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建築用語集

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その他「フ」

■フープ筋
帯筋と呼ばれる鉄筋のこと。柱の主筋を拘束するように囲んでいく鉄筋となる。一定間隔に取り囲むように横方向に対して配筋していくことになるが、これによって剪断力に対する抵抗を持たせることが狙いだ。主筋は、コンクリートに圧縮力がかかってくると、外に動くように力がかかっていく。このときの力を防ぐために外側に配置することになる。らせん状に巻きつけていくが、これによって剪断強度の他に座屈圧縮強度も高められるため、大型の柱では特に効果を上げることが可能だ。円形と矩形に作られている物があり、柱の形などで使用を選択していくことになる。梁に使っていく物はフープ筋ではなく、スターラップと呼ばれる。


■ファブリック
生地や織物のこと。インテリアで使う場合には、もっと広義になり、織物製品のことを指す。カーテンやテーブルクロス、ソファなどの張り生地も「ファブリック」となる。クッションやベッドカバーなども「ファブリック」と呼ぶが、こちらはアパレルの影響が強い。壁材の場合、ファブリッククロスと呼ぶことがあるが、これは布製の壁材を意味する。インテリアコーディネイトを考えた場合、「ファブリック」は重要な意味を持つ。床や壁など面積が多い部分に使うことが多くなるため、コーディネイト次第で大きな変化を与えることができる。好みや個性をはっきりと出すことができるようになるため、インテリアへどのように「ファブリック」を入れていくかが、要となる。


■負圧
建物の屋内と屋外の気圧を比較したときに、内部の気圧が低くなっている状態のこと。空気は気圧の高いところから低い所に流れていく。同じ気圧になろうとする原則を持っているためで、排気を続けてしまうと圧力差を生じることになるのが負圧の原因となる。逆に給気を続けて押し込めていくと圧力が高い正圧が起きる。どちらの状態になっても、空気の流れを生むことになるが、負圧になると空気が入ってくるため隙間風を引き起こす。他にも扉が急に閉まってしまうといったことも起こしてしまうことになる。トイレの換気が引き起こすことが多く、扉が急に閉まったりすることがあるが、負圧によって隙間風が入ってくることで臭いが廊下などに出ていかない。


■フィラー
隙間を埋める部材のこと。埋めること自体もフィラーと呼ぶことがある。詰め物をすることによって平らに見せることができるようになるだけではなく、仕上げを平滑にすることができるようになる。システムキッチンやシステム収納家具などの場合には、完全に納まるとは限らない。そこで、隙間を埋めるフィラーを使うことによって一体化を図ることができる。セメント系の場合には、目違いや不陸調整に使われることが多く、塗装の下地にすることも。鉄骨造りにする場合、ボルトで接合すると、隙間ができてしまうことがある。この場合には1mm以上の鉄板を入れてできてしまった隙間を調整することになるが、これをフィラーと呼ぶ。


■フィンガージョイント
部材同士の接合方法のうち、くし型の組み合わせを使った方法のこと。木材で使われることが多いが、深い波型に加工することで、組み合わせたときに摩擦を強く発生させることができるようになり、強い力を生み出すことができる。接着剤を用いることで、しっかりと固定していく。集合材によく見られる方法で、単純に強度を維持しやすい。フィンガージョイントと呼ばれる通り、まるで手の指を両手でお互いに掛けるようにすることで固定することができる。伸縮に対応させるエキスパンションジョイントに使われている波型の鋼材もフィンガージョイントと呼ぶが、これも人間の手の指のように見えることから名付けられている。


■フェデラル様式
18世紀後半から19世紀前半に広まっていくことになる建築様式のこと。アメリカで連邦制度が成立したことによって広まっていくことになるため、連邦を表すフェデラル様式と呼ぶ。ジョージアン様式を継承しているところが特徴となっているため、左右対称の設計が基本。アメリカのホワイトハウスがフェデラル様式の代表例となるが、単に左右対称となるだけではなく、古代ギリシャ・ローマ建築が持っていた優雅さが含まれているところに大きな違いがある。縦に長く伸びた窓やパラディアン窓も特徴となっており、これも優雅さを彩っている。コロニアル様式が普及したのちに広まり発展していくことになっていった。


■フェノール樹脂
フェノール類とアルデヒド類に触媒を加えて付加縮合反応を起こして得る、「多価メチノールフェノール」のこと。耐摩耗性、耐熱性に優れ、化粧板の基材や引手合板の接着剤などの他、電気絶縁性を利用し、成形して配線器具にも用いられる。世界で初めて植物以外の原料から作り出されたプラスチック素材で、多くのプラスチック素材にとって変わられるまで、あらゆる工業製品に使用されてきた。フェノール樹脂は、熱し方や混合の割合により、違う特性をもつ樹脂ができる。ひとつは、加熱すると溶けてやわらかくなるが、冷却すると固まるもの。もうひとつは、通常は液体だが加熱すると硬化し、そのまま液体には戻らないものである。


■フォーカルポイント
「フォーカルポイント」とは、インテリアの中でも目を引く点を作ること。1ヵ所フォーカルポイントがあると、メリハリがつく。視線が集中することになり、部屋の中に見せ場ができるようになり、他の部分にも引き締め感を作りだしていくことができる。部屋にメリハリが存在せず、どこにも視線が落ち着かないような状態でも、しっかりと整えることによって魅力が一気に高まるようになる。インテリアとして未完成な状態から、感覚的にも完成させることができるようになるところが大きい。様々なポイントが作られていくが、和室なら床の間になり、洋間であれば暖炉のような存在を作ることで、視線がしっかりと集まりまとまりを作り出していく。


■フォールドシェード
カーテンの一種で、内部に取り付けられた操作用のチェーンを引くことで、生地を縦に動かすことで形を作り上げる物のこと。生地が重なり合うことによって、横に伸びていくひだが波のような表情を作り出す。一般的なシェードに比べると、ひだは大きく優雅であり、やわらかなボリュームを感じることが、ゆったりとした空間演出となる。生地が重なり合うことによって、鎧のような重厚感を作り出すこともできる。これも生地によるところが多く、重なり合った部分の効果によって、他のカーテンにはない様々な表情を作り出す。フォールドシェードは、折り目にゆとりを持たせることもできるため、厚地の物を使えば、表情を変えることができる。


■葺き足
重なった片側部分を引いた表に現れている瓦の部分のこと。屋根に沿って葺くときの流れ方向で考えるもので、上部の瓦の下端から下部の瓦の下端までを指している。コロニアルでも発生する。利き幅や利き代と呼ばれることも。この葺き足の長さによって、見た目に大きな変化が生まれ、印象的も変化する。亜鉛鉄板などの場合、長くした場合には、ゆったりとした感じを作り出すことができ、短くすると繊細な印象に。葺き足が分かるようになると、瓦割りをするときに、野地の長さの寸法から葺き足の寸法を割れば、いったい何枚必要になるのかを図面上から追うことができるようになる。


■吹き抜け天井
「吹き抜け天井」とは、2層以上の高さにまたがって設けられた空間のこと。階段やエントランスなどによく見られる構造で、開放感や空間のデザイン性の高さがあることから、注文住宅などで人気の構造である。「吹き抜け天井」のメリットは、吹き抜けの窓から差し込む光が室内全体を明るくすることや、上下の階につながりができ、家族の動きを感じられること。また、通気性が向上し、空気の循環が良くなることなどである。デメリットは、建ぺい率が小さくなり、活用できる面積が制限されることや空調が効きにくく、光熱費が高くなる場合があること。さらに、開放的な造りのため、建物内に音が響いたり、食べ物のにおいが充満したりする場合があること、プライバシーが保たれにくいなどがある。


■複合サッシ
内と外で異なる素材を使い作られているサッシのこと。通常の窓枠は、内も外も同じ素材を使用して作る。ところが、環境として考えた場合には、室内と室外ではまったく異なる。室外側では天気に大きな影響を受けるため、耐久性や耐候性が求められるが、室内では結露などを考えて素材を選ばなければならない。そこで、複合サッシでは、耐久性も耐候性も高いアルミ製とし、室内は熱伝導率の低い樹脂製を使うことによって、結露を低減させていく。こうした方法を採ることによって、熱伝導性能を下げることができるため、熱損失も最小限に抑えることができる。機能的な面だけではなく、インテリアを考えて室内を木製にすると自然な雰囲気を保つことも可能となる。


■複層ガラス
複数枚の板ガラスを重ね、ガラスとガラスの間に乾燥空気やアルゴンガス等が封入された、または真空状態になった中間層を持つガラスのこと。「ペアガラス」と呼ばれることもある。断熱効果と防音性能に優れ、結露の防止効果も。開口部が大きいビルや住宅では、窓ガラスによる熱の出入りが大きくなり、こうした物件では、断熱性能の高い複層ガラスを採用することで、省エネルギーの効果が期待できる。


■襖
和室に用いられる建具で、木で骨組みを行ない、表面に襖紙を張った戸のことである。「襖」は、和室の引き戸や間仕切り、押し入れなど、実用とインテリアをかねた建具として使われ、その種類としては、縁付き襖や戸襖、太鼓襖、源氏襖、軸廻し襖などがある。これらのうち、縁付き襖は最も一般的な「襖」で、骨を組んで下張りした物に上張りし、縁と桟を付けた物が存在する。また、戸襖は和室と洋室の間仕切りに設ける建具で、洋室側はベニヤの上にクロス貼り、または化粧合板などで仕上げ、一方で和室側はベニヤの上に襖紙を貼り、廻りに薄い襖縁を貼り付けて「襖」のように見せた物。なお、襖紙の種類には、本鳥の子や鳥の子、上新鳥の子、新鳥の子などの襖紙と、織物襖紙があり、さらにその貼り方にも、袖貼りや帯貼り、引手貼り、腰貼り、総模様貼りなどがある。


■襖縁
襖の上下左右に回されている縁のこと。四方を襖縁で固めていくことで、襖本体の強度を高めていくことができる。襖は紙を張って作られるが、手で触るとどうしても汚れがついてしまう。襖縁があると、直接手で触ることがなくなるため、汚れてしまうようなことがなくなる。材料としては、木製が基本で多く使われているが、材質によっては非常に高額な物になってしまうことも。ヒノキを基材とし、漆をぬった襖縁などは、貴重な物と言える。他にも、生地のままにしておく木地縁や色を付けてろう磨きしていく色付け縁や、漆の代わりに樹脂を塗布していくカシュウ塗縁といった物がある。それぞれに印象がかなり変わってくるため、インテリアも考えて選ぶのが重要だ。


■伏せ図
建物を水平に切り離して、上から見下ろした形状を示した平面図のこと。縮尺は100分の1もしくは50分の1程度で、構造材の組み方が分かるのが特徴。伏せ図には、基礎伏せ図、小屋伏図、床伏図などの種類があり、主に構造図に用いられる図面である。また天井伏図や鉄筋コンクリート造の構造図である梁伏図のように、見下ろすのではなく下から見上げた形に描かれた見上げ図である場合も。木造建築では、1階の床伏図には基礎や土台や柱、根太などを表示する。そして2階の床伏図には、1階と2階の柱の位置と胴差し、大梁、小梁、根太などを表示し、それぞれの材の太さや補強する箇所とその方法なども記載する。


■船底天井
船底のような形をしている天井のこと。天井の中央部分は、両端よりも高く作られていくため、自然と勾配を付けなければいけないため、船底のような形になっていく。天井を上げることによって、室内空間が広く感じるようになる。和室で用いられてきたが、特に数寄屋造りの住宅で多く見られる。勾配をきつく付けた場合には、屋形天井や尾上天井と呼ばれることも。船底天井と区別するために、一般的な天井は平たく平面であることからも平天井と呼ぶ。天井を高くすることになるため、どうしても屋根裏が狭くなったりしてしまう。そのため、室温が上昇してしまうことも出てくるため、断熱対策なども施していかなければならない。


■踏板
階段を構成する部分のうち、足が乗る部分にあたる板のこと。段板と呼ばれることもある。踏板は、階段だけではなく、はしごなどに対しても使うことがあるが、段板と呼ぶ場合には階段しか対象としない。踏み面と呼ばれる場合もあるが、単に上面だけを呼ぶことも出てくる。住宅の場合には、幅は75cm以上なければならず、蹴上げ23cm以上、踏面15cm以上と建築基準法で定められている。これは、小さくしてしまうと昇降しにくくなり、店頭や転落の危険性も高まってしまうことが原因。踏面寸法を計算する場合には、踏板の有効奥行き寸法から蹴込み寸法を減じることで求めることもできる。工場で生産されることが多くなり、現場では単純に組み立てるだけになってきている。


■踏込み床
床の間の形のひとつで、床框がない和室で設けられる方法のこと。和室の畳面と同じ高さにして、地板を張ることによって簡易的にするとともに、床框がないことから砕けた感じを作り出すことができる。本床を崩した形でもあり、蹴込み床をさらに略していったことからも草の形式ということになってくる。和室という空間を演出するために重要な場所であり、季節感を出していくためには床の間は重要な意味を持つ。その中で、形式を崩した踏込み床ではあるものの、演出する方法次第で空間を大きく変えることができる。本来床の間の方向が上座ということになってくるが、床の間の演出次第では、背中にせず、見える方向を好む人も出てくる。


■踏面
階段を構成する部分の中でも、足を乗せる踏み板の上面のこと。その幅のことも踏面と呼ぶ。踏み板そのものを表すことは少なく、面としての踏板のことを意味することのほうが多い。実際に足を乗せることになるため、寸法も正確に出していかなければ機能しなくなってしまう。寸法を出すためには、蹴込み板が斜めに取り付けられている場合には、蹴込み寸法を減算しなければならない。サイズに関しては、建築基準法でも定められているため、適合するように設計していかなければ、不適合な建築物とされてしまうことに。ただし、これも最低限必要な寸法を示しているにすぎず、安心して利用していくためには、一般的な住宅であれば、20cm〜30cmの寸法を採ることによって、安全に使っていくことができるようになる。


■文机
机の中でも床に直接座ることを前提とした背の低い物のこと。その名前の通り、字を書くために考えられた座卓のサイズになる。本を読むための代としても使われてきた。日本の住宅のように座ることが前提の条件で作られた物であり、海外ではあまり使われることがない。手軽に使うことができ、小さく軽いことから移動も簡単にすることができる。勉強に使われるようなことは少なくなったものの、どこで設置することができる利便性は高く、日本の住宅事情を考えた場合にも、利便性は高い。パソコンを使う場合にも、すぐに用意することができるだけではなく、床に座って作業できるようになる。椅子を必要としないため、圧迫感も少ない。


■フラッシュ戸
木製の戸のことで、細木を組んで芯にした上に、両面に合板を張り作られた物のこと。金属板を貼った物もある。框で取り囲んだ框戸に比べると、フラッシュ戸は平面的に仕上がっていくことになる。フラッシュとは、平面のという意味があるが、この仕上がりから呼ばれるようになった。安価で作ることができる戸であり、ワラン合板に紙を貼って仕上げるという方法もある。様々な種類があるものの、片面ずつ素材を変えてしまうと、伸縮率が変わってしまう。そりが出やすくなってしまうため、両面とも同じ素材であることが望ましい。ガラスが入った物の場合には、額入りフラッシュ戸やガラス入りフラッシュ戸と呼ばれて区別されている。


■フラット式アパート
「フラット式アパート」とは、キッチンや浴室、トイレ、寝室などが同じ階にある1世帯用の住戸のこと。主に欧州での呼称で、フラットと言われている。日本では、一般的なアパートやマンションのこと。フラットの対語として、メゾネットがある。メゾネットの特徴は、1戸の中に階段があり、多層に分かれていること。ただし、ロフトなどは含まれない。「フラット式アパート」はバリアフリーにしやすいこと、家事や生活の動線が短いなどのメリットがある。その一方、デメリットとしては、寝室とキッチン、玄関が同じフロアーにあるため、間取りによってはプライバシーが保ちにくいことや、同居家族の生活音などで、落ち着いて寝ることができないということがある。


■フランス積み
意匠的にも優れたレンガの積み方のこと。壁の表面に鮮やかな図柄が現れる方法で、水平に見たときに、長手と小口が交互に現れてくる。強度的にはイギリス積みのほうがあると言われるが、華麗さではフランス積みのほうが高い。欠点は、内部でどうしても芋目地が生まれてしまう点だ。これがイギリス積みに比べて強度が劣ると言われる点と言える。小口のセンターは、長手のセンターとそろわせることが重要。フランス積みと呼ばれているが、ベルギーから広まり、フランス北東部のフランドル地方で数多く使われていった。そのため、この地方の名前を取りフランドル積みと呼ぶことが正確とも言える。


■フレンチカントリー
フランス南部の農家風様式のこと。その特徴を持ったインテリアや家具のことも指す。「プロヴァンススタイル」とも呼ばれる。アメリカン・イングリッシュと並ぶ、主なカントリースタイルのひとつ。フレンチカントリーは、他のカントリースタイルと比べて、シンプルな中にフェミニンなデザインや色使いが特徴。白を基調として、淡い水色やグリーンが多用される。素材としては石組みや漆喰、素焼きレンガ、無塗装の木材などが使われる。木の梁を露出させたり、部屋の入り口上部をアーチ状に仕上げることもある。家具には装飾的なカットが施され、鉄や陶器の取っ手が特徴。クッションやカーテンなどのファブリックや小物は、花柄やフリル、動物風のモチーフが使われることが多い。



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