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建築用語集

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その他「フ」

■フロート板ガラス
一般的に使われ普及しているガラスのこと。透明ガラスといった場合には、フロート板ガラスのことをさしている。単体で見ると透明に見えることもあるが、厚みを付けたり重ねたりすると、色がついていることが分かる。ほとんどは緑色に見えてしまうが、透明度を上げていった高透過ガラスといった製品も。強化ガラスもあるが、基本となっているのがフロート板ガラスであり、加工がしやすいという特徴から様々な製品にも利用されてきた。強度は厚みと比例しやすく、安全性の確保ということも比較的簡単に行なっていくことができる。製造の歴史はそこまで古い物ではなく、自動化することができたのも19世紀に入ってからである。


■フロアライン/ FL
床面の位置や高さのことのこと。基準となる床面の意味でもある。基準床面とは、仕上がり時の床面の上面の高さである。 図面では「FL」(頭文字)と記入。矩計図などに記されることが多い。普通、床仕上げの上端面のレベルを表す。また、断面図といった躯体(くたい)関係の図面においては、構造上の床スラブの上面を表すことも。FLの前に数字が記載されている場合は階数を表す。例えば、2FLは2階のフロアラインのことだ。FLは各階にあるため、図面に何度も出てくる。仕上げ面のため、精度は高くなければならない。造作工事のときに固定の戸棚などを設置する場合、フロアラインを基準とした高さが記される。


■不陸(フロク・フリク)
水平でないこと。面が水平でなく、凹凸があることを言う。盛土や切り取りなどで路盤面が平らでない場合や、打設したコンクリートの上端が平らではなく凹凸がある場合に不陸があると表現する。「ふりく」とも言う。面に凹凸ができると、凹部には水が溜り汚れが沈殿するし、凸部は傷みやすく汚れやすくなる。床面の水平は十分確保されていなければならないが、水を使う場合、水を流す必要のある場合などの床面は、水はけが確保されなければならないので適切な水勾配をとりながら、しかも凹凸のない床面の仕上げでなければならない。また、部材相互の接合面が不陸であると、局部的に応力を集中して思わぬ破壊を生じることもある。


■歩掛かり
作業を行なっていく場合にかかる単位数量や手間、作業日数のこと。建築工事の見積もりを行なうときに必要となってくる概算値。各工事における1単位あたりに必要な概算値を示している。数値化することによって、見積もりを正確なものにしていく。型枠工事を行なう場合、1日でできる作業面積は歩掛りということになる。これに人工をかければ、単価を出すことができる。正確には、諸経費を追加していかなければ、工事費用の根拠とはならない。工事費用の根拠を引き出していくことができるため、必要となる人工の計算もすることができる。国土交通省が、毎年制定している基準があり、これが日本の建築業の積算基準となっていく。


■武家造り
鎌倉時代に大きくなっていく武家の住宅で用いられた様式のこと。正確には、明確に定まった様式は存在していない。もともとは、寝殿造りが発端であり、書院造りの様態を持つようになっていった。城下町が残っている場所では、今でもその一部を見ることができる。床の間の脇に机と障子を作り構成していく様式であり、桃山時代に完成していく。桃山時代の建物に多く見られるようになり、僧侶や貴族などの書斎として作られていった。装飾性の高い様式として和風建築では、まだまだ多くみられる方法だ。武家が住んだ屋敷自体は、武家屋敷として呼ばれるようになっていくことになり、いまだに数多くの建物が残され観光用などにも使われている。


■部材
各種の建築部分を構成する部分材料のことを言う。また、構造部材、非構造部材などの用語として使用されることも。構造部材には、床や壁などの面的な構造部分と、柱、桁、梁、垂木、小屋束、棟木などの軸場の構造部分、そして土台やベタ基礎、アンカーボルトなど、多くの種類の部材がある。一方、非構造部材としては、天井材や外装材、内装材、収納棚など構造体と区別された部材をさす。設備機器や家具なども非構造部材に含まれることもある。装飾部材とは、彫刻装飾や壁面装飾をさし、また建築部材とは、工場で製造される柱や梁などの建築用プレキャスト部材の総称だ。このように、部材という用語は様々な場所で幅広く使われている。


■仏間
仏壇を置くための部屋のこと。仏壇を設置するための場所は、どこの住宅でも設けられてきたが、だんだんと手狭になりスペースを確保することが難しくなってきている。本来は、和室を作り、床の間の横に仏間を設けるのが一般的で、床の間もかねて仏間とすることが多かった。仏壇の正面が北向き以外になるようにするというのが一般的で、日本家屋の様式で考えると、冠婚葬祭のときにも大きな効果を発揮する。表口にあたる縁側に近い位置にある畳を持った和室を仏間とすることが多かった。こうした流れをくんでいることから、玄関の近くに設けられるようになっていった。和室が持つ日本独特の作りであり、装飾性の高い様式として活用されてもいる。


■ブラインド
日よけや目隠しなどの目的で、窓や出入り口に取り付けるおおいのことである。「ブラインド」には、水平に組まれた羽根を上下に開閉するべネシャンブラインドと、幅広な羽根を縦に並べ、左右に開閉するバーチカルブラインドの、大きく分けて2つのタイプがある。また、べネシャンブラインドの横に水平に並んでいる羽根のことをスラット、バーチカルブラインドの縦に垂直に並んだ羽根のことをルーバーと言う。スラットやルーバーは、チルトポール(棒)またはコード(ひも)によって角度を変えられるようになっていて、これによって外界の光の採り入れ方を調整することができる。べネシャンブラインドでは、使わないときはスラットをぴったり重ねて窓の上部に引き上げておけるようになっている物が多い。


■ブラケット照明
壁に取り付けるタイプの照明器具のこと。大型の物は少なく、補助的な照明として使われていることが多い。天井面に設置することが難しい玄関や廊下や階段といったところで利用。直接照明として使われることは少なく、壁を照らす間接的な明るさを基本としており、部屋の奥行きを作り出せる。これによって、広がりを作り出すことができるため、間接照明と同様の使い方ができる。ブラケット照明の性格上、設計段階で決めておくことが重要になるのは、給電の問題が出てくるため。慎重に選定を行なう必要があるのは、給電だけではなく、照明としての効果も考えなければならないからと言える。


■ブリージング
フレッシュコンクリートやフレッシュモルタルを打設後に配合した水が上面に上がってくる現象のこと。個体材料が沈降することによって、混練りした水の一部が遊離してしまい上昇してくる。水は比重がもっとも軽いため上昇してしまう。単位水量が大きくなってしまっている場合やスランプが大きい場合に発生しやすい、あまりに多くなってしまうと、水和反応がしにくくなるうえ、その分だけ体積が減ることになるため、ひび割れを起こしてしまうことが出てくる。一緒に石灰水の微粒子や骨材の微粒子が上がってきてしまい、表面に堆積してしまうことがあり、これをレイタンスと呼ぶが、多孔質で非常に脆弱な層だ。AE剤を利用することで減らすことができる。


■ブリティッシュカントリースタイル
インテリア様式のひとつで、シンプルでありながらも拡張性の高いスタイルのこと。古い家具を使い、伝統的なキルトをあしらったりすることで、イギリスの田舎の家といった感じに演出していく。オーク材やパイン材といった物を使うことで、強い飾り気を作り出したりはしない。壁はにぎやかにすることも多いが、シンメトリーにすることが原則であり、様々な物を飾り付けていく。明るさがあり、実用的なスタイルとも言える。華やかさを感じるようにしていく反面、落ち着きも強く出てくる特徴を持っている。大きな梁や土壁、タイルといった物も使われていくが、なによりもシャンデリアが用いられることが大きい。


■ブリティッシュスタイル
イギリス伝統のインテリアスタイルのこと。武骨な様式を基本とするが、骨太であり、重厚な感じに作り上げていくことになる。イギリスは島国で北方に位置しており、環境的にも厳しい国だ。そのため、こうした厳格で武骨なスタイルを好むようになったと言われている。他の国ではあまり見られないような、風格の高いスタイルであり、他の国では見られないような独特の様式を作り上げた。シンメトリーにしていくことが基本としてあるものの、カジュアルな部分も入れていく。バラを含めて花をモチーフとした柄が使われることが多い反面、華やかにするのではなく、落ち着かせるところがブリティッシュスタイルとなる。


■ブレース(すじかい)
四角形に組まれた骨組みに対角線状に入れた補強材のこと。軽量鉄骨造の建物の強度を上げるために使用される型鉄で造られる補強材である。筋交うようにタスキ掛けに造られるため、すじかいと呼ぶ。木造の筋交いと使用方法が似ている。柱と梁によって作られる長方形は接合部の強度がないと地震や防風といった水平力を受けたときに平行四辺形にひしゃげて変形することがある。ブレースがあればそのような梁と柱の接合部の変形を防ぐことが可能。これにより構造上の強度を得ることができる。梁同士や耐力壁により十分な強度が発揮できる場合を除いて、建築基準法で一定の割合で筋交いを使用するよう義務付けられている。


■ブレース構造
骨組みにブレースを配し、風や地震などの水平力を抵抗させる構造のこと。筋交構造になっており、柱と梁に囲まれた面に斜めに材を渡すことで水平力に耐えるようにしたものである。柱と梁を強力に接合して長期荷重や地震に耐えられる構造とする「ラーメン構造」に対して、ブレース構造は、ブレースという斜め部材により地震力を負担させ、部材断面を合理的に使えるようにしている。柱と梁、ブレースにより三角形が作られるためブレースは軸力しか作用しない。ブレースは通常たすき掛けにすることで、正負両方の地震力が作用した場合にも、引張力が作用するようになる。筋交の面を一定間隔で配置する必要があるため、計画に制約がある。


■プッシュプルドアハンドル
ハンドルのひとつで、開き戸についている物のこと。力を入れて使う必要がなく、軽い力で使うことができるところに特徴がある。ワンタッチで操作できるところにメリットがあり、ダブルロックを組み合わせることができるプッシュプル錠との組み合わせが多い。これを玄関ドアに使うことで、利便性を高めることができる。両手に荷物を持っていても、片手でドアを開けることができるため、荷物をおろさなくても開閉することができる利便性がある。ドアハンドルの形状も縦長に作られていることが多いため、広い範囲で操作することが可能。バリアフリーの観点からも、お年寄りや体が不自由な人でも操作がしやすくなる。


■プライベートブランド
自社企画商品とも呼ばれ、流通業者が自社の顧客にあわせて商品を開発、商品化した物に付ける商標のこと。略称はPBと言われる。プライベートブランドに対して、製造業者が自社製品に付ける物はナショナルブランド、略称はNBだ。プライベートブランドは、流通業者が自ら企画した製品を外部の製造業者に依頼して生産する。流通業者自らが企画しているためにすぐに企画変更もでき、卸売業者などへの費用がかからないためコストを抑えた商品を作ることが可能。このように、低価格や利益確保を目的として企画されることが多いが、一方で、製造方法や原材料にこだわった差別化製品の開発を目的とするケースもある。


■プラスター塗り
壁塗りの仕上げ方法のこと。プラスターとは、鉱物性の材料であり、石膏を主としている物と、白雲石を主としているドロマイトプラスターがある。プラスター塗りは、これらの材料を使い、コテで左官職人が仕上げていく。どちらを使っても白い仕上がりになっていくのが特徴であり、美しい壁にすることができるが、左官職人の技量によって大きな差が生じてしまうことになる。石膏を使った場合には、水硬性を示すことから、凝縮も速い。乾燥収縮が少ないことでも知られており、クラックも入りにくい。ドロマイトは、作業性に優れていることから、一般的に使われている。天井の仕上げにも使われているのは、ドロマイトのほうとなる。


■プラットフォーム工法
1950年代に入り開発された耐水合板を使い、ディメンションランバーで床板、壁板といったパネルをつくり、階ごとに流れ作業により建物を生産する技術によって建てられる効率的な建築工法のこと。プラットフォーム工法の前身は、バルーン工法であるが、これは、柱が土台から2階の横架材まで一本物となっており、柱が非常に長くなっていた。そのため、運搬や工事業の手間などコストがかかる。また、2階までの外壁を一気に造る構造のため、外壁パネルの室内側に床を受けるための床受け梁を作る必要もあった。これらの問題を改善したものがプラットホーム工法となっている。


■プリーツスクリーン
スクリーンにプリーツ加工を施した布などを上下に昇降させて開閉するタイプの、ウィンドウトリートメント(窓辺の装飾や演出)である。ロールスクリーンでは引き下げたときに平面になるのに対し、プリーツスクリーンではギザギザのヒダが入り、スクリーンを引き上げると、そのヒダがたたまれるように下から上がっていく。ちょうどブラインドとロールスクリーンの中間のようなイメージで、遮光・採光を自在に操ることが可能である。「プリーツスクリーン」の素材は合成繊維なども多いが、和紙風に加工されていることが多く、やわらかい光を通すタイプの物が多い。また、二段になっていて、上下させることで、2種類のスクリーンを使い分けられる物もある。


■プレハブ
あらかじめ工場などで部材を加工・制作し、現場で簡易的な組み上げが行なわれる建築、あるいはその工法のこと。ただし、ほとんどの建築物が、工場生産された部材を用いて建てられているため広義の意味では、ほぼすべての建築物がプレハブ工法となってしまう。そのため、工場生産の部材を利用する割合が高い工法に対してにのみプレハブ工法と称される。「学術用語集 建築学編」においては正式な表記としてプレファブ工法またはプレファブリケーションと定められているが、一般的には「プレハブ建築」あるいは「プレハブ」と呼ばれ、この工法を用いた住宅のことを「プレハブ住宅」と呼ぶ。最大のメリットは従来の工法に比べて、生産効率が高いことである。


■プロバンススタイル
フランスの南部であるプロヴァンス地方をイメージしたスタイルのこと。やわらかな陽の光や地中海の風ということが特徴の地方であり、ゴッホやゴーギャンをはじめ、様々な芸術家に愛されてきた。その地方をイメージし、素材的にも手作り感が漂う素朴な感じに仕上がっているところが特徴として作られていく。あまり強いカラーの塗装が行なわれたりすることはなく、素地を生かした素朴な物が多い。外壁は、オレンジ色など鮮やかでも落ち着くようなカラーが好まれる。S字瓦などを使うことで素朴な雰囲気を演出でき、また、重厚な鎧戸を設けるなど、日本の住宅とは明らかに違った外観を作り出していくこともできる。


■プロペラファン
プロペラと呼ばれる羽を使った換気扇のこと。壁に取り付けることが基本であり、キッチンコンロの上に取り付けられて使われることが多い。構造としては単純であり、簡易的な構造になっていることからも、価格も抑えることができる。様々なところで用いられてきたが、風のないときには気密性が下がってしまうのがデメリットだ。外部からモーターのトルク以上の強い風を受けると、風量がダウンするだけではなく逆回転してしまうようなことも起きる。そのため、プロペラファンを高層階に用いることはない。羽を回転させる構造となってくるため、どうしても風切り音がすることになってしまう。ダクトを利用すると、排気性能が落ちてしまうという欠点も持つ。

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