ARCHITECTURAL TERM

建築用語集

HOME 建築用語集> その他「ア」

その他「ア」

■上げ裏
「上げ裏」とは、軒を下から見上げた部分のことを指す。ほぼ同じ意味の言葉に、軒裏、軒天井がある。ただし、上げ裏、といった場合には、軒だけでなく、単純に見上げたときの裏側で、例えば階段の裏側などを指す場合も。区別して呼びたいときには、軒裏、段裏といった呼び分けが行なわれる。


■アコーディオンドア
アコーディオンの蛇腹のように伸縮自在になるドア。間仕切りなどに使われる。


■脚物
「脚物」とは、脚のついた家具の総称。洋家具類を形態上から分類したときの呼び名だ。椅子やテーブルなど脚を持った家具類全般を指す言葉で、家具業界の用語として用いられている。脚物に対する用語として、「箱物」がある。箱物とは、たんすやロッカー、キャビネットなどの、箱状になっている収納家具の総称だ。脚物家具の中には、脚部分に意匠の凝った物も多く、猫脚と言って、猫の脚のような形をした、曲線を描いた脚を持つ家具も存在。このように意匠の凝らされた脚物家具は、アンティーク家具に多く見られる。意匠を注意深く見れば、それぞれがどの年代のどの国でできたか、あるいはその影響を受けているか、といったことを知ることができる。


■アジアンスタイル
主に東南アジア風のインテリアスタイルをさし、籐やバンブーといった、亜熱帯の自然素材を使ったスタイルだ。手仕事で作り上げ、自然の風合いを残す家具などが特徴的な様式である。最近ではアジアンスタイルといえばバリ風、といったイメージが一般的だ。東南アジアらしさは素材選びで表現すことができ、籐やウォーターヒヤシンスを編んだ素材の他、木材なら世界三銘木として珍重されており、熱帯モンスーン気候地域に分布するチークを用いるなどが効果的。また、麻や光沢のあるタイシルク、エキゾチックな柄のものを取り入れることでもアジアンな雰囲気を作り出すことができる。


■網代(アジロ)
「網代」とは、木、竹、草などの植物を裂いたり削いだりすることで薄く加工し、それを縦横、斜めに編んだ物。素材や編み方によってできる模様が変わり、模様自体を網代とも呼ぶ。敷物や和風建築の天井、笠など平面的な物から、立体的な物にまで用いられる。薄い材料で網代を作ると自立しないが、ベニヤ板などを裏打ちし、厚みを増やすことで建具や家具の鏡板にも使用可能。網代は川で魚を捕るために「網」の「代用」として、竹や草を編んだ物を使用していたことに由来する。植物を編む文化は縄文時代から用いられており、ビニールシートや布がない時代に重宝されていた。網代の起源である植物の編み込み方法には長い歴史がある。


■アールヌーボー
19世紀末にベルギー、フランスで生まれ、ヨーロッパ各地に普及した建築工芸の新しい様式。過去の様式にとらわれない新しい造形、新しい素材を駆使したアールヌーボー様式は、植物の蔓や茎などのうねるような曲線で豊かに装飾されたデザインが特徴的。日本でも明治後半から大正にかけて流行した。


■飛鳥建築
「飛鳥建築」とは、推古天皇の即位していた時代前後で用いられた日本の建築様式のこと。奈良の法隆寺が代表的な建築物として知られている。初めて本格的な仏教の寺院が作られた時代でもあり、ほとんどの物が現存していない。実際に法隆寺に至っても再建であり、異なる部分があると考えられている。飛鳥建築は、他の時代では見ることのない建築様式が含まれているところが特徴ではあるものの、遷都したことによって、寺院が移築されたことも大きな影響を与えた。古墳の時代から寺院建築に移り変わった時代であり、海外の建築技術を取り入れつつ、独自の成立をしたと考えられている。そのため、飛鳥時代の寸法は高麗尺と呼ばれる物であり、今よりも長くなっていた。


■アスベスト
「アスベスト」とは、珪酸マグネシウムを主成分とした、繊維状の鉱物である。「石綿」とも呼ばれる。「アスベスト」は不燃性や耐熱性、熱や電気の絶縁性、耐久性、耐腐食性に優れ、しかも安価であることから、かつては建築資材、電気製品など様々な用途に用いられていた。特に日本の高度経済成長期には、ビルや学校などの公共建築物の断熱材、保温材、耐火材として、天井や壁の内側などに大量に使用。だが、石綿の繊維を肺に吸入すると、肺がんや中皮腫の原因となることが分かり、全面的に輸入・製造・使用等が禁止となっている。「アスベスト」が使用された既存の建物でも、その除去作業が進行中。なお、宅地建物取引業法施行規則では、建物についてアスベスト使用の有無に関する調査結果が記録されているときは、取り引き相手に対しその内容を説明することとされている。


■東屋(アズマヤ)
公園や庭園などに建設された、4本の柱で屋根を支えている建物のこと。休憩、眺望のために建てられており、「四阿」(しあ)または「亭」(ちん)とも呼ばれる。四阿の「阿」は中国語で棟を指し、これが四方にあることが四阿の由来。壁がない物が多く、屋根には葦簀を乗せたり、蔓を這わせたり、板や茅で吹き抜けたりとバリエーションは豊富である。屋根の形は主に方形が標準。また、内部に腰掛けが設置されている物も。建築物を建てる際には、建築基準法などの建築関係の規定に反していないかを審査する、建築確認をしなければならない。しかし基本的に10㎡以下の規模が多い東屋において、建築確認は不要である。


■畦(アゼ)
「畦」とは、敷居や鴨居の溝と溝の間の凸部分のこと。島と呼ぶ場合もある。東京近郊では障子などの木製建具には、四七の溝と言って、七分(約21mm)の溝の間に、四分(約12mm)の畦を取る場合が多い。建て込まれる建具の厚さによって、畦の幅が異なる三七の溝、五七の溝、といった寸法が用いられる場合もある。また、畦に対して、溝の外側を樋端(ひばた)と言い、和室側を内樋端、その反対側を外樋端と呼ぶ。


■校倉造り(アゼクラヅクリ)
奈良の東大寺正倉院の宝物殿などで知られる、古くから蔵や倉庫に使われた建築様式のこと。弥生時代の倉に始まったとされており、ロシア、中国、北欧など木材の豊富な地域では似たような工法が見られる。角材や三角材、丸太の断面の木材などを積み重ね上げて、角の部分がかみ合うように交差させることで壁面を造る工法だ。断面が三角形になる横材を井籠組(せいろうぐみ)に積み上げ、壁としたりする。横材の平面部が内壁、稜角部が外壁となる。そのため、壁体の木口は鋸歯状に。木材が空気の湿度に合わせて伸縮することで、室内の湿度が調整されている。他には唐招提寺の経蔵や宝蔵、東大寺の経庫などが有名だ。


■アダム様式
18世紀後期、イギリスのスコットランドの建築家ロバート・アダムとその兄弟ら4人によって生まれた軽快で優美な新古典主義の建築様式である。イギリスの伝統に古代ローマの装飾手法をミックスしたもので、建築の他、室内装飾、家具デザインなど総合的なものとなっている。中でもローマの古典主義、バロック的な構成を基準とした、優雅で上品な作風で、加えて変化に富んだ、自由な組み合わせのデザインも特色。時代の重商主義を反映し、海外の文化も積極的に取り入れられた。壁面、天井に淡い色彩の浅浮き彫りが施されており、アンセミオン、ガーランド、フェストゥーンなどのデザインが用いられている。


■圧壊(あっかい)
圧力をかけて壊す、もしくは圧力がかかって壊れることである。構造物またはそれを構成している部材に外部から力が加わったとき、局部的に圧縮されて壊れる現象を言う。建築物や部材の形に問題がある場合や、材質の質が悪いことが原因。部分的に材質が粗である場合、あるいは、十分密実に充填されないで硬化してしまったような、材質内部に欠陥のある場合、力がその部分に集中して予想以上の応力が加わって、組織が破壊されてしまい圧壊となる。


■圧着工法
タイル貼りの施工法のひとつで、下地、モルタルを均一な厚さに塗った壁や床面上にタイルを押し付けて貼る工法のことである。台紙付きの「モザイクタイル」や「ユニットタイル」などではこの工法が用いられる。圧着貼り工法とも言う。圧着工法の長所は、接着力と施工能率の高さ、白華の防止効果が高いこと。白華とは、コンクリートの表面に浮き出た白い結晶物で、セメントの中に含有されている硫酸塩や炭酸塩が水に混じって溶け出して水分が蒸発し、表面に浮き出た塩のことである。圧着工法の短所は、貼り付け用モルタルにすぐにタイルを貼り付けないと、接着力が低下する可能性がある点だ。


■アッパーライト
下から上向きに照らしている照明器具のこと。器具だけではなく手法としても呼ばれることがある。自然の光は、上から下に照らすものだが、アッパーライトにすることによって、非日常的な感覚になる空間演出になる。目には光が入りにくくなるため、間接照明としても役立つ。リビングだけではなく、寝室に使うこともできるようになり、強い光ではなく、やわらかな光で空間を包むこともできる。様々な照明器具で行なうことができる方法であり、大きな建築物を、投光器などを使いライトアップしているのも、このアッパーライトの手法であると言える。


■あて
木の持つ特殊な性質の材のこと。傾いた木や曲がった木に起きる。木材の欠点でもあり、斜面などの特殊な環境で育った場合に、曲がった部分などに起きてしまう。あては陽疾(ようしつ)とも言われる。木材の繊維として、正常ではない部分であり、材料としてみると曲がりや反りなどの狂いが生じやすいため、問題を起こりやすい。針葉樹の場合には斜面の下側に圧縮応力が働き、広葉樹では上側に引っ張り応力を受けて現れる。年輪の幅を見ると広くなっているのが特徴として見られる。建築用としては使われることはない。こうした事情から市場に出回ることは少ないが、造作用として考えた場合、節や木目が独特のものになるため、数寄屋造りなどで珍重される。


■アトリウム
ガラスやアクリル板などの明かりを通す素材で屋根を覆った大規模空間のことで、「内部公開空地」とも呼ばれる。光は通すものの外部とは遮断されており、主にホテルのエントランスなど大規模商業施設で使われることが多い。光井のような狭い空間は含まず、あくまでも広場的な広がりを持つものだけを指す。


■アネモスタット
空調用送風設備の一種で、天井面に設置される空調の吹き出し口のこと。空調機本体から送られてきた暖気や冷気が噴き出す。主に丸型や角型をしており、複数枚の羽を重ねたような断面が特徴。この構造によって、吹き出される冷気や暖気が放射状に広がり、室内の多方向に拡散し、空気と混ざりやすいと言う特長を持つ。アネモスタットと言う名称はアメリカのメーカーに由来しており、一般的にはアネモ形吹き出し口やアネモ型ディフューザ、または単にアネモとも呼ばれている。一般に規模の大きい空調設備で利用される物で、木造住宅ではあまり使われない。



次のページへ

小さな工事から難しい条件の大きな工事まで、是非ご相談ください。ライファ立川ならすぐに駆け付けます! ご相談・現場調査・お見積り等、ご契約までは全て無料です。まずはお気軽にご相談ください。

お問合せはこちら

お電話でのお問合せ
0120-5000-25
24時間365時間受付