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コロナ禍における新年のご挨拶


明けましておめでとうございます。

今年のご挨拶においては新型コロナウィルス問題を抜きに語ることは出来ません。

2020年初頭からの新型コロナウィルスの蔓延によって、世界中の秩序が根本からひっくり返ようとしています。日本は欧米の感染者に比べて圧倒的に少ないにも関わらず、政府や地方自治体の主張は外出制限を国民にお願いしたり、飲食店を中心とした商店の営業自粛や営業時間短縮を何回かに渡りお願いしてきました。
それらは医療関係者からの重点的意見に基づいており、経済的あるいは総合的な判断によるものとは言えませんでした。
つまり政治家が自ら責任を取るという様な判断ではなく、片寄った専門家と称する人々に丸投げした事をそのまま踏襲して発表しただけのものだったのです。
諸外国と違って、日本の政府は民間病院に対して強制的なコロナ患者の受け入れを要請することが出来ず、ほとんどの病院では、その受け入れを拒否しているのです。それでそれを医療崩壊だから自粛せよ、と言っているのですから発想の視点がそもそも間違っているのです。

真面目な日本国民は混乱しながらも政府の号令によって外出を控えるようになった結果、数多くの会社や商店が倒産、閉店をせざるを得なくなりました。
そして更に今年の1月8日からは東京都を含むたくさんの県が、再び時短営業を強制するような「緊急事態行動」を実施することを決めました。
つまり自分達の失政は棚に上げて「正しく恐れ行動する」という大原則から外れた生活を強要させて、ほとんどの国民は何も疑わず、それに従ってきたのです。その結果として、日本経済は最悪の状況に陥りつつあります。
都知事や政府関係者の言動を見ていると専門家の意見に従ってと言って責任逃れをしているばかりで、行政の長としての断固とした信念が全く感じられません。
このコロナ禍はどう見ても「有事」であるにも関わらず、「平時」の能天気な発想をしているのです。

私達建築業においてもお客様との直接的な打合せの機会が減ったり、メーカーのショールームの機能がマヒしたり、展示場への来客の激減等により少なからず影響を受けてきました。一方で、ステイホームや、リモートワーク等で自分の家にいる時間が長くなった関係で家の自分たちの役割や重要性も高まってきましたが、それらに対応できる家はほとんどありません。それどころか、そのことによるストレスや戸惑いで家庭崩壊や自殺者の増加といった事さえも出現しています。
そんな中、住まいは都心や通勤距離がそれ程近くある必要も無く、郊外の家を求める人が多くなったという楽観的なニュースもありました。
とはいうものの、肝心な将来に対する経済的なお金の不安もありますから、ほとんどの人は今まですぐリフォームするとか新しい家を求めるといった全ての消費については出来るだけ控えるのではないでしょうか。

ここ直近の15年から20年の間は、日本のGDPや個人所得はほとんど横ばいか下向きで諸外国に比べても大変厳しい状態に陥り、日本人は知らぬ間に大分貧しい国民になったないう印象があります。
実際その間、日本以外の国の経済成長はすさまじく、中国の成長率は約15倍、アメリカも2.5倍そして韓国でさえ2.7倍になっているのです。
そんな中、日本だけが一人取り残されている様な厳しい状況になっているのです。
そして、昨年2月からの新型コロナウィルスの躍動によって世界中が、大混乱という状態になり、日本はどうなってしまうのかという不安をほとんどの日本人が感じています。
このコロナ禍による影響は今後数年は続くものと見られ、世界各国への影響は計り知れないものがあります。場合によっては1929年に始まった世界大恐慌の再来も現実のものとして襲ってくる可能性もあります。

私は建築一筋にこれまで業務を行ってきました。それもここ30年位は住宅の専門家として不動産(土地・建物)を含めた複合的な視点で仕事をしてきました。
1977年(昭和52年)に会社を創業する以前から建築という仕事に関わってきましたから日本の敗戦後からの日本経済の流れの中にある住まいの状況と役割について長期的に体験し学んできました。
そんなことを振り返り考えていくと、私達今の日本人の住まいは供給側(政府・業者・メーカー)の都合により作られてきたという事がはっきりと解ります。
それは、工期の短縮や大量生産によるコスト削減、高気密高断熱というシェルター化する住まいの追求、内外装全てを工業製品化(石油から作った新建材)といった従来の日本の気候風土に合った住まいを全く無視する形の住まいになってきたのです。

そして設計から工事をする住宅建築のあらゆる場面はそれらの間違った施策によって作られているのです。私たちの住まいを実現するためには役人が主導して作った法律や検査をきめ細かく制定してあるために、本来の自由設計や工事が、不自然な形で制限され、日本全国の住宅が画一的な設計で作られた住宅だけになっています。
その弊害によって、日本の気候風土に合った住まいが出来にくくなるような状況になっています。
つまり、住まいを住み手側の理想の追求ではなく、政治家や行政の都合や役人の天下り機関の為の各種の訳の解らない団体作りによって不要な条件を無理矢理押しつけるといった、住まいの理想とは全くかけ離れた方向へ独り歩きしていったのです。

一例としては、高気密高断熱化の推奨による24時間強制換気システムの義務化や準防火地域における防火戸の制定等も、日本の気候風土に照らし合わせて全く逆行するような政策だったり、防災上は全く無意味なことに予算を出費させたりということを官と大企業が一体化して行ってきたのです。
結果的には、ハウスメーカーの家、建売分譲住宅、新築マンションにおいてほとんどが画一的で味気ない使い捨てのような家を作ってきたのです。そして結果的には快適どころか健康被害を与えるような家がほとんどという状況になってきたのです。
そしてそれら欠陥住宅と言えるような住宅を、設計士や工事会社やディベロッパーは何の疑問も持たず、国に言われるがまま、そして経済的倫理のみを優先して供給し続けているというのが現実なのです。

昨年からのコロナ禍によって、世界中の人の生活は急激に変化し、好むと好まざるに関係なく、自分の家に居る時間が多くなりました。その結果として、自分達の住まいの役割がとてつもなく大きくなってきたのです。
私は、家の役割の基本である雨、風、熱(太陽)という外気から家族を守るというシェルター機能に加えて、耐震、防火、防犯という安全という条件も備えた上で、文化、教養を高められるような精神的な役割を果たす住まいの追求の他、家族の絆を強められる家という観点や、コロナ後の社会の中でどう生きるかを思案し、正しく行動するための機能も備わっている家づくりも必要ではないかと思っています。

今の日本人は、生活が豊かになったようで、実際は古き良き物を目先の利益のために失い、精神的にも実は物理的にも貧しくなったのではないかと思うのです。
私はこのコロナ禍によって、更に追い詰められた今の日本人のためにどのような住まいが良いのかを追求していきたいと思っています。そして長年にわたって建築に携わってきた専門家として、人間の住まいとしての原点である棲家(すみか)の役割から考え直して、単なるシェルターとしての家ではなく、現代人における精神的な拠り所である住まいは、どうあるべきかを実現していきたいと思っています。

MTLグループ 代表取締役
一級建築士 蓑田 常弘

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