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建築用語集

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その他「イ」

■イージーチェア
ゆったりとくつろいで座ることができるように、傾斜を付けた背もたれに、幅広の座面を備え、ひじ掛けを付けた一人用の椅子のこと。「安楽椅子」や「休憩椅子」とも呼ばれる。「イージーチェア」は、主にリビングなどで使用されることが多いが、サンデッキのような空間でも使用される。材質は様々であるが、一般的に木製やラタン(籐製)のような、自然のぬくもりが感じられる物が多い。


■EPS
電気関係の配線を通すために用意された空間のこと。通信関係の配線にも用いられる。EPSとは、Electric Pipe Space/Shaftの略。多階層の建築物の場合、各界に分配することになるが、ばらばらに配線すると手間がかかるだけではなく、非効率的な配線になってしまう。そこで、縦にパイプを通して集中させることで効率化させる。これによって、各階に分配器を設置することで、フロア内に効率的な配線が可能。分配器が置かれているスペースは、EPS室と呼ぶ。電気関係が集中することになるため、通信配線はノイズによる障害防止のための分離などが必要となってくる。将来的な拡張も視野に入れておく必要があり、EPS室にもスペースの確保が重要といる。


■イギリス積み
レンガの積み方の一種。強度の高い積み方のひとつで、縦方向に目地が通って並んでしまう芋目地が絶対に発生しない方法である。目地が並んで通ってしまうと外力に対して非常に弱くなるため、イギリス積みでは、長手だけの段と、小口だけの段を交互に積んでいく。これによって、高い強度を生み出すことができる。経済性も高く、日本ではフランス積みよりもあとに採用されていった。


■衣桁
室内で着物を掛けておく家具のこと。別名「衣架(いか)」とも呼ばれている。木を鳥居のような形に組んだ型が一般的だが、他に吊り型や屏風型もある。旅館などで「衣桁」を見掛けることがあるが、L字型に置くことができる屏風型である場合が多い。これは、部屋の隅に設置できることから、場所を取らず安定性が高いため。「衣桁」は2段になっていることが多く、その場合は上に着物を、下には袴を掛ける。また、帯締めなども同時に掛けることができ、省スペースで済む。


■石積み
石垣や橋台を築造する方法、またはその構造物のことを言う。通常、法面勾配が45度より急なものを石積みと呼び、45度より緩やかなものは敷石や石張りと呼ぶ。石積みの施工法には、練積みと空積みがある。練積みは裏込めにコンクリートやモルタルを使用して石を積み上げていく方法。安定度が高く、5m位の高さまで積んでもよいとされている。空積みはコンクリートやモルタルを使用しないため練積みに比べて脆弱。そのため、建築基準法の規定では2mを越える石積みは練積みのみとされている。石積みは、使用する石材の石質や形状により、崩れ積み、玉石積み、小端積み、野面石積み、切石積みなど、多くの種類に分類される。


■石灯籠
石で作った灯篭のこと。屋外に設置されるタイプの物で、寺院の庭園などに見られる。石灯籠は、一般的な木枠や紙で囲まれているような物とは違い、堅牢な構造。装飾的な意味合いが強い物でもあり、用途によっても種類が多数ある。仏教とともに、朝鮮経由で日本に入ってきたと言われているが、正確なところは不明だ。仏教の用具のひとつでもあり、寺院の堂の前に1基だけ建てられていたのが始まりとも言われている。一般家庭の庭にも使われ、茶室で見かけることが多い。こうした使われ方が始まったのは、桃山時代以降と考えられている。庭に使われる物は、今でも新しい物が考案されているため、様々な物を見かけることができる。


■意匠図
設計図のひとつで、建物全体の形態や間取りなど、デザイン面を重視した図面のこと。意匠図に対して構造図は、実際の建物を建てるために必要な情報が書かれた図面のことだ。意匠図の上から見た物で、構造図や設備図と区別するために用いる配置図、平面図、屋根伏図。横から見た物では、立面図、断面図、展開図がある。その他、各種詳細図や建具表、何の部材をどれだけ使用するのか、表形式にした仕上げ表なども、意匠図に含む。これらの意匠図は、色やデザインを表現しており、また部材の数量なども使って建物をとらえているため、専門的な知識がない人でも、建築物のイメージが構造図よりとらえやすい。


■イスラム様式
イスラム教文化とともに発展した建築様式のこと。7世紀以降に発展して形成された様式で、オリエント文明をはじめ、北アフリカやスペイン南部などに広まっていった。イスラム様式では、アラベスクと呼ばれる美しい壁面装飾や、カリグラフィーが特徴となっている。古代建築の特徴を色濃く受け継いでおり、西洋建築よりも顕著にみられるようになった。イスラーム様式やムスリム様式、ムハンマド様式と呼ばれているものも同義。長い歴史があるため、地域や建築年代でも異なる部分が多いが、丸い形をした屋根を持つドームは、構成要素としての特徴と言える。ローマ建築にも見られるイーワンも構成要素のひとつで、広い空間を作り出し、入り口が半円状の形をしている。


■板組み
板を厚くして板と板を組む工法のこと。板組みは、戸棚や引出しなどの箱型の家具類を作るときに、厚板を用いて外面を平らに張って作り上げる。そのため、板組みを用いた家具はすっきりとした形になるが、使用する材料が多いため重くなる。家具の工法には、板組みの他に、かまち組みがあるが、こちらは比較的軽く仕上げることができるのが特徴。しかし、各部材にほぞ穴を掘ったり、羽目板をはめ込む溝を付けたりなど、作業工程が複雑になる。板組みの中にも、何種類かの工法があり、板の小口を直角に加工して突き合わせ、釘と接着剤で接合する「平打ち付けつぎ」。板の側面に溝を掘って、そこに別の板を差し込んで接合する「大入つぎ」などである。


■板目
板を製材したときに現れる木目の一種。木目には、板目、柾目、杢目の3種類があり、このうち板目は、年輪が平行ではなく、山形や不規則な波型の物を言う。これは、丸太の中心からずれて挽くことにより起こり、乾燥や縮小による狂いが生じやすい欠点があるものの、木目の変化や美しさが特徴となっている。柾目は、年輪が平行な木目で、コストは高いが反りや収縮などの狂いがなく、杢目は特に装飾価値が高い紋様のことである。板目は、製材所で板状や柱などを取る四角柱状に製材されるときに、丸太に対して水平に刃を入れて伐りだされたときにできる木目。伸縮しやすいが幅を広く取ることができるので、もっとも一般的な方法となっている。


■イタリアモダン
シンプルな形状で鮮やかなビビットカラーを使ったデザインスタイルのこと。新素材を中心としており、無駄のないデザインを目指す。イタリアモダンは、20世紀中ごろに誕生したと言われており、まだ新しいデザインスタイルだ。スタイリッシュな印象を与えるとともに、現代的に機能の追求もするという優れた点を持っているところが特徴。シンプルなインテリアにすることを目指すが、コントラストははっきりとしており、メリハリが強い。装飾を少なくすることからも、クールな印象を強めることができる。その反面として、ナチュラルな印象は確実に失ってしまうため、自然な風合いや素朴といった感じは出てこない。


■位置指定道路
新しく開発された分譲地などにおける、一定の技術基準に適合する私道で、特定行政庁からその位置の指定を受けた道路のことである。 道路位置の指定を受けるには、公道との交差部に有効な隅切りがあること、側溝を設けること、一定以上のこう配がないことなど、特定の技術的な指定基準に適合することが条件。位置指定道路は、建築基準法上の道路と認められるので、これに面する土地では「都市計画区域内の建築敷地は、建築基準法上の道路に2m以上接していること」という、建築基準法に定められた接道義務を果たしていることになり、建築物を建築することが可能となる。なお、位置指定道路は、道路として一般の通行の用に供することが義務づけられている。


■一次エネルギー消費量
住宅で使われている設備機器のエネルギーを熱量に換算した値のこと。冷暖房だけではなく、換気や給湯、照明なども含めた合計の値を、一次エネルギー消費量と呼ぶ。エネルギー消費ということでは、太陽光発電やエコキュートといった省エネ効果は、一次エネルギー消費量から引く。これは省エネの効果を評価対象とするためである。床面積に応じて設定された標準値で計算をしていく。これは、床面積や居住人数、部屋数といった要因に影響を受けるため、標準値を利用する。


■市松模様
正方形の連続模様のことで黒または紺と、白で構成されているデザインのこと。明暗を交互に配することによって、はっきりとした印象を与える模様だ。江戸中期に歌舞伎役者であった、佐野川市松がこの模様を使った袴をはいていたのが、広まったきっかけであると考えられている。


■一文字瓦
軒先側の下端が一直線に並ぶように作られた瓦のこと。前垂れ下端が直線になるように作られている軒先瓦だ。一文字瓦は、一文字唐草と呼ばれることも。直線にそろえるということは、微妙な調整が必要となり、高い技術が要求される。軒先の勾配もあわせなければならず、すりあわせが重要。すっきりした感じに仕上げることができるため、数寄屋造りには欠かせない瓦となっている。一直線にするだけではなく、瓦同士の取り合いも重要であり、寸分の隙間もなく作り上げていかなければならない。通りを見るだけでもわずかな狂いが見えてしまうことから、図面通りだけではない高い技術と精度が必要となる。


■一文字葺き
平板の屋根面が水平方向に一直線になるようにする葺き方のこと。平板葺きの一種で、水上、水下の屋根材に目地がくるが、真ん中になるようにする。金属製の屋根葺きに使われるが、一文字瓦と併用することで、軒もすっきりとした仕上がりにまとめることが可能だ。トタンが使われていたこともあるが、現在ではスチールやステンレスが多く、アルミ合金やチタンまで使われている。メッキ処理や塗料と組み合わせることで、様々な種類が金属板葺きにできるが、一文字葺きとして一直線に美しく仕上げるためには技術が必要となる。東京駅も一文字葺きになっているが、復元に際して使われたスレートは45万枚を超えた。


■Ⅰ列型キッチン
ベーシックなレイアウトを採用したキッチン構造のこと。冷蔵庫とシンク、コンロと一直線に並べていることから、アルファベットのIを取ってI列型キッチンと呼ぶ。キッチンの動線を考えると、すべてが直線状に並ぶため、シンプルであり効率のいいレイアウトと言える。動線が単純化するため、コンパクトなレイアウトにでき、移動も少なく調理していても疲れにくい。そのかわりに、幅が長くなりすぎるようになると、効率が極端に低下する問題を抱えている。無駄な動線を増やさないためにも、実際の効率を考え、360cmまでに収めることが良い。収納もうまく組み合わせていくことで、効率はさらに高められるため、動線を短くするためにワゴンを利用したりする。


■一般図
設計全容の理解を容易にするために作成される意匠図における、配置図、平面図、立面図、伏図の総称である。縮尺は100分の1程度、平面図、伏図の場合は一枚の図面に1棟ごとの各階の全容を書き込み、断面図、立面図の場合は一枚の図面に正・側・背面の全容を書き込む。これにより、各構成部材の位置関係、建物の1棟ごとの形状などが理解できる。また、特定のテーマを持たず、地形や地名、河川や交通路などの情報を描いた地図も一般図で、国土地理院が発行する地形図も、一般図と言っていい。この場合、縮尺は表示する内容により異なる。また一般図は、特定のテーマにそって詳しい情報を盛り込む主題図を作成するうえで、その元地図にもなる。


■糸目地
糸のように細い目地のこと。目地を目立たせたくない場合に使われる。目地は、材料が伸縮した場合に受け止めることができる部分であり、糸目地のように細くすると余裕はなくなり干渉する可能性が出てくる。そのため、通常の目地よりもひび割れる可能性が高い。物資の熱膨張だけではなく、地震で受ける外力も逃がすことができない可能性も。材料が干渉してしまうことによって、割れてしまう可能性も出てくるため、景観とあわせて考えると一長一短が出てくる。


■イニシャルコスト
建物を建てるときの初期費用のこと。設計料や建築工事費などがイニシャルコストに当てはまる。もともとは、導入費用のことをさし、初期費用や初期投資ということに対して使われている言葉だ。製品開発や製造開始といった機関に対しても使われるため、実際に運用できるようになるまでにかかるコストという意味を持つ。様々な分野で使われることになるが、建築ではプロジェクトとしてとらえた場合、完了して稼働できるまでにかかるコストは、すべてイニシャルコストと呼ぶことができる。施工後にかかる維持費や管理費などは、建物を運用するための費用ということになり、イニシャルコストとは別にランニングコストと呼び区別する。



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