など、晴れの儀式の日に用いられた。屏風や几帳、御簾(みす)などの仕切り具や、櫃や厨子といった収納具、置畳や使途の、円座などの座臥具などで、寝殿造の開け放された空間を必要に応じて使いやすいように仕立てた。現在では、飾り付けること、設け整えることや装置という意味でも使われている。また、季節や人生の節目に合わせた書や花、物などを床の間や玄関、壁や棚の上などの場所に飾り楽しむことも室礼と呼ぶ。一般的には歳時記に合わせて飾りを変える。最近では日本の節句の他ハロウィンやクリスマスといった行事に合わせた飾り付けも行なわれる。


■シャープシェード
ローマンシェードの一種である。形状はプレーンシェードと同じだが、折りたたまれるピッチに細かいバーを入れ、規則正しく折りたたまれるように設計。このピッチのため、大きな窓に適したローマンシェードであると言える。シャープシェードではバー袋の外側にコードを通すベルトが並び、内側はシェーパーバーという細いパイプを入れられるようポケット状になっている。一方プレーンシェードは、生地の裏にリングテープを縫い付けて、そこにひもを通して吊り上げるタイプだ。この違いから、プレーンシェードでは若干のたるみができてやわらかい印象になるが、シャープシェードは直線的でシャープなひだができる。


■遮音等級
実際に室内で聞こえる騒音のレベルをランク分けしたもの。N値であらわされ、数値が小さいほど静かであることを意味する。N値はIndoor Noise LevelのNだ。物理的に遮音性能が同じ建物でも、周辺環境や各住戸の状況によって騒音等級は異なる。等級アN-25からN-75まで5刻みで分けられていて、N-25は通常では聞こえないレベル。N-75 は非常にうるさいレベルだ。


■シャギーカーペット
シャギー・カットパイルのカーペットのこと。パイルの糸が太目でよりをかけてあり、毛足の長さが25mm以上のカットタイプのカーペットである。豪華で肌触りが良いのが特徴。小型の物は通常ピース敷きにする。また、壁掛け用に使われる場合も。シャギーとは、「もじゃもじゃ」「毛深い」といった意味がある。カーペットはこの他にも、製造方法とテクスチャー、素材によって分類がなされる。パイルカーペットにおいては、その糸の形状、長さ、風合い、組織、密度などの外観形状で分類。カットパイルを使用したカーペットは、他にブラッシュ、ベロア、サキソニー、ハードツイスト、といった分類の物がある。


■借地権
借地法の適用を受ける建物の所有を目的とした賃借権及び地上権のことを言う。当初、賃借権は法的効力が弱かったため、借地権者の地位を保護するため、その後の立法により、一部に限り地上権と借地権を同一の取扱いをするようになる。また賃借権、地上権の登記がなくても、地上建物登記があれば借地権の対抗力を認めたり、存続期間更新、借地権の譲渡転貸など、借地法、借家法、建物保護法などで借地人の保護を図ったが、問題が残されたため、新借地借家法が平成4年に施行された。


■社寺建築
寺や神社などの建物、及びその建物の建築を指す言葉。仏教伝来とともに大陸から伝わった形式だけでなく、日本で始められたものもあり、また細部の取り扱い、曲線の性質、意匠の洗練さなどの面で、日本独自の様式が形作られている。日本古来の木造建築のうちでも、社寺建築は長く建築界の主流を占めており、その構造もまた和風木構造の中で、もっとも高度な技術を持つものに発達してきた。


■斜線制限
建築基準法第56条によって定められた、建築物の各部分の高さを制限する法律。採光や日照、風通しなどの市街地の環境を確保するために、設定された斜線より外側には建築物があってはならないという制限で、道路斜線制限、隣地斜線制限、北側斜線制限の3種類がある。道路斜線制限は、道路に面する一定部分の高さを制限し、道路と周辺建物の見通しや風通しを確保するもの。隣地斜線制限は低層の住居専用地以外で適用される、隣地の日当たりと風通しを維持するための制限で、隣地との境界を起点に、高さと斜線の角度で規制される。北側斜線制限は、低層・中高層の住居専用地域の北側に適用される、北側隣地の日当たりが悪化するのを防ぐための制限。北側の隣地境界を起点に、こちらも高さと斜線の角度で規制される。


■シャンデリア
電気を灯す部分が複数ある装飾的な照明具のことを言う。古い時代の「シャンデリア」は幾つものろうそくを立てる照明器具だったが、そのろうそくが電球を使用する形へと変化した。「シャンデリア」は、天井に直接取り付けるタイプと鎖などを使って天井から吊り下げるタイプに分けられるが、どちらも通常の照明器具と比べて大きく重い照明となる。そのため、天井が低い居室や狭い居室には向かない。また、「シャンデリア」を吊るすことを想定していない天井の場合、大掛かりな補強が必要となる。


■シャンプードレッサー
洗面所で洗髪ができるよう、大きいサイズの洗面ボウルとハンドシャワーが備わった洗面台のこと。朝が忙しく入浴できないケースなど、洗面所で手軽に洗髪ができ、また、ハンドシャワーを使うことで洗面台の掃除も簡単にできる。ハンドシャワーは、ワンタッチでシャワーと普通の水流に切り替えることができるため、通常の洗面台として利用することも可能。特に賃貸物件を探すお客様の中には、「シャンプードレッサー」が備わっていることを条件にする人も多い。


■集合住宅
ひとつの建物の中に、複数の住戸が存在している住宅のこと。建物の内部は共同部分の廊下や壁で区画され、複数の世帯が入居する。日本においては、一般的にアパートや賃貸マンション、タウンハウスなどが「集合住宅」としての認識が高い。建築基準法には「集合住宅」という言葉はなく、「共同住宅」として表記されており、ひとつの建物の中にひとつの世帯しか存在しない一戸建て住宅と区別されている。しかし、住宅と住宅が数十センチの間隔で密集して建てられていて、それぞれの外観がほぼ同じである一戸建て住宅(1階部分が車庫になっている、建売り3階建てのタイプなど)の場合は、広義において「集合住宅」と呼ばれることもある。


■集成材
板状に製材したラミナと呼ばれるひき板や小角材を乾燥させ、フィンガージョイントと呼ばれる方法で縦に接合し、また幅方向には接着剤を塗り、ラミナを重ね、貼り合わせて作られた木材のこと。ラミナの状態で良く乾燥させるため、水分が抜けて割れや狂い、腐食が起きにくく、またもともと木の節や割れた部分は取り除いて作られるため、見た目に美しい。


■竣工式(シュンコウシキ)
建築物の工事が無事完了し、ことの成就を感謝するとともに一般に披露する意味で行なう儀式のこと。通常、完成した施設内や施設入り口を会場とする。校舎や病院などの施設の場合には竣工式典、新社屋などの建物の場合は落成式典として行なう場合が多い。竣工式と落成式では、建物が無事に竣工したことを神に報告し感謝の気持ちを表すという、その意味は同じ。しかし、竣工式が竣工した建物の堅牢と、末永い繁栄を神に祈願することを目的としているのに対して、落成式は、対世間的な行事として建築主が来賓や工事関係者を招いて工事の完成を感謝し、関係者の労をねぎらうことを目的としており、竣工式のほうがとり行われることが多い。


■書院造り
書斎である書院を建物の中心としている住宅様式のことである。古代の寝殿造りを母体に、鎌倉、室町の武家時代から桃山時代にかけて完成した。寝殿造りは個々の部屋が開放されていたが、書院造りでは、襖、障子などの間仕切りが発達。畳を敷き詰め床の間のある座敷と、出窓形式の付書院、あるいは出っ張りのない平書院が特徴の造りである。


■省エネ住宅
日常で使用される冷暖房や給湯、家電製品などによって消費されるエネルギーを、少なくするように設計された住宅のこと。そのために、壁や床、天井などに断熱材を使用したり、サッシの二重化、ガラスのペアガラス化などを取り入れたりしている。断熱材には、無機質系と有機質系があり、ロックウール、グラスウールなどは無機質系。ポリスチレン、ポリウレタンは有機質系だ。近年では、太陽エネルギーを利用したソーラー機器の開発も進んでおり、省エネルギー化が図られている。省エネ住宅は、環境に優しく遮音性や耐久性が高いのがメリットだ。しかし一方で、オール電化設備となることが多く、費用が高くなり、設計も難しいというデメリットもある。


■商業地域
都市計画法第9条によって定められている「主として商業その他の業務の利便を図るために定められる地域」のこと。用途地域のうちの一種であり、近隣商業地域とは異なり、住環境に重きを置かない地域。近隣商業地域では、日常の買い物に適した商業施設が多く建ち並び、住環境も考慮されるため住みやすい町が形成されるが、「商業地域」では市街地の中心や駅を中心とした地域を指定することが多く、ビルや事務所、デパートなどが建ち並ぶことになる。容積率の限度は200%から1,300%までの12種あり、建築物は定められた数値以下でなければならない。戸建住宅が建てられることは少ないが、高層マンションなどの住施設が建設されることもあり、この他、学校や図書館から娯楽施設まで建てられることもある。


■詳細図
設計計画した物の中で、重要な部分や理解されにくい点について図面や章で詳細に書き表した物のこと。納まり寸法や仕上げ方法、材料などが書かれている。通常縮尺が1/50、1/30、1/20などのスケールで描かれる。これに対して、縮尺1/100程度であらわされた図を一般図と呼ぶ。詳細図には矩計図、平面詳細図、展開図、建具リスト、階段詳細図、部分詳細図などがある。このような詳細図は、打ち合わせが進んでプランが固まってから、納まりやディティールなどの細部を表現していくのが一般的。


■障子
和室に用いられる建具のひとつ。和風建築における、屏障具の総称としても使われる。格子型に作られた片面、または両面に紙を貼った物で、間仕切りや窓に立てて使用。光を透過する程度に貼られた物を明かり「障子」と呼び、両面に紙や布を貼って光は遮断する物をふすま障子と呼ぶ。平安時代にはすでに使われていたことが分かっており、視線を遮ることを目的とした。プライバシー保護であり、自分のためのパーソナルスペースをつくりだすことができる建具でもあった。


■照度
光源から照らされたある面の単位面積が受ける、光の度合いのこと。単位はルクスで表される。JISでは、工場、学校、商業施設など、施設ごとの照度基準を細かく設定。直線光を除いた空からの光(天空光)による地上の水平面照度のことを全天空照度と言う。これは太陽の位置や天空透過率によって決まる。一般的に快晴時より、うす曇りのときのほうが明るい。設計用の基準としては15ルクスが使用される。


■植栽(ショクサイ)
庭をはじめ、玄関まわりや門、塀のまわりなど、敷地に植えられる樹木や草花、または、それらを植えることを指す。また、門や塀、生け垣等の代わりとして植えられた樹木や、建物の屋上に植える植物なども「植栽」の一種。「植栽」には、視覚的に生活を豊かにするだけではなく、広さがあれば災害時の避難場所になったり、室温調節等をしたり、様々な効果・役割がある。樹木を植えて「植栽」を設ける場合、目隠しとすることが主な目的ならば、1年を通して常に葉を付けている常緑樹が好適。これに対し、木陰作りが主な目的ならば、冬場には日光が入るようになる落葉樹の方が適している。落葉樹を植えた場合、四季による葉の色の移り変わりを楽しむこともできる。


■書斎(ショサイ)
個人の家において、読書や書き物をするための部屋のこと。書室とも言う。「書斎」がある住まいに憧れを持つ人は多い。


■仕様書
建物の規模や構造、材料、設備などが表示された図面、または書類のこと。仕様書には、設計概要書や仕上表などが含まれ、品質、性能、施工行方法、部品や材料のメーカーなどが指定されている。細かい仕様は工事ごとに異なるが、工事ごとに異なることがない標準的な仕様をまとめた物を、標準仕様書と言う。


■白木
塗料を塗らない、皮を削っただけの地のままの木材のこと。また、着色せずにクリア塗装をかけた材のことを白木調と言う。また、スギやヒノキなど、色の白い木材のことを白木という場合もある。住宅の建材として白木を用いると、メンテナンスに手間がかかるため推奨されない場合が多い。


■シリンダー錠
最も多く使われている錠前。タンブラーの形状や動作原理により、いくつかの種類がある。錠のケースに固定された外筒というシリンダー(円筒)の中に、内筒というシリンダー(円筒)が入っている。内筒には鍵穴があり、鍵を差し込むことで施錠と開錠ができる。これは、外筒と内筒の間をまたがるように入っているタンブラー(障害)が施開錠の可否を調整しているため。


■シルバーマンション
民間事業者によって運営や販売がされているバリアフリーの分譲住宅で、「シニア向け分譲マンション」とも呼称。物件を賃貸・相続・売却することができる分譲形式のものだが、はっきりとした定義はなく、有料老人ホームに該当しない高齢者向け住宅や分譲型老人ホームなどのことをおおまかに指す。


■白蟻
木材に対して被害を与える昆虫のこと。名前としては蟻の名前が付けられているものの、ゴキブリ目シロアリ科であり、白蟻と言っても見た目が似ているだけで蟻とはまったく関係がない。植物を食べてしまうことが問題で、木造建築の木材を食い荒らしてしまう。熱帯から亜熱帯まで陸上であればほとんどの地域に分布しており、大きな被害を出してしまうこともある。特に問題となるのは家白蟻であり、根絶することは難しい。被害を抑える方法としては、巣を見つけ除去することが有効だ。白蟻駆除には、高濃度の殺虫剤を使うことになるため、許可なしに行なうことは法律的にもできない。特に影響の大きい亜ヒ酸に関しては、使用は全面的に禁止されている。


■真壁構造(しんかべ構造)
柱や梁などを見せて納めている壁のこと。これは日本の伝統的な壁の納め方で、主に和風建築や和室などの壁に用いられる。この真壁構造には、和風の雰囲気を醸し出し、部屋の空間を広くとれ、柱や梁が見えているために木の温かみを感じることができる。その一方で、壁の厚みが少ないため、充填断熱材を入れる部分が狭く、また、階が高いなど家の構造上すでに柱や梁が見えている家には適さないという面を持つ。また施工費が高い点もデメリットだ。室内の真壁構造は、空気に直接木材が触れて湿度調節がされるため、耐久性が良くなるが、室外の真壁構造は、雨水などに直接触れてしまって耐久性が低下してしまうことから適さない。


■心心・心々
部材の中心線から他の部材の中心線まで、あるいは距離を指す。柱と柱、鴨居と敷居のように、相対する二つの部材の中心から中心までの寸法を表している。「真々(しんしん)」「心々寸法」「心々距離」とも呼ぶ。各部材の中心(心)からの距離を示しているため、心々と呼ばれている。基準尺の格子に柱心を合わせることを「心々制」や「真々制」と呼んだりもする。


■新築
建築工事の完了日から1年未満で、なおかつ未入居の物件のこと。これは「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(通称「品確法」)によって、「この法律において『新築住宅』とは、新たに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないもの(建設工事の完了の日から起算して1年を経過したものを除く。)を言う」と定義されている。建築工事の完了日は、行政が建築確認手続きの終了検査完了後に発行する検査済証に記載された日付となる。そして、当該物件が未使用である場合に限り、工事完了日から1年間、「新築」と表記することができる。 つまり、工事完了日から1年未満であっても、一度でも居住した人がいる場合は、「新築」ではなく「中古物件」となる。


■寝殿造り
平安時代に中国文化の影響を受けた天皇や貴族階級の邸宅建築様式のことを指す。中央に寝殿(正殿)と呼ばれる主屋が南側の庭に面して建てられており、その両側と後方に対屋(たいのや)が配置され、南には前庭や太鼓端のかかった池(遺り水)などがあり、釣殿(つりどの)や泉殿を設けて渡殿(わたどの)でつなぎ、それぞれの建築物とも渡り廊下でつないでいる。東三条殿や京都御所、宇治の平等院鳳凰堂などが代表的な例。1893年に開かれたシカゴ・コロンビア万博のときに、日本の代表的建築物として平等院鳳凰堂の2万分の1模型が建築展示され、フランク・ロイド・ライドなど多くの建築家に影響を与えた。


■シンプルモダンスタイル
無機質な素材を使って構成するデザインのスタイルのこと。機能的な面を引き上げるとともにシンプルな構成を目指す。ガラスや金属、強化プラスチックといった物を多用するところに特徴がある。明確な時代背景といった物はなく、地理的背景などで影響を受けたりしていることもない。現代的な美しさの追求といった意味合いが強く、飾り気はかなり少ない。曲線もほとんど用いることがないため、直線的なデザインインテリアになり、スタイリッシュにまとまっていく。都会的なスタイルと呼ばれることもあり、素材もカラーもばらつきを抑えて統一していく。ファブリックにしてもシンプルにまとめていくところが、シンプルモダンスタイルとなる。


■神明造り
白木造りの神社建築様式のこと。出雲大社などに使用されている「大社造」や、住吉大社に使用されている「住吉造」と共に、神社本殿形式の中でもっとも古いものだ。奥行よりも幅が広く、高床式倉庫から発展したと考えられ、穀物の代わりに神宝を納められるように変化したと考えられる。平入りの平面となっており、妻側の壁から離れた棟持ち柱を立てた型式だ。


■シンメトリー
建物が左右対称になっていることで、美的に見て調和がとれていること。位置、形などが等間隔となっており、バランスが取れた、安定感のあるデザインとなっている。「対称」「均斉」とも言う。反対語は「アシメトリー」で左右非対称、不均衡の意味である。工業製品に関しては、基本構造の平面図形がシンメトリーのことが多い。


■G.L
グランドレベルの略で、建物などの地盤面の高さを示す。グランドレベルには、現況GL、設計GL、平均GLがある。現況GLは建築を始める前の高さであり、設計GLは基礎工事後の高さ、そして平均GLは、確認申請等で使用する建物の高さを測る基準となる高さのことだ。基礎工事は地面を掘削し砕石を入れてコンクリート基礎を作るため、掘った土を基礎工事完了後の埋め戻しに使うと、およそ10cm、もとの地面より高くなる。これが設計GLだ。設計GLが高すぎると道路から建物へのアプローチで段差が多くなって工事費用がかさんでしまい、逆に低すぎると雨の処理ができなくなるなどの不具合が発生する場合がある。



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