建築用語集
■スライドレール
引出しを限界まで引き出せるようにするための金物のこと。側面に取り付ける物が一般的で、スムーズに限界まで引き出せるようにしながらも、落下しない仕組みだ。自動で締まるような物もある。引出しの他にも、机の天板を引き出せるようにすることで、使わないときは収納してスペースを作ることができる。PC用のデスクだけではなく、ネットカフェのように限られたスペース内で、多目的な用途を持たせるときには、有利な構造だ。側面に取り付けスライドさせる一般的なタイプは、左右ペアになっている。他にも底面に取り付ける物も。三段式の物などがあるが、プラスチックで滑るように作られた物や、ベアリングを利用して伸縮させるような物も使われている。
■スラット
ブラインドに使われている部品で薄い板のこと。スラットを回転させることによって、光を取り入れ、風が入るようにできる。角度によっては、視線を遮りながらも、風を通せるため、ブラインドの主要部材と言える。様々な物が使われるが、トタンやプラスチックなどが一般的。幅広いスラットを縦に並べて使っている物は、バーチカルブラインドなどと呼ぶ。使い方次第で日光による熱を入れずに、換気ができるようになるため省エネにも貢献。逆に冬場には室内の熱の流出を防ぐために閉めることで、暖房の効率を高めることができるようになる。飛行機に使われている翼と一体になった張り出し部分もスラットと呼ばれる。
■スラブ
床の荷重を支える構造床のこと。構造的には「スラブ」の厚さが150mm程度あれば強度を確保できる。しかし、特にマンションの場合、下階への騒音などの問題があるため、床スラブの厚さは、構造耐力で決めるよりも、マンションの騒音対策として床スラブの厚さを決めることが多い。コンクリートで造られている床は「コンクリートスラブ」とも呼ばれ、床として用いられる場合は「床スラブ」とも言う。床には鉄筋が碁盤目状に並べて配筋されており、鉄筋コンクリートの床スラブの場合、梁といっしょに造られる。「スラブ」は、柱や基礎などと同じく、建築物の耐久性や強度などに直接影響するために、継手位置や定着状態、かぶり厚さなどについて、コンクリート打設の前に検査される。
■スリーブ
鉄筋コンクリートで造られた壁、床、梁、基礎の部分に給排水管や各種設備配管の貫通孔を確保するため、先に埋め込んでおく筒状の管のこと。様々な配管や配線を通すために作った、ひとまわり大きい管であるさや管を意味する。
■スリット
細い隙間のこと。通風目的や光を取り入れることを目的に設けられることが多い。意匠的な観点で用いることもあるが、耐震的な構造を取るために入れられる物のことを耐震スリットと呼ぶ。このスリットは、地震によって建物が揺れた際の力を逃がし、一部に集中的にかかってしまうことを防ぐ。柱と梁、壁というブロックごとに考えて、切り離すようにしてしまう。スリット部分には、鉄筋を連続させずにパッキンなど緩衝材を挟む。補助的な鉄筋を入れて構造的に完全に分離しないようにもできる。コンクリートは連続しなくなるため、薄いが染みると漏水の危険性になりやすく、有機物を挟むことで、耐火構造的には弱点になることも出てくる。
■スレート
粘板岩の薄板でできた屋根を葺くための石材を言う。しかし、スレートを屋根ふきにも使ったことから、現在では屋根材や板材などを指すことも多い。建築材の場合は、天然スレートの場合、粘板岩か層状の頁(けつ)岩の薄板で、粘板岩の物は青黒色で、頁岩の物は灰黒色となっている。しかし粘板岩は量が少なくコストが高いため、近年は石綿(アスベスト)にセメントを混入して作られる「石綿スレート」、または「無石線の人工スレート」が使用されているのが一般的。平板と波板があり、サイズも大板、小板など様々。着色も自由に行なうことができ、断熱効果、強靭な素材を加えた物など種類も豊富である。
■スロープ
傾斜した道路、あるいは通路のことで、斜路・傾斜路とも言う。自動車用などの他、人が通行するところにおいて、階段での昇り降りが適さない場所に設けられる。スロープの勾配は8分の1を超えてはならず、その表面は滑りにくい素材で仕上げることが義務付けられている。バリアフリー化の進行により、人や自転車、車椅子を利用する人などが通りやすいように、階段に代わって設計された通路を総称して「スロープ」と呼ぶのが一般的である。広場や駅前など、新たに整備される公共のエリアにおいては、概ね「スロープ」を設置。また、障害者や高齢者が利用しやすい建物建築を促進するハートビル法においても、不特定多数の人が利用する公共施設やビルにおいての「スロープ」の設置を義務付けている。
■スロップシンク
バルコニーやユーティリティエリアなどに設置される大きな流しのこと。底が深いのが特長。間取図では「SK」と表記される。「スロップシンク」は、キッチンのシンクや洗面化粧台を使うことがためらわれる、泥のついた野菜、スニーカー、雑巾、換気扇の羽根などを洗ったり、掃除で使った汚水を流したりするのに便利。屋外やバルコニーに設置して植木の水やりや掃除などにも利用するケースがある。なお、マンションなどでは、階下への漏水や誤って放水されることを防ぐため、「スロップシンク」を設置していないケースもある。
■スワンチェア
アルネ・ヤコブセンによってデザインされた椅子のこと。1959年に発表された。水鳥に似ている形状を持っていることから名付けられた。硬質発泡ウレタンで作られており、当時の技術から考えると革新的であった。結果として、北欧を代表する椅子になっていく。スワンチェアは、エッグチェアとともに発表された物で、布や革が張られ、回転式アルミ脚が付けられているというのも、革新的なデザインと言える。現在では、デンマークのフリッツ・ハンセン社が正規代理店となり製造販売しているため、日本国内でも購入は可能だ。座り心地は包まれるような感覚であり、様々なカラーを選ぶことができる華やかさも持っている。
■厨子(ズシ)
全面が両開き戸になっている戸棚のこと。仏像や仏舎利、経典、位牌といった物を安置するための仏具の一種であることから、広義でとらえると仏壇も厨子ということに。様々な種類の物があり、漆塗りや唐木が一般的素材となるが、プラスチック製の物もある。観音開きとなるが、手で開くだけではなく、現在の技術を使って電動で開くような物まで出てきた。日蓮正宗では葬儀のときに祭壇に置かれる。小さくまとめることができるため、仏壇として利用が見直されるようになった。上に棚が1段足された物は、二階厨子と呼ばれる。もともとは、平安時代に厨房に置かれていた棚で、食物を置くために使われていた。有名な物として、法隆寺の玉虫厨子などがある。
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