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建築用語集

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その他「カ」

■カーテンボックス
カーテンレールやカーテン上部のたるみを覆う、箱状になったレールカバーのこと。むき出しになっている金属製やプラスチック製のカーテンレールを覆い隠して使用する。見栄えが良くなる他、カーテンの上や横から外の光や空気が入り込むことを防げるので、断熱・保温効果の向上も期待できる。カーテンボックスには、壁に取り付けるタイプと、天井に埋め込まれているタイプが存在。壁に取り付けるタイプの場合、壁に箱状の囲いを取り付ける物と、天井から囲いをつるすような物がある。


■カーポート
屋根と柱だけで構成される簡易的な駐車場施設のこと。壁には囲われていない空間となる。車を置くスペースとして最小限の広さを確保することが目的であり、車のサイズに対して長さなら80cm、巾なら30cm程度をプラスすればスペースとして利用することができる。上屋のある物はガレージまたは車庫と呼ばれ、「カーポート」とは呼ばない。中には、建物から独立している場合もあるが、「カーポート」のような簡易的なものとは違いがある。「カーポート」の主流は、片側を2本の柱で屋根を支えている片流れ屋根タイプで、片側だけに支柱を立てるため狭いスペースでも利用が可能。他にも、4本で支えるタイプや、2本の支柱を中心として左右対称な片流れ屋根の合掌タイプがある。


■開口部
建物の出入口の他、採光・通風・換気・眺望を得ることなどを目的として壁・屋根に開けられた部分で、玄関・勝手口・窓や天窓を指す場合が多い。設置する場所や目的によって、サイズ・形状も様々。また、「開口部」自体が外気温の影響を受けやすいため、室内の冷暖房効率が変化する。その場合は、カーテンを使用したり、断熱効果の高い建具を選択したりすれば、ある程度コントロールが可能。注意したいのは、開口部を設けることで建物自体の強度に影響が出る場合があり、柱や壁とのバランスがうまく取れる場所に設置されていなければならない。


■階高(カイダカ)
複数の階層がある建築物で、下階の床高から上階の床高までにわたる高さのこと。リフォーム用語としては、マンションなどで、下の階の床仕上げ面から上階の床仕上げ面までにわたる高さのことをあらわす。あわせて躯体(くたい)天井高と言う場合は、「階高」から天井スラブ厚を引いた高さのことである(スラブ=コンクリート製の構造部分)。「階高」は、リフォームなどで変更することができない部分であるため、物件の購入前に確認が必要。おおむね「階高」が3m以上取られている物件であれば、床下・天井裏に、配線・配管を通すための十分な空間が確保され、かつ直床・直天井ではなく二重床・二重天井となっていると推測されるので、将来のリフォームがしやすい物件であると考えて良い。


■界壁(カイヘキ)
一般的に共同住宅などにおいて、利用者や所有者が異なる隣室との境界にある、各住戸間を区切る壁のこと。別名、戸境壁とも呼ぶ。界壁は、建築基準法において、遮音上問題となるようなすき間のない構造でなければならないと定められている。また、主要構造部と考えられるため耐火建築物では耐火構造、その他の場合は準耐火構造とし、小屋裏または天井裏に達するような壁にする必要がある。そして、平面図や断面図などには、注釈として記載しておく。


■カウチ
長椅子の種類のこと。背もたれがついていることが特徴で、傾斜が付けられている。昼間用の休息に使われるデイベッドと呼ばれたりするのは、中世でベッドの呼称だったことに由来する。実際に16世紀のイギリスでは、大型ベッドの代わりに使われていた。カウチはソファよりも背もたれが低く、肘掛けが片方だけにあることが特徴となっている。来客用に使われる物としては適切ではなく、あくまでもプライベート用に使われることが多いソファ。


■鏡板
額縁や框(かまち)などの枠にはめ込んだ板のこと。薄い一枚板が使われる。幅広く平らな板で、板そのものを指すのではなく、張りあがった状態の物を鏡板と呼ぶ。家具にも使われることがあるが、はめ込んだ場所によって天井であれば鏡板天井や鏡天井、板戸の場合であれば鏡戸と呼び名が変わることがある。はめ込むことから、羽目板と呼ばれることも。雨戸の戸袋に使われる物の中には、板ではなくアルミ製パネルもある。こうした物も慣例に従い鏡板と呼ぶ。円筒圧力容器の両端を塞いでいる物も鏡板と呼ばれ、半円状や楕円状になっている。


■掻落し(カキオトシ)
左官の仕上げ方法のひとつで、粗面に仕上げる方法のこと。粒々とした粗い表面を作り出す方法で、艶を消しつつ、自然石のような風合いを作り出すことができることから、人造石仕上げ工法とも呼ばれている。掻落しでは、表面が乾ききる前に剣山のようなブラシをかけて骨材を表面に残すような仕上がりを作り出す。ツヤが消えることで、落ち着いた雰囲気を出すことができるとともに、吹き付けをしたような仕上がり感を出すことが可能となる。職人の腕がはっきりと出る方法であり、様々な表情を作り出し、経年変化も楽しむことができる。骨材などによっても表情を変えることができるようになるため、事前に設計を明確にしておくことが重要だ。


■柿渋塗り
未熟な渋柿の汁を発酵させて濾過させた物を塗ること。深みのある色を作り出すことができ、漆塗りの下地や家具の塗装に使われる。柿の中に含まれるタンニンを利用した方法で、防水や防腐、防虫効果を発揮させることができる。江戸時代以前から使われてきたが、実際に防腐効果が高い。漆塗りに使われるのは、木地に高価な漆が浸透しすぎてしまうのを防ぐために行なわれてきた。


■駆け込み天井
平天井の一部に対して、勾配天井を組み込み作られた物のこと。傾斜部を利用した天井のかたちで、縁側の軒などの勾配を利用している。室内から見て斜めに傾斜を付ける方法だ。茶室に用いられることが多いが、他の形式と組み合わせることで作られる。この傾斜部に対して天窓を付ける方法もあり、効果的に光を取り入れることができる。天井に変化を持たせることによって、空間を広く見せることができるだけではなく、駆け込み天井では高さを作り出すことが可能。庇が室内に陥入している形であり、垂木の上に木舞を配することによって作られている。そこに裏板を張ることで天井裏を天井と見立てているのが特徴だ。


■籠目模様
竹などで編んで作る伝統的な網の目のこと。格子状とすることで強度を出している。籠目模様の場合、規則正しい網目を作っていくが、美しい仕上がりとなることから紋章化した。正三角形を上下に重ねたもので、魔除けに使われたりする六芒星(ろくぼうせい)にも見える。伊勢神宮の石灯籠には籠目が刻まれているが、家紋として籠目紋を使っているところも多い。水辺の物を組み合わせたものが家紋では多くみられ、葦やカキツバタ、水鳥といったところがある。非常にバランスがとれた付け胃のひとつであり、結晶格子など原子配列にも見ることができるが、これをカゴメ格子と呼ぶ。辺が1本少ない五芒星という星型は、平安時代の陰陽師であった安倍家の家紋として知られている。


■笠木
塀、手摺(てすり)、腰壁、パラペットなどの最上部に施工する仕上げ材のこと。また、室内の階段まわりに設ける手摺壁の最上部にかぶせられる木製の部材のことも、同じく笠木と呼ぶ。笠木には、金属製や木製、モルタル製などがあり、一般的には、笠木を取り付ける場所と同じ材質か、金属製の物が使われる。金属製の笠木は、パラキャップとも呼ばれる。もともと笠木とは、鳥居や門などの一番上にある立派な木のことであった。そこから、雨水や紫外線が当たるベランダや、外壁の最上部に取り付けられ、腐食から躯体(くたい)を守る物を笠木と呼んだ。笠木が劣化すると、継ぎ目部分から雨漏りをし、内部が腐食してしまうことがあるので注意が必要である。


■重ね切り
形や長さを揃えるために、板や紙などを重ね合わせて切ることである。壁紙貼りでは、2枚の壁紙の柄を合わせて重ねて貼った後に、下敷きテープを使って2枚一緒に重ね切りすると、段差ができず、また柄や切り口も一致する。この重ね切りをする仕上げ方をあい裁ちと言う。これに対して、壁紙を重ねずに切り端を合わせて貼る突きつけという仕上げ方もあるが、初心者では、二つの壁紙を正確につき合わせることが難しい。そのため、手間はかかるが重ね切りをすることにより、確実に線が一致するあい裁ちのほうが簡単である。二つの物を同時に切ることにより、確実に揃った物ができあがるのが、重ね切りのメリットとなる。


■重ね継手
二つの材を重ねて延長する方法。ラップさせる、と呼ぶことも多い。ボルトや釘、鉄筋などで使われる。溶接してしまうこともあるが、鉄筋のように結束線で拘束することもある。一定の長さで重ね合わせなければ効果を発揮することができない。この長さのことを重ね長さと呼ぶが、現場ではラップ長と呼ぶことのほうが多い。長さの異なる物をつなぐときには、応力の小さい位置に設けることが重要となってくる。鉄筋の場合には、ガス溶接で加熱させ溶融させる圧接法や、接続部材を使いネジを切ってつなぐ機械式継手なども使われる。溶融させる場合や機械式継手は、ラップと呼ばずジョイントと呼ぶ。結束線でつなぐのは、D16以下に限られる。


■錺工事
最近ではあまり使われないが、板金工事の別名である。板金とは、薄く平らな形に形成した金属のことで、この金属を取りつける工程を「板金工事」と言う。鉄や銅、トタンなどを切断加工や曲げ加工などを行なって様々な形状にし、屋根材や葺き付け、雨樋(あまどい)、外壁の水切り、ダクトなどに使用する。錺工事には、板金工事の別名、という意味の他に、装飾金物などの工事という意味もある。装飾金物とは、建物の外観や内観を、イメージに沿った物にすることを目的とした装飾品のこと。装飾金物には、モニュメントやオブジェクト、ポイント金物、把手、押板(おしいた)、飾り金物などがある。そして、これらを作る工程は、装飾工事とも呼ばれる。


■飾り棚
収納だけではなく、室内装飾ということも考え利用されている戸棚のこと。一般家庭では、居間や応接間に用いることが多い。デザイン性を高めることによって、美術品を飾り付けることもできる。壁に作りつけすることや、間仕切りの代わりに使うということも、装飾性の高さから行なわれている。アクセントにできるが、収納力がほとんどない物も。上段にガラス棚を作り、下段は扉のつくビュッフェにするようなかたちもフランスでは生まれた。高級食器の輸入がきっかけではあるが、使用するのではなく、装飾としての意味合いが強いために、飾り棚が生まれていった。店舗などでも利用されるようになっていったが、現在ではショーケースにとって代わられている。


■飾り窓
機能性が重視されていない窓のこと。「飾り窓」は、その名称通り「飾り」として使用され、一般住宅から店舗、公共の施設などあらゆる建築物で設置されている。日本製品も多く販売されているが、デザイン性に富んだ海外製品もあるため選択肢は多い。「飾り窓」は、機能性や利便性は重視されておらず、窓がほんの少ししか開かない、もしくは窓が開かず固定されているということも珍しくない。見栄えを良くしたり、換気程度に利用されたりすることもある。住宅だと居室に設けられることは少ないものの、手が届かない高い位置に飾りとして設置されたりすることもある。ガラスにも工夫された物が多い。


■瑕疵(カシ)
造成不良や設備の故障など、取引の目的である土地・建物に何らかの欠陥があることを言う。売主は、買主に対して買主の目的物の要件を満たす形で提供する義務があるが、これらが売主の瑕疵のため達成できなかった場合、買主は売主に対し、契約の解除、並びに損害賠償請求が可能となる。また、この瑕疵が「隠れた瑕疵」であった場合、買主は売主へ欠陥分を差し引いた価値の差額分について、損害賠償請求が可能となる。この「隠れた瑕疵」とは、通常要求されるような注意力を働かせても、この欠陥を発見することができなかった瑕疵を指し、買主も善意で無過失であることが条件である。さらに、瑕疵が深刻であった場合には、まず契約解除を行ない、その後に損害賠償を請求することも可能である。


■瑕疵物件(カシブッケン)
取引の対象となった不動産の当事者の予想していない、物理的や法律的な欠陥があったときの、当該不動産のことで、瑕疵とは欠陥の意味である。いわゆるワケあり物件などと呼ばれており、通常備えるべき品質や性能を欠いている不動産のこと。具体的に「物理的瑕疵物件」「法的瑕疵物件」「環境的瑕疵物件」「心理的瑕疵物件」の4種類に区別される。具体的な事例としては、土壌の汚染、耐震強度の不足などの発見があり、これらは物理的瑕疵とみなされるおそれがある。不動産売買契約締結時に発見できなかった瑕疵が、一定期間内に見つかった場合には、買主は契約の解除または損害賠償の請求することが可能だ。


■かすがい
二つの材木をつなげるための使われる物のこと。両端を直角に曲げた金物でコの字になった大釘をさす。丸鋼や角鋼、平鋼を使った物があり、隣り合う構造材に打ち込み接合できる。そのため、先端をとがらせてあり、直線的にも直交にも使われる。大きさに違いがあるが、二又釘やステープルといった物も、かたちや用途から考えて同類だ。両端を曲げて作られていない物は、合い釘と言って別の金物の扱いとされる。土台や軸組、小屋組などで使われることが多くなるが、引き抜きの力が働く場合には利用できない。柱に利用する場合には、そのままではなく、短ほぞ差しと併用して使われることが一般的と言える。


■春日造り
日本の神社建築様式のこと。春日大社に代表される建築様式であり、出雲大社の大社造とともに知られている。屋根が優雅な曲線となるが、他にも切妻造・妻入という特徴を持つ。屋根の反りは片流れであり、庇と大屋根が一体になっていることも春日造りの特徴だ。春日造りができたのは、奈良時代中期であると考えられており、寺院建築の影響を受けたと言われている。破風の内側には、懸魚(げぎょ)などの装飾があり、屋根の上には千木や鰹木といったかたちを見ることができる。柱にも特徴があり、身舎柱は円柱で向拝柱が角柱となっていて、身舎柱が2本で間を1間とした場合には一間社春日造。4本とり3間になった物を三間春日造と呼ぶ。


■家相
家屋の地勢や構造、間取りなどによって吉凶を判断する方法のこと。もともとは、住宅環境を考えるうえで、採光や通風といったことに対する知恵として使われていた。中国から伝来したとも言われており、現在の家相は、住人の運勢なども見るという占術になってきているが、根拠はほぼ存在しない。実際に明治時代には、生活細部にも影響を与えることになるため、禁令が敷かれていた時期がある。一定の科学性が認められる部分もあるが、基本的には迷信として考える。



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