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和風建築

和風建築には独特の決まりごとやディティールというものがあって、寸法も一間とか尺とか一寸一分とかの日本伝統の寸法表示があり、基本的には303とか909とか1818とか3という数字の基準倍率になっていて設計者が書いた設計図を基に大工職人は板の上に実寸で形を興して書き、それに合わせて木材の木取りや加工をしていきます。

大工職人が墨付けや木材を加工する為の道具も様々ありますが、有名なところでは墨つぼや差し金、ノコギリ、のみ、手鉋(てかんな)、ちょうな、金槌(かなづち)、木槌(きづち)、ホゾ穴明け等があります。
基本的には様々な木を加工するための道具であり、それらを使いこなすために親方の下で長年にわたり修行をしていき、一人前の大工職人となっていくのですが、近年は急激にその様な大工職人が居なくなってきています。

棟梁(とうりょう)と言われる大工職人は、様々な建築職人の中でも一目置かれていますが、棟梁とは建物を造り上げる集団を統率する中心的な人物ということです。
棟と梁は建物を支える重要な部分であることから、その様な語源になったようですが、大工の他にも石工も棟梁と呼ばれ、それ以外の親方で棟梁と呼ばれるのは少ないようです。
日本建築を構成する基本素材は木材ですから、適材適所に様々な木を使いこなしていきます。日本家屋を大雑把に分解すると、構造材と仕上材に分かれますが、構造材は将来の曲がりや歪みがないもので、より強度のある木材を使用しますので、外材のように大木からたくさんの柱等をとるようなことはなく、基本的には、1本の樹木から1本の柱や梁をとります。そうすることで年輪が刻まれている部分を1本使用する訳ですから、垂平力に対しても垂直力に対しても強度があります。又、それらの木は日本特有の雨や湿度にも強いのです。構造材としてよく使用するのは杉、桧、松等針葉樹が多いです。仕上げ材としては上記の針葉樹の木材も使用しますが、強さというより仕上がりとしての見栄えを重視しますので、一般的には桜やカエデ、シイ、カシ、ナラ等の広葉樹を使うことが多いです。しかしながら和風建築は、真壁造りと言って構造柱を仕上げ材として兼ねる造りが多いですから、杉や桧や松材等の針葉樹も重要な仕上げ材でもあります。

現在、純和風建築が少なくなった理由としては、火事に弱いということで昭和25年建築基準法で外壁を防火構造にしなければならなくなった事や、棟梁と言われる大工職人が少なくなってきた事、また仕上げ材としての木材は青森ヒバ素材にこだわる程高価な物になり、予算的に使えなくなったことがあると思われます。
何せ仕上げ材としての秋田杉、木曽桧等いわゆる銘木といわれる木材は、体積あたり本マグロの大トロ以上の価格がするのですから、そうやたらと使用できないということです。
もちろん、人々の生活様式が変わり、畳での座式から椅子テーブルを使用した方が現在の暮らしに馴染むということも和風建築が少なくなった理由でしょう。又、高気密・高断熱等、昔の人々とは違う心地良さを求める人が多くなったという時代の流れもあります。私は、住居は夏を旨とすべしという徒然草に出てくるような冬は寒いけれど風通しが良く、自然と一体化したような昔ながらの住まい方も中々良いと思っています。

「細部には神が宿る」と言われるように和風建築におけるディティールは、繊細です。
特に構造材が仕上げ材を兼ねる場合には、加工の失敗は致命的となりますので細部のデザインと仕口等で組む棟梁の腕前が重要だったわけです。

現在の住宅は、木造建築でも基本的に壁を大壁にして構造材をボードやベニヤで囲ってしまいますので、大工の腕の見せ所はとても少なくなっています。又、プレカット工法と言って、工場であらかじめ仕口加工をして現場で組み立てるだけというやり方も、職人が不要となり和風建築が衰退していった原因だと思われます。


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