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建築用語集

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その他「ヨ」

■洋小屋
洋風建築のことで、外来の屋根の構造をさす。屋根を支える構造のことで、三角形を作るトラスによって屋根にかかる荷重をコントロールするところに特徴がある。柱に対して敷下駄を渡すことにより、三角形を構成していく。この上に母屋や棟木を渡し、垂木を一定にすることによって斜面を形成。このトラス構造を持っていることから、梁間を広く取ることが可能となり、柱の数も減らすことができるため、洋小屋では広い間取りを取ることができる。さらに、部材の長さも短くすることができるため、輪小屋ほどの長物の部材を必要としない。洋小屋の場合地組していくことになるため、クレーンがなければ施工していくことはできない。


■様式
一定の類型的特徴のこと。文章や芸術的なものに対して用いられることが多い。公式文書の書式に対して用いられた言葉が、芸術作品の歴史的形に対しても使われるようになっていった。時代によって区分することによって、ゴシック様式やバロック様式といった言葉が使われていった他、地域や民族によってフランス様式やドイツ様式といった使い方もされる。媒材ということでは、油彩画様式や水彩画様式といった分類も行なわれている。もっと本質的な部分で分類されることもあれば、素朴的なものといったことで分けられるようなこともあり、本質的でも主観が織り交ざりあいまいな分類になることも。そのため、正確な分類とは言えないことも出てくる。


■養生
身体の回復につとめるという意味で、ここから転じて、建築工事でコンクリート等が硬化作用を十分に発揮するよう保護することを言う。建築基準法では、コンクリートを打ち込んだあとの5日間はコンクリートの温度変化は+-2℃までとし、乾燥や振動によってコンクリートの凝結や硬化が妨げられないよう「養生」することが定められている。コンクリートの特性として、硬化初期に十分な水分を必要とし、さらに直射日光や風や震動から保護しないと性能を発揮できないため、「養生」が必要となる。塗装やメッキにおいての「養生」は、英語でマスキングとも言い、その部分に塗装やメッキが付かないようテープや布や物でかぶせたりすることを指す。


■容積率
容積率とは、建物の延べ床面積の敷地面積に対する割合のことである。 容積率の上限は都市計画によって用途地域ごとに定められており、その容積率を超えた建物を建てることはできない。例えば、容積率200%の地域においては、面積100㎡の土地に建築できる建物の延べ床面積の上限は100平方㎡×2で、200㎡ということに。ただし、敷地に接している前面道路が12m未満の場合は、その幅員によって容積率が制限される場合もある。建築基準法において、容積率は住宅地では50?500%、商業地では200?1300%と定められているが、都市計画法などに基づき、特例容積率適用地区の制度など、容積率を緩和する制度も設けられている。


■溶接
接続する部分が連続性を持つように熱や圧力、またはその両方、また必要に応じて溶加材を加えて接合する方法のこと。溶接方法は「融接」、「圧接」、「ろう接」の3種類ある。融接は、母材の溶接しようとしている部分を過熱して、母材もしくは母材と溶加材を融合させ、溶融金属を使って固めて接合する方法。「アーク溶接」と「ガス溶接」がある。圧接とは、接合部に機械的圧力を加えて行なう方法。圧接の中には「抵抗溶接」があり、その中には「スポット溶接」、「プロジェクション溶接」、「シーム溶接」といった方法が含まれる。ろう接は、母材自体は溶融せずに、母材よりも低い融点の金属の溶加材を溶融させ、毛細管現象により接合面のすきまに行き渡らせることで接合する方法。「ろう付け」とも呼ばれる。


■用途地域
市街化区域内の各エリアの特性や街作りの目的に合わせて指定される、都市計画で定められた基本的な地域区分。用途地域には、「第1種低層住居専用地域」、「第2種低層住居専用地域」、「第1種中高層住居専用地域」、「第2種中高層住居専用地域」、「第1種住居地域」、「第2種住居地域」、「準住居地域」、「近隣商業地域」、「商業地域」、「準工業地域」、「工業地域」、「工業専用地域」の12種類があり(都市計画法8条)、それぞれに建てられる建物の種類、用途、容積率、建ぺい率、規模、日影などが決められている。用途地域は、乱開発から住環境を守り、住居、商業、工業など、それぞれの地域にふさわしい発達を促すためのものであることから、その地域区分は周辺環境を知る上で参考となる。


■用途地域制度
都市計画法によって定められた制度のことで、都市部における地域を何の用途で使用するかを適正に区分し、用途別に建ぺい率や容積率、敷地面積に制限を設けたもの。用途地域には住宅系地域、商業系地域、工業系地域と大まかに分類され、それぞれに細かな設定が行なわれる。例に挙げると住宅系地域である第一種住居地域は住宅地のための地域と定められており、スーパーなどの大規模な店舗や事務所などの立地は共同住宅と同じく、建ぺい率が60%、容積率が200・300・400%と制限されている。建物の規模を制限することにより、都市部を計画的に市街化させると言う目的で定められた用途地域制度に対して、市街化を抑制すべき区域のことを「市街化調整区域」と言う。


■擁壁(ヨウヘキ)
擁壁とは、高低差のある土地の土砂が崩壊するのを防ぐため、斜面を補強した壁のこと。擁壁はひな壇形状の造成地などで良く見かけられ、その種類としては、練石積み擁壁、コンクリートブロック積み擁壁、重力式コンクリート擁壁、鉄筋コンクリート擁壁などがある。擁壁は、土圧とその土の上に載る荷重、地震力、地盤の支持力、擁壁の自重などを条件として、部材及び擁壁全体の転倒やすべり出しに対する安定性を求めて設計される。中でも擁壁の強度を保つためには、水はけが重要。土地は含水量が多くなると軟弱化するとともに、擁壁に対して圧力を増して崩壊の原因となるからである。そのため、高さ2m以上の擁壁では、3㎡に1カ所の割合で水抜きを設置することが義務づけられている。


■窯変タイル(ヨウヘンタイル)
タイルのひとつで、うわ薬が溶けるときの変化が現れている物のこと。表面に様々な変化が現れることで、様々な風合いを作り出す。炎の性質やうわ薬に含まれている有機物質によって様々な色を作り出していく。予期しない変化も作り出していくことができるが、窯変タイルは作為的に変化が出るように作られている。窯変のことを火変わりと呼ばれているが、色彩を深い物にしていくことができ、模様となってタイルに変化を付けることが可能。均一に生産されたタイルに比較してみると、一面を一色で納めていくのではなく、様々な色合いを付けられることで、配置をランダムにすることで豊かな表現につながる。


■横繁障子(ヨコシゲショウジ)
横組み障子の変形で、組子を細かく入れた障子のこと。関東でよく使われている。横の桟が細かくなっている特徴を持っているが、縦の桟が細かい障子は縦繁障子と呼ばれ、関西で多く見られる。ガラスや板と組み合わせて使うこともあり、開閉することができるようになっている物も。障子の性質として、採光することを考えると、横繁障子は荒繁障子よりも桟が細かい分だけ外の風景を細かいグリッドで見せることができる。桟の組み方では、旧態依然とした障子ではなく、現代的なデザインにマッチさせて作り上げていくことも可能だ。モダンスタイルということを考えても、組子の色を変えたりすることでマッチさせられる。


■横すべり出し窓
窓枠の左右にある溝に沿って外に滑り出させることができる窓のこと。窓のガラス面を外に引き出す特徴から、庇のように使うことができる、風雨が吹き込んでしまうようなことを防ぐとともに、通風を確保することができるようになる。アルミやスチールだけではなく、もっと軽量にできる樹脂や木材もある。ロック機構を複数付けることが容易であり、気密性を高めることが可能だ。庇にすることができることから、通風させるために開けやすく、換気用の窓として考えた場合に利用価値が高くなる。構造的に1枚の窓で構成されることになってくるため、採光用の窓としては決して大きな物とはならないため、組み合わせて使うことが重要と言える。


■葦簀(ヨシズ)
葦を編んで作られたすだれのこと。すだれと同様に使われる物で、日光を遮断することができるが、風は通すことができる。日本のブラインドのひとつ。室内で使うブラインドに比べると、効果が高く、多くの家庭でも使われ続けている。夏に使うことが中心となってくるが、北海道などでは冬の冷気を防ぐために使われることもある。日差しを遮断するだけではなく、視線も遮ることができることから、窓だけではなく玄関先によしずを使っても効果は高い。温泉の露天ぶろなどでもしきりに床われることがあるが、熱までは遮断することはできない。起源は定かになっていないが、江戸時代には衝立として利用されていたことが分かっている。


■寄棟屋根(ヨセムネヤネ)
屋根形状の一種で、4方向に傾斜する4つの屋根面で構成された屋根のこと。横から見ると、長い方は台形、短いほうは三角形に見える。棟が寄せられることから、寄棟屋根と呼ばれる。落ち着いた印象の屋根形状で、和風建築、洋風建築いずれにも馴染むデザインなので、日本では切妻屋根と並び、広く普及。4方向に傾斜をもつため雨の流れが良く、風雨に強いことが特徴。また、積雪後の始末も良く、豪雪地帯でも多く用いられている。寄棟屋根はどちらの方向から見ても美しい形の屋根だが、切妻屋根のように妻側の壁がないため小屋裏換気口を設けにくく、天井の換気には配慮が必要となる。


■鎧戸(ヨロイド)
木製ドアのひとつで、框戸と縦框の間に羽板を仕込んだ物のこと。ブラインドのように斜めに並べられており、金属製の物はガラリ戸やルーバーと呼ばれている。視線を遮断することができる扉になっているものの、斜めに張りつけられているため、通気は遮断しない。平らな羽だけではなく、山形の形状をした物も使われており、可動式と固定式がある。ドアに取り付けるだけではなく、窓の一部として使うことのできる鎧戸も存在。視線を通さないことからも、洗面所や浴室で使われることが多い他、クローゼットに使うことで通風もできるようになる。ドアの一部だけ取り付ける場合と、全体に取り付ける物とがあり、場所によって使い分けができる。


■42条2項道路
建築基準法で道路とみなされるもののこと。みなし道路や単純に2項道路と呼ばれることも多い。建築基準法が施工された昭和25年11月23日から現在に至るまでに作られた道路で、建物が立ち並んでいるところの幅員4m未満が相当する。道路の中心線を引いた場合、2m離すことができれば、建築することができるようになる。ただし、これにも条件があり、反対側が川や崖といった場合には、4m後退しなければいけない。42条2項道路は、当該役所で調査することができる。基準時以前からある場合には、すぐに撤去する必要はないが、改築や増築の場合には、撤去を含めて検討していかなければならない。建築基準法上認められなくても、あとから認められるケースもある。


■4分割法
木造軸組工法に関して軸組配置の基準に対して、バランスよく耐震壁が配置されているかどうかチェックすること。耐震壁自体は、バランスよく配置しなければ安全な建築物にすることができない。そのため、各階を1/4に区切ってバランスを確認するところから4分割法と名付けられている。軸組配置の1/4分割法も同じ。基準値に対してクリアしているかどうかが重要であり、充足率ということから計算することができる。クリアできていない場合には、壁量比を計算しなおし、0.5以上になるかどうかを検証しなければならない。構造計算のうえで、各階の方向の偏芯率が0.3以下であるのであれば、バランスチェックはしなくてもよい。

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