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建築用語集

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その他「ワ」

■ワーカビリティー
コンクリートの軟度を示す言葉である。型枠などにコンクリートを打ち込む際の作業の容易さを表す言葉で、スランプ試験によって測定されるのが一般的。コンクリートはやわらかい方が作業しやすく、逆に堅いと作業がしにくいが、作業性のみを考慮してやわらかくしすぎると、コンクリート硬化後にクラックが発生しやすくなる原因になってしまう。コンクリートのコンシステンシーと材料分離に対する抵抗性を合わせた性質を表していて、降伏値、塑性粘度、ダイラタンシー、内部摩擦角など多くの要素で構成されている。コンクリート自体の性質だけでなく、構造物の形状や寸法、配筋状態など構造物全体の要因や、天候や施工状況といった作業環境もワーカビリティーに影響する。


■ワーキングジョイント
ムーブメントの大きい目地のこと。このムーブメントは、温度や湿度の変化による部材の変形、地震力や風圧力による部材のたわみなどが原因だ。ワーキングジョイントでは、これらのムーブメントに対する追従性や接着性、耐久性などを考慮して目地幅や深さを決定する必要がある。また、シーリング材とし施工する場合は2面接着とする。これは、3面接着にするとムーブメントによってシーリング材に局部応力が生じて破断する恐れがあるため。ワーキングジョイントに対して、目地のムーブメントが小さいまたはムーブメントが生じないようなものをノンワーキングジョイントと呼ぶ。ノンワーキングジョイントでは逆に2面接着よりも3面接着の方が有効である。


■ワークトップ
カウンターや作業台などの天板のこと。カウンタートップとも呼ばれる。キッチンの作業台に対して使われることが多い。ステンレスや人工大理石、木材、タイルなど様々な素材が用いられる。ステンレスのワークトップは、耐熱性や耐水性、に優れる他、衛生面でも優れている一方、傷がつきやすく、大きな傷が目立つなどの欠点を持つ。人工大理石のワークトップは、傷がつきにくく手入れがしやすい。価格が低めなポリエステル系と耐熱性の高いアクリル系がある。タイルのワークトップは、安価でにおいが付きにくく、優れた耐熱性やサビ・傷に強いなどの利点がある一方で、目地が汚れやすいのがデメリット。木材は加工性に優れているが他の素材よりも手入れに手間がかかる。


■ワークトライアングル
キッチンでシンク、冷蔵庫、コンロを結ぶ作業動線のこと。この三つの機器がバランスの取れた距離で配置されていると、効率的に作業を進めることができる。一般に主要構成機器であるシンク、コンロ、冷蔵庫の3点を平面図で見た際に、全面の中心位置を頂点とする三角形のことだ。名前の通り3つを直線状に配置するのではなく、三角形状に配置した方が作業がしやすい。また、ワークトライアングルの3辺の合計が長すぎたり、3辺の長さにばらつきが大きかったりすると、人間工学の観点から作業効率が損なわれると言われている。一般に3辺の合計が3.6m〜6.6m程度になるのが望ましい。ワークトライアングルを基調としたこれら三つの機器の配置がキッチンレイアウトのポイントになる。


■ワードローブ
衣装戸棚や洋服箪笥のことで、そこから転じて使われるようになった個人の持ち衣装や、ファッションスタイルを完成させるために必要な服飾アイテムを指す場合もある。洋服箪笥としての「ワードローブ」の素材は木製、金属製など様々。デザインも、カントリー調、アンティーク調、スタイリッシュな物、シンプルな物などバリエーション豊か。一般的な「ワードローブ」には、洋服をハンガーに掛けて吊るすことのできる棒が備え付けられているが、畳んだ服を入れる棚や仕切りのあるタイプもある。また、小物類をしまうための引出しが付いている物や、収納してある衣服などをその場でチェックできるように鏡が付いた物なども販売されている。


■ワイチェア
1951年にデンマークのハンス・J・ウェグナーによってデザインされた椅子のこと。単にYチェアとも書かれる。背もたれ部分を支えている支柱がY字型であることに由来して、この名前が付けられた。背もたれとひじ掛けがつながった半円状の構造が特徴的。デザインは中国の明時代の椅子から着想を得たとされている。座面は耐久性の高いペーパーコード。デザイナーのハンス・J・ウェグナーは、Yチェアの他にも、ピーコックチェア、ラウンドチェアなど500種類以上の椅子をデザインしており、様々な展示会に出展し賞を受けた。また、その作品は様々な美術館等公共機関にコレクションされている。


■和家具
和室に用いられる家具調度品の総称のこと。近代になって入ってきた西洋家具と、日本で古くから使われてきた伝統的な家具を区分するために、使われるようになった言葉である。「和家具」は、床に座る生活を想定しており、デザインが直線的で、漆や蒔絵などの装飾が施されていることが多い。また、かつての日本の住宅には建物内に間仕切りがなく、家具がその役割を担っていたため、間仕切り用の家具や組み立て式の家具が多いことも特徴のひとつ。「和家具」の種類は多く、桐だんす、鏡台、文机、座卓、ちゃぶ台の他、几帳やついたて、蚊帳、簾、屏風などの屏障具、脇息や座布団などの座臥具、籠やつづら、こうりなどの収納具、火おけや火鉢、こたつ、あんかなどの暖房具などがある。


■和瓦
洋瓦に対して、日本の伝統的な屋根瓦の総称。普通は粘土を主原料とする和形粘土瓦のことを指し、これは重厚感もあり耐久性にも優れている。また、産地によって製法や形状、色などに特徴があり、愛知の三州瓦、兵庫の淡路瓦、島根の石州瓦などが有名。日本瓦、和形瓦とも言う。熨斗瓦、素丸瓦、桟瓦、袖瓦、巴瓦、丸瓦、平瓦、万十軒瓦、万十掛瓦などがある。もっとも代表的で一般住宅によく使われるのは釉薬瓦といぶし瓦。建築基準法では瓦の種類によって最低勾配が定められているが、和瓦は4/10以上と傾斜角度がきつい。そのため、雨漏り等はしにくくなるが、施工費用が高くなる。ただし、耐久年数は100年以上と言われるほど高く、和瓦自体のメンテナンスは不要である。


■枠組壁工法
規格木材でつくられた枠組みと壁・床・屋根などの構造用合板を打ち付けて、建物全体の荷重を箱のような構造で支える工法のこと。2つの要素から成り立っていて、ひとつは基礎を含めたスケルトンとよばれる構造躯体(くたい)と、もうひとつは設備や仕上げ、間仕切り壁などのインフィルと呼ばれる要素。枠組壁工法は、枠組みに用いられる製材が、厚さ2インチ、幅4インチであることが多いことから、一般にツーバイフォー(2×4)工法の名称で知られているが、2インチ×6インチの木材を用いるツーバイシックス(2×6)工法も、この工法に含まれる。枠組壁工法は、柱のない広い空間を確保でき、耐久性や耐震性、断熱性、気密性にも優れることが特徴。一方で開口部を広げることや、増築・改築をすることが難しい等の制約もある。


■ワクセンデハウス
家族が増加していくのに合わせて増築するようになっている家。wachsenは「成長する」を意味する。


■和小屋
日本の伝統的な小屋組みのこと。小屋梁の上に小屋束を立て、その上に母屋を渡して屋根からの荷重を支える。広い空間を作るのには適さないが、間仕切りが多く梁間が小さい物に用いられる。施工が簡便なため、増改築をするのも容易。日本では書院造以来、草葺き屋根よりも和小屋の小屋組みを多用してきた。和小屋に対して、洋小屋も存在する。洋小屋はヨーロッパに多い小屋組みで、各部材が三角形のトラスを組んでいるのが特徴。木造の洋小屋ではキングポスト・トラス、クイーンポスト・トラスが多く用いられるが、その他にもハウトラスやフィンクトラスなど様々な構造がある。洋小屋は和小屋よりも大きな空間を取ることができる。


■渡りあご
木造の仕口のひとつ。ひとつの木をもう一本の木に垂直に載せる日本古来の仕口方法で、双方の木に溝をほって、そこを互いにはめ込んでいく。上になる男木の一部を切欠いて、下になる女木の角を欠く。これによって、上になる部材の荷重はすべて下の部材に伝えることができ、下になる部材も断面欠損が最小で済むため、高い強度を維持することができる。ただし、下から加わる力には弱いため、釘打ちによって補助しておく必要がある。渡りあごは、二階根太や梁の仕口に用いられることが多い。類似の仕口に渡り欠きがある。これは、男木だけを切欠いて、女木を大入れにする。女木の強度は変化しないが、男木の断面欠損が大きいと繊維が大きく切れて強度が落ちるため渡りあごを用いた方が良い。


■笑い目地
目地部分にモルタルなどが詰まっておらず、隙間があいた状態の目地を言う。レンガ壁などに見られ、表面は開いているが、少し奥では開きの幅が狭くなっており、笑った口に似ていることからそう呼ばれるようになった。目地は石と石をなじませるのを目的としており、荷重を石から石へと順に伝える役割を持つ。目地によって外見も変わってくるので、見栄えも重要だ。笑い目地は外側が開いているが、力を順に伝えるためには合端合わせが重要となり、少し奥で合端合わせが行なわれる。他にも破れ目地、芋目地などの種類があり、笑い目地とは反対に、目地を極力目立たせないようにした物を、眠り目地と呼ぶ。


■藁すさ
土壁のひび割れ防止のために入れる藁のこと。すさとは、土壁の下塗りや中塗りの土に混ぜてひび割れを防ぐために入れる藁くずや糸くず、紙くずのことで、藁を入れる物のことを特に藁すさと呼ぶ。藁を入れることで補強だけでなく、保水の働きもある。また、乾燥後の収縮ひび割れを分散させる効果も。藁を切った物をそのまま入れる荒すさと、藁を揉んで入れる揉みすさがある。大抵は米俵やむしろなどを切解いて作られていたが、稲穂から直接作られる場合も。米俵などが一般的でなくなってからは、それ専用の工場で作られるようになった。塗る壁によって長さや藁の種類を使い分けている。用いるすさの量を決めることをすさ按配と言う。


■藁葺き屋根
藁を屋根に葺いた物のこと。藁とは、稲や小麦などイネ科の植物の茎のみを乾燥させた物である。藁葺き屋根では、竹又は垂木の上に縄や針金などを使って藁を葺く。厚さ15〜60cm程度都市、軒先は特に厚く伏杉皮の類で棟を覆い、竹又は板でおさえて仕上げる。藁葺きと類似の手法に茅葺きがある。これは、茅と呼ばれるススキやチガヤなどを材料にして葺く屋根だ。藁葺きや茅葺きは耐火性に乏しく、隣家からのもらい火によって火事になる例が多かったため、次第にすたれていった。また、これらの屋根の家は、屋内で火を燃やしていないと虫が救ったりして耐久性が低下する。藁葺きと茅葺きを比較すると、茅葺きの方が耐久性が高い。


■割付図
施工図の一種。施工図とは、設計図に基づき、実際に仕事ができるように細部を図示した工事用図面のことである。タイルや石、仕上げボード、サイディング、床目地などの位置を正確に決めることを割付と言う。これを図面に表したのが割付図だ。割付では、それぞれの物が意匠的に美しく配置されるように位置を決める。レイアウトと呼ばれる場合も。タイルが半端に余らないように貼り付け面を目地で調節して割付することは特にタイル割りと呼ぶ。コンクリート打ちっぱなしのデザインにする場合には、木コンの位置も割付して割付図に示さなければならない。割付図以外の施工図には原寸図、工作図、プレカット図などがある。


■ワンルームマンション
各戸が一部屋だけの集合住宅のこと。さらに具体的には、専有面積が20c㎡程度で、洋室とユニットバス、小さなキッチンがコンパクトに設置してある場合が多い。単身者用の住宅の他、小さな事務所などに使われる。ワンルームマンションというのは和製英語。ワンルーム型と対照的なのが、ファミリー型のマンションである。ファミリー型マンションでは専有部分がDKやLDKになっており、この個室のダイニングキッチン、リビングルームなどで構成。ワンルームマンションの建設、管理に関する近隣紛争や住民とのトラブルを防止するために、各自治体でワンルーム住宅指導要綱・条例が制定される場合が増えている。

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