都市計画区域とそれ以外の区域(1)都市計画区域_計画的に街づくりを進めるエリア(2)都市計画区域外_人があまりいない地域なのでとりあえず市街地化計画をしないエリア(3)準都市計画区域_人があまりいないけれど重要なので制限を設けておこうというエリア
なぜ既存建築物が建てられたのかといった疑問が生まれます。
それは、建築基準法施行以前に建てられた建築物であったり、違法建築物であったりします。東京でも昔からの下町に行くと車の通行ができないような狭い道を挟んで、昭和初期以前の建物が林立する地域があるかと思います。そういった地域では再建築不可の建築物が多いことでしょう。
再建築不可物件の一般的に多い事例は「接道義務」の問題です。
接道義務とは建築基準法42条で、基本的に建築物の敷地となる土地は、「幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならない」といった規定があります。「基本的に」と書いた理由は、幅員4mの道路が様々な要因で それ以下になったりそれ以上になったりすることがあるからです。
なぜこんな義務があるのかというと、消防車や救急車といった緊急車両が入れるようにすることで、消火活動や救助活動をスムーズに行えるようにするためです。つまり消防車や救急車が入れない土地に家を建てないように、ということなのです。
物件をリフォームするには、工事の内容によっては建築確認申請が必要にですが、再建築不可物件の場合は建築確認申請によるリフォームができません。建築確認申請が必要な工事は、増改築や敷地内での移転、壁・柱・床・梁・屋根または階段などの主要構造部を1/2を上回る範囲で模様替えといった場合です。再建築不可物件でも建築確認申請がいらない範囲に抑えればフルリフォームが可能です。建物内をすべて一度何もなくしてしまうスケルトンリフォームや壁を壊して間取りを変更するような大掛かりなリノベーションをする場合は、建築申請が必要のない「建築基準法第6条第1項第四号建築物」であることが必要です。
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2025年、四号建築物が廃止になります。詳しくはこちら
再建築不可物件と聞いてしまうと、そんな物件を手にしてしまうと、出口も無くあとあと何の価値もない物件になってしまうような印象があるかと思います。しかし、ちょっとした対応で問題なく再建築が可能となる物件や、手間や費用もかかるもののやり方次第では再建築が可能となり、更にその土地の価値が上がってしまう土地も少なからずあるのです。再建築不可物件が存在していた場合、その再建築不可用件が何であるのか、そしてその用件は解決できない要件なのか実際に調べてみるのが良いでしょう。そんな再建築不可物件の中にはちょっとした対策をするだけでお宝になるかも知れません。
再建築不可物件を建築可能にするには、土地が道路に2m以上接していない場合、隣地の土地を購入するなどして、間口を広げ、接道義務を果たす土地にすることです。
左記の図を例に見てみます。
①…A、B、Cのいずれかの土地を購入する
②…C、D、Eの土地を購入し合わせることで接道義務を果たせる
③…C、Fを購入し合わせるか
F、G、Hも土地所有者にお願いして一緒にセットバックする。
セットバックについては次項目で説明致します。
接道義務を満たすためには、建築基準法上の道路(幅員4m以上)に2m以上接していなくてはなりません。建築基準法上の「道路」の中には、特定行政庁から「道路として認める」と指定を受ける「位置指定道路」があります。接道が2m以下であっても、所有する土地を位置指定道路として認めてもらえれば再建築が可能です。
※赤い部分を「位置指定道路」と申請し認められれば青い敷地も摂動義務を満たす事が出来る。
43条但し書きとは…接道義務を満たさないので本来は再建築不可ではあるものの、建築審査会の許可を受けることで建築が認められる“救済措置”のこと。
本来であれば、建築物の敷地は道路に2メートル以上接していなければなりませんが下記のとおり建築審査会の同意を得て許可したものに限っては、再建築が認められます。
その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したもの
※引用:建築基準法第43条第2項第2号
行政は道路を4m確保したいところですが、現在住んでいる人にいきなり『道路分の土地を明け渡して建て替えてください』というのは難しいので、『いずれ建て替えるときに土地を後退(セットバック)して建ててください』とお願いすることになります。こういった道路を専門的には『法42条2項道路』とか『みなし道路』と呼んでいます。そして現状幅4mを確保していない道路に面している土地は『要セットバック』と表記されることになります」
再建築不可物件は取得費用が安い等のメリットがあるものの、建て替えができない、住宅ローンを借りられない等のデメリットもあります。再建築不可物件は、購入後に全く手を加えられないわけではありません。リフォームやリノベーションをしたり、接道義務を満たす隣地も購入して再建築可能にしたりといった活用方法があります。
再建築不可物件は東京近郊にも存在します。MLTグループは再建築不可物件の解決に関わるあらゆる提案と、いまの状態から活用されるまでの過程に寄り添います。不動産としての対応方法はもちろん、その前に相続や片付けなど処理の準備にもお困りの方、そもそも何から手をつけていいのか、とりあえず置いておくと何が困るのかが分からない方。まずは気軽にお問い合わせ下さい。ご相談お待ちしております。