ARCHITECTURAL TERM

建築用語集

日本一高い天然秋田杉

杉の木は、日本人にとって一番馴染みのある木材かも知れません。余り知られていませんが、杉の木は背が一番高くなる樹木で、大きいものは50M以上になる場合もあります。つまり、建物だと16階建て位の高さになります。そして樹齢2000年、3000年という杉の木は全国にたくさんあります。杉の木の由来は、真っすぐに高く伸びる木「直ぐ木=すぐき」です。
外国にもヒマラヤスギとかレバノンスギなどのように「スギ」という名前が付いていますが、いずれも「松科」でスギではありません。

杉の木は日本で最も多く植林された木で、北海道から九州南部まで日本全土に見られます。産地によって同じ杉でも全く木材に加工すると木目の表情が違います。純和室等の建築仕上げ材として一番有名なのは、秋田杉とか吉野杉と呼ばれる杉や紀州杉、天竜杉、智頭杉、金山杉、飫肥杉、日田杉、木頭杉、小田杉…とたくさんの種類があります。大まかに分けて60種類以上あります。

また、杉材は、建築材の他、家具や酒樽や桶、船、下駄、工芸品や建具等に使われており、縄文時代早期より日本人とともに歩み、日本の文化を支えてきました。鹿児島県屋久島にある屋久杉は、鹿児島県屋久島の標高500メートルの山地に自生する杉でこのうち樹齢1000年以上のものを指します。樹齢約2000から3000年という縄文杉や紀元杉と呼ばれるものもあります。現在は、自由な伐採が禁止されていて、台風等で倒れた倒木等を利用してお土産品等を作っています。一部は、天然記念物に指定されている木もあります。

杉材は、建築材料としては、温かい、柔らかい、というイメージの他、断熱性や調湿性に優れていて、大きく分けると夏も冬も日本の四季を通じて快適さを実感できる材料でもあります。
又、木目は板目と柾目があり、そのデリケートな板材は、昔から高級化粧材としても重宝されています。

昔から、杉の角材は柱や桁等の構造材として、板類は、外壁材や内壁材としての化粧材として、また根太や大引きや垂木等の下地材としても万能な素材です。
床材としては、少し軟らかいので耐久性は桧材やナラ材、クルミ材等にはかないませんが、無垢材として使用するため3センチ位の厚板を使えば多少の傷やへこみも気になりません。

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