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建築用語集

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その他「ハ」

■ハーフウェーハウス
高齢者が家庭復帰できるよう病院と家庭の両方の機能を備えた回復訓練を行なうための治療施設。


■ハーフティンバー
15〜17世紀のイギリスや中世の北ヨーロッパでよく用いられた木造建築の構造のひとつ。梁や柱といった軸組が外部に露出しており、その間の壁面をレンガや漆喰などで埋めて作られている。表面に木材が半分ほど見えること、あるいは壁と木材の部分が半分ずつ程度の見た目になることからこの名称がついた。日本の建築様式で言えば、柱の厚さの中に壁を収めた真壁造りに相当。ハーフティンバーの軸組はそのまま外観の装飾もかねている。外壁を真壁にすると雨仕舞い等の処理が大変なため、壁を作ったあとに化粧部材を貼り付けてハーフティンバー風の外観に仕上げることが多い。外観だけでなく内装にもハーフティンバースタイルが用いられる。


■ハーフティンバー工法
黒い構造木材と白い漆喰でつくられたアルプス以北のアングロサクソンの伝統的木構造。船大工の技術としてバイキングに共通している。ちなみにツーバイフォー工法は、ティンバー工法を板と釘で作った物だ。「ブラックアンドホワイト」とも呼ばれ、イギリスで多く用いられている。外壁に骨組みが露出しているのが特徴で、名称の由来は壁と木造の部分が半々となる(半分木造の意味)ためとも、割られた材木を外部に見せるためとも言われる。そのため、半木骨造と呼ばれることも多い。柱、梁、斜材(筋違)、間柱、窓台等の軸組は隠されず装飾材としての役目を重ね、軸組の間を漆喰やレンガ、石などで仕上げた。


■ハーフミラー
周囲が明るい側から見ると鏡のように見え、暗い側から見ると通常のガラスのように透けて見えるガラスのこと。マジックミラーやマジックガラスとも呼ばれる。グループインタビュー室や行動観察室を隣室から観察するために設置され、様々な行動テスト等に利用されてきた。しかし小型カメラの発達によりその用途での重要性は低くなっている。住宅では、省エネルギーや快適性のために設置される熱線反射ガラスがハーフミラーに。これは、金属酸化物をガラス表面に焼き付けることによって鏡面効果を持った板ガラスだ。住宅の窓に利用することによって、外から屋内の様子がうかがいづらくなり、プライバシー保護性能が向上する。


■ハーフユニット
ユニットバスの形式のひとつ。床、壁、天井まですべて一体のユニットとして制作したフルユニットに対して、浴槽及び浴槽より下の部分を成形した風呂のことである。施工時には、浴槽より上を壁として板やガラス、タイルなどで仕上げる。排水や給水に関する部分はユニット化されているため、漏水の懸念は少ない。壁や天井を好みのデザインにしたい場合や、天井の高さが十分に確保できない場合などに対応することができる。この際、壁や天井自体には防腐処理や防湿対策が不可欠だ。ハーフユニットやフルユニットを用いると防水工事が不要になるため、二階以上の階にも簡単に浴室を設けることができる。ユニットバスの中には、さらにホテルなどにみられるような浴槽と洗い場だけでなく、便器と洗面器が組み込まれたものもある。


■排煙設備
火災発生時に煙をすみやかに屋外に排出するための設備のこと。排煙設備には、高所に設けられる排煙窓のような自然排煙の他にも、機械で強制的に排煙を行なう機械排煙や、加圧した外気を区画に導入することによって、煙を押し出す加圧防排煙による方法がある。どのような排煙設備を設置するかは、建物の規模や用途によって建築基準法や消防法に定められている。換気と排煙、両方の要件を満たせれば、これらの設備は兼用で用いることが可能だ。機械排煙や加圧防排煙は、地下室や建物の内側など、排煙に有効な窓を設置できない場所に設置される。これらの設備は排煙窓を設けるよりも費用が高くなるため、設計時に検討が必要である。


■ハイサッシ
床面から天井付近までの高さがあるサッシのこと。開口部が大きく、部屋を広く、明るく見せる視覚的効果に優れていることから、リビングなど開放感が求められる場所に用いられるケースが多い。マンションなどでは構造によっては、窓上部に梁が張り出しているので、天井付近まで達する「ハイサッシ」は設置できないが、逆梁工法などを採用することで「ハイサッシ」を設置できるケースもある。「ハイサッシ」は開放感に加え、高級感を演出したい場合にも適しているが、その一方で窓の開け閉めが重い、脚立がないと高いところまで手が届かないため掃除のとき不便、カーテンは丈の長い物が必要で割高になるなどといったデメリットがある。


■配色
目的に合わせて複数の色を組み合わせること。配色を検討する際には、TPOや5W1Hを意識することが必要。住宅によく用いられる配色は、色相をそろえてトーンを変化させたトーン・オン・トーン配色や、濁色系でトーンのそろった色を組み合わせたトーナル配色、色相を統一してグラデーションのようにトーンを変えたドミナント配色、統一の色相で配色したモノトーン配色などがよく用いられる。洋服等のデザインではバイカラーやトリコロールなど、複数の色相、トーンの異なる色を組み合わせた配色が用いられることもあるが、住宅の場合には色数を増やしすぎたり、はっきりした色を選びすぎたりすると落ち着かない印象になってしまう。


■排水トラップ
水まわりの臭気などの逆流を防ぐために排水設備に設けられる構造のこと。排水管の一部を曲げたり、ドラムを設置したりしてそこに水をため、排水管の先と流しの空間がつながらないように隔てている。これによって害虫や有毒ガスなどが室内に入り込むことを防ぐ。排水トラップの種類にはS型トラップ、P型トラップ、U型トラップ、ドラムトラップ、わんトラップなどがある。これらは排水の方向や排水口の種類によって使い分けられている。ただし、トラップの部分には排水とともに流れたごみなどがたまりやすく、それがかえって臭気やぬめりの原因になることも。トラップがあることによって誤って物を流してしまった際に回収できる場合もある。


■配線ダクト
照明器具がどこにでも取り付けられるようになっている、レール上の長い電気機器のこと。単にダクトと呼ばれる場合もある。トラックライトやライティングレールとも言う。通電できるレール上の物を天井に埋め込んだり直付けにしたりして設置。装着に対応したアダプターのある器具であれば、付外しや移動を容易に行なうことができる。プラグとダクトの形状の規格が統一されているため、どの社の製品を使っても互換性が保証されている。照明器具を使用する際には熱が発生するので、耐熱性が高く、熱軟化を起こしにくい性質の物が望ましい。また、耐久性、難燃性の高い物である必要もある。サイズは任意の長さの物を選ぶことができる。


■配置図
敷地内での建物の配置や方向、敷地との位置関係を示す図面のこと。通常、塀、門、通路、造園などの計画図と一緒にする。そのほか、隣地境界線、道路境界線、敷地内の高低差、敷地と道路の高低差、 隣地境界線から建物までの距離、建物全体の寸法、真北方向なども配置図に記載。これにより、敷地と建物の配置はもちろんのこと、 人や車などの動線も分かるようになる。配置図は設計をするうえでもっとも基本的な図面かつ重要な設計図面のひとつ。縮尺は一般的に1/100程度だが、排水図を兼務して表示される場合もある。なお、建物所有者に限り、各階平面図、立面図、断面図、実測図、建築確認申請書、検査済証と同様、法務局で取得が可能だ。


■配電盤
電力会社から供給された電気をビルや工場などの使用目的に応じて制御するため、開閉器と遮断機器と計測器を一カ所にまとめた装置のこと。一般的には、高圧受変電設備やキュービクル(高圧受変電設備)と呼ばれることが多い。キュービクル(高圧受変電設備)は区分開閉器、断路器、遮断器、変圧器、保護継電器、制御装置、計測機器、低圧配電設備等で構成されてる。ちなみに家庭で用いる「分電盤」も「配電盤」の一種。電気を安全に使用するために必要な漏電遮断器(漏電ブレーカー)や、配線用遮断器(安全ブレーカー)をひとつにまとめている装置である。幹線の先に設置し、照明器具、電化製品、コンセントなどに電気を供給する。


■ハイバックイージーチェア
背もたれが高くなっていて頭を支えることができるタイプのイージーチェアだ。イージーチェアとは、リラックス感を高めるために、背もたれが傾斜していて、ひじ掛けが付いている休息用の椅子のことである。安楽椅子とも言う。足置き台と組み合わせて用いられている場合が多い。北欧デザインの家具が多く見られる。類似の機能、用途の椅子にピーコックチェアがある。ピーコックチェアはデンマーク人の家具デザイナーであるヴェグナーによってデザインされた椅子であり、背もたれ部分が扇状に広がっていて、羽を広げた孔雀を連想させる形からこの名前が付いた。ウィンザーチェアをアレンジした物である。


■ハウスダスト
室内に浮遊するチリや埃のこと。繊維くずや砂塵、頭皮のフケ、カビなどの胞子、ダニの死骸や糞など、季節や住環境、生活習慣によって様々な物がある。ハウスダストによってアレルギー症状や喘息が引き起こされる場合もあり、特に、ダニの糞や死骸はこれらを引き起こしやすいとされている。寝ている間に室内にたまっていた花粉などのハウスダストを吸い込み、朝方にくしゃみが止まらなくなる現象のことをモーニングアタックと呼ぶ。ハウスダストを少しでも防ぐためには、新築時に換気設備の設計、設置に気を配る他、埃のたまりやすい隅に家具を置かない、収納を壁内に収めるなどの対策が有効である。


■剥し
クロスや塗料などを撤去する意味で使用される建築用語のこと。外壁塗装などのリフォームは、古い塗装の剥がし工程が重要だ。塗装を剥がすことを「ケレン」と呼び、これには5つの方法がある。塗装がめくれていた箇所を剥がす、こびりついた塗装を剥がす、紙やすりで削る、洗浄機で剥がす、塗料で溶かすなど、必要に応じた作業を行なう。ただし、古い塗装をすべて剥がすのは専門業者であっても相当大変な作業であり、かなりの作業期間と費用が掛かってしまう。そのため、塗装しやすい状態にすることを目的とし、古い塗装をすべて剥がさず作業するのが一般的。室内の壁や門柱、木製家具をリフォームする場合にも同様である。


■端柄材
大きな材料を製材したあとの原木の残った部分から取る小さな角材や板材の総称。羽柄材とも言われる。構造材や造作材などの仕上げ材に含まれない、比較的小さい部材のこと。筋違、間柱、まぐさ、窓台などがこれに当たる。筋違は柱と桁、梁に斜めに渡して欠ける部材だ。間柱は、文字通り柱と柱の間に入れる垂直材で、壁の一部になる。また、まぐさは開口上部にある脚らの間に渡した横架材で、窓台はまぐさと対になる部材である。このように柱や梁の間に入れられる部材が多い。これらの部材は金額が小さく、設計時に数量も確定しにくいことから、見積り時には詳細に記載せず、羽柄材一式として計上される場合もある。


■掃き出し窓
窓の下枠が室内の床の高さと差がなく、室内のホコリやゴミなどを掃き出すことができる窓のこと。この「掃き出し窓」に対して、「高窓」は天井近くに設けられた窓であり、この二つの言葉は対語である。もともとは小さい窓を指していたが、室内の床面まで開口部の大きな窓(テラス窓)を「掃き出し窓」と呼ぶ場合もある。大きな「掃き出し窓」のメリットは、人の出入りができる、通風や採光の効率が高いため開放感がある。窓と室内の高低差がないのが一般的な「掃き出し窓」だが、2階以上の階のバルコニーに設けられた「掃き出し窓」は防水などのため、室内の床と窓の下枠に「またぎこみ」と呼ばれる高低差が設けられることがある。


■白熱灯
照明器具に用いられる、いわゆる電球のこと。ガラス球内のフィラメントに電流が流れて加熱されることによって、やや暖色よりの白色光を放射する。通常の電球の他、ハロゲンランプやクリプトンランプなども白熱灯であり、オレンジがかった光には気分をリラックスさせる効果もある。また、球状の光源であることから、物に陰影が付きやすく立体的に見え、これによって料理がおいしそうに見えるといった効果も。調光器を取り付けることによって、明るさを変化させることも可能。また、点灯、消灯によって電球の寿命が変化しないので、頻繁に点滅を行なう場所などに設置するのに向く。蛍光灯に比べて省エネ性能や寿命は劣っている。


■箱物
家具の形態による分類で、収納家具の総称。箪笥や書棚、ロッカー、キャビネットなどの家具をさす。これに対して、いすやテーブルなど、収納家具ではなく脚のついている家具のことは脚物と言う。また、国や自治体の公共事業によって建設された庁舎や学校、市民会館や運動施設などのことも箱物と呼ぶ場合がある。この場合は、漢字ではなくカタカナでハコモノと表記される場合が多い。また、美術館やプールなどのハコモノの建設に多くの税金を投入する行政のことを、ハコモノ行政と言う。この言い方は、行政を批判するニュアンスを含んでおり、建設しても有効に活用しきれない場合などに特に言われる。バブル期の経済対策としてハコモノが多く建てられていた。


■柱
上部荷重を土台に伝える鉛直材。2階建では1本の材を用いる「通し柱」と、各階に設ける「管柱」がある。柱の太さの最小値は建築基準法で規定されており、構造計算によって決定する。


■柱間
柱と柱の空間のこと。距離のこともさす。柱間自体が空間の大きさにつながっていくことから、社寺仏閣では建物自体の大きさが分かる。実際に寸法で呼ばれることはなく、この柱間によって平面形式が分かるようになっている。柱間は、間口の数ということで間と呼ばれることも多い。そして、庇は面と呼ぶことから、七間四面といった言葉だけでも、建物の構造を知ることができるようになっているが、これを間面記法と呼ぶ。京都にある三十三間堂の場合には、柱の間が三十三あるということを示しており、実際の寸法とは無関係であることには注意しなければいけない。古代ギリシアでも円柱の間隔が重要であり、この比率をもとに設計が進められた。


■柱割り
垂直部材であり、荷重を支えるための柱の位置を決めていくこと。平面の間取りに対して進めていく。柱の大きさも決めることになるのが柱割りである。上部の荷重を下部に伝えるのが柱の役割であり、木構造でも鉄骨構造でも一定のスパンで配置していかなければならない。基本として規則的な配置としていく。木構造では、柱は真物を使っていたが、プレカットが進んできたこともあり、集合材の柱が使われるようになった。かつては、3尺をひとつの基準としていたが、現在では1mをひとつの基準として柱割りは進められていくことに。ツーバイフォーのように、壁構造によって荷重を支える場合には、柱が存在しないために柱割りもない。


■旗竿地(ハタザオチ)
他の土地で囲まれた袋地とそこから公道までの細い敷地でできている土地のこと。その形が竿の付いた旗に似ていることから、こう呼ばれている。建築基準法において、建物の敷地は道路に接する間口が2m以上なければならないとされているが、旗竿地はその最低限度の条件を満たす土地となる。一般的に、奥にある有効宅地部分には建物が建てられるが、間口の狭い通路部分は宅地だが建物は建てられない。自治体によっては、非常用進入口や消防法の関係等で3階建ては建築不可等の建築規制が定められていることがある。旗竿地は、周囲をすべて隣地に囲まれているという環境や公道からのアクセスが不便なため、比較的地価水準は低い。


■八幡造り
神社本殿造りのひとつで、奈良時代中期に成立したと考えられる様式のこと。宇佐八幡宮が代表例として知られているが、石清水八幡宮と伊佐爾波神社を合わせた3例しか現存していない。切り妻造りで平入りが特徴となっている。前後に二棟並ぶのが特徴で、後ろは内殿、前は外殿と呼ぶ。特徴的なのは、二棟並んだ姿を横から見たときであり、アルファベットのM字型に見える。前後に並べることによって、内部スペースも大きく取ることができた。両殿の間には、そのままスペースにするのではなく、一間分の馬道があり、屋根には樋が通されている。伊佐爾波神社は、京都の石清水八幡宮を模したものと考えられており、非常に重要な史跡として現存していると言える。


■刃掛け
材を見せないようにする納め方のこと。枠材という物は、そのままにしてしまえば見えてしまう。そこで、枠材をできるだけ杓って、壁を薄くしていくことで納めていくのが、刃掛けと呼ばれる方法だ。したがって、片側からは木部だけが見えるようになっており、片側からは塗り壁の仕上げになるため、枠材を見せないだけではなく、メリハリがはっきりとつく。薄く刃物のように仕上げをしていくことになるため墓毛と呼ばれている。接着面積ということでは、非常に薄くなる部分ができるため、木からはがれて離れてしまうことも出てくる。さらに、骨材径によっては、薄く仕上げることができないため、こうした仕上げをすることができない。


■白華現象
コンクリートやモルタルの上に白く生成物ができてしまう現象のこと。エフロンと呼ばれる。コンクリート構造上の強度には大きく影響はしないことが多い。白華現象は、コンクリートの表層部から侵入した水分は、蒸発するときに表面に染み出てくるが、このときに石灰分などの可溶成分を残してしまう。これがしみだし固まるの場合と、空気中の二酸化炭素と反応し固まる場合の2種類が存在する。様々な要因が絡み合い発生するため、原因はひとつであるとは限らない。水分は蒸発することでできることから、日当たりと湿潤の繰り返しが重要であり、南面に出やすいと言われる。酸性雨も原因のひとつとはなるが、単一の原因でなるわけではないため特定は難しい。



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