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建築用語集

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その他「セ」

■青海波模様
日本の伝統模様の紋様で、波を表した幾何学模様のこと。三重の半円を連続させた幾何学模様であり、交互にいくつも重ねてでき上がっている。青海波模様の発祥は古代ペルシャと言われており、シルクロードによって日本にもたらされた。これが飛鳥時代であったことから、平安時代に作成された源氏物語の中に雅楽として登場し、光源氏が舞うシーンが出てくる。衣装が青海波模様になっているが、これが名前の由来ではないかと考えられている。普及しするまでは、江戸時代まで待たなければならないが、連続で続くことから吉祥紋として使われてきた。無限に続くということの他、人々の平和な暮らしという意味もいわれのひとつとしてある。


■制震構造
地震や風などによって、建物に対して加わる振動を吸収する性能を備えた建築構造のこと。「制震構造」には、大きく分けて振り子のような慣性の力によって振動を吸収する仕組みのものと、揺れに対して外から力を加えることで振動を押さえる仕組みのもの、緩衝装置により建物の部材の変形を押さえる仕組みのものがある。繰り返し地震が発生しても建物に対するダメージが少ないことが「制震構造」の特徴で、余震による建物の倒壊を防ぐことにもつながる。また、建物内部の揺れを軽減する効果もあるため、家具の転倒による被害も最小限にとどめることが可能。


■性能規定仕様規定
建築基準法で構成されている2つの規制のこと。仕様規定は、仕様について具体的に記載する。性能規定とは、具体的な仕様が規定されているわけではない。仕様規定の内容が守られたとするならば、どのような性能が発揮されるのか。仕様規定は、材料や工法に関しても規定を行なうが、これが建物に要求される性能を規定すると考えると、仕様規定の目指すことが見えてくる。性能規定ということが要件定義として具体的でしっかりとしていれば、仕様規定は確実なものに。国際標準との整合性の確保なども進められており、設計や施工の自由度の増加によって、新技術の採用も促進させてきていると言える。


■セカンドハウス
別荘や別宅など、普段生活している住宅とは、また別の環境にある住宅のこと。主として使われている住宅に対して使われるのがセカンドハウスになる。余暇を楽しんだり休養を取るために利用されたりすることが多く、住宅としては小さい物になりやすい。地価が安価なところでは、逆に大きなセカンドハウスになることもある。普段とは別に、週末だけセカンドハウスで暮らすといったマルチハビテーションといったことも言われるようになった。これは、セカンドハウスが別荘としての機能よりも、仕事と生活ということが切り離されるようになったことが大きい。週休2日制になったことにより、都心部で暮らすよりも快適な生活を目指すことができる。


■積載荷重
建築物の床に加わる人や家具などの荷重のことで、時間的・空間的に変動する可能性のある鉛直方向の重さのこと。住宅設備機器や家具、家電製品と言った「物品荷重」と、建築物内で暮らす人間の重さ「人間荷重」の2種類に分けることができる。建築物を設計する際、用途により床に載る物を予測して、床の面積に対して積載重量を決める。そして、その荷重が床に作用するとき、柱や大梁に作用するとき、台風や地震のときに対して積載荷重の大きさを区別し決定。建物の用途や設計する部位によって値が異なる。建築基準法施行令第85条により定められており、建築物の実況に応じて計算するが、定められた部位それぞれの数値に床面積を乗じて計算できるようになっている。


■セクショナルキッチン
部材を並列に配置して作り上げるキッチンのこと。それぞれが製品化されており、ばらばらの状態ではあるが、現場で並べてキッチンを構成していく。従来型のキッチンセットのスタイルで、システムキッチンと対比して使われることが多い。システムキッチンは、和製英語ではあるが、セクショナルキッチンは異なる。システムキッチンは、本来ビルトインキッチンということになる。それぞれが分離しているため、必要な設備を投入することができ、メーカーも統一しなくてもおさまりが取れるのであれば問題はない。シンクやガス台も好きな物を選ぶことができるため、デザインにも幅が広がるが、色などがまとまらないことも出てくる。


■施工図
設計図書に基づき実際の工事ができるようにその細部を図示した物。各部造作などの主要部分の収まりを図示した現寸図、各種建具などの工作方法及び、現場取付け要点を図示した工作図、石、タイルなどの割付図、コンクリート型枠図などがある。大規模な工事では、職種別に施工の段取り、組み合わせ、詳細な仕様などを書き込んだ工事目的別の図面を作り直すが、このように施工者サイドで設計図を書き直した図面が、施工図だ。総合的な視点から作成される建物設計図は、図面にはどの職人がどの部分を施工するのかの区別が書き込まれず、実際に物を作る職人にとっては読みにくい場合が多いため、施工図が作成される。


■施工床面積
施工するすべての床面積のこと。床面積と呼んだ場合、いろいろな意味を持つ。そのひとつとして、延べ床面積が建築基準法に決められているが、これはもっとも狭い面積であり、ここに含まれない物もすべて含んでいるのが、施工床面積だ。バルコニーや小屋根裏といった、生活空間ではないスペースも含まれてくるため、延べ床面積より必ず増える。表題登記でも使われることがあるが、この床面積には不動産登記法がかかわってくる。そのため、施工床面積とは、また異なる数字になる場合も。これは、施工床面積自体が、施工する企業が決めることになるためで、どこまで含めるかは決められていないことが理由だ。足場を設置する場合には、このスペースも含まれることがある。


■セットバック
マンションなどの構造が、下階よりも上階が後ろに下がっている(後退)状態のこと。これにより、周囲の住民の日照権を確保する。日照だけでなく、通気性の確保のためになされる構造のことも指す。こうした建造物の外壁のようなセットバックの他に、建造物を後退させることによって道路の広さを確保することもセットバックと表される。この場合は「敷地境界線のセットバック」と言い分けることができる。本来の意味では、日照権を確保するための建物の構造について指す。多くの場合、不動産取引の中で単に「セットバック」と言われる場合は、境界線のセットバックを指していることが多く、土地購入や住宅の建設の際にはどちらの意味かを明確にしておくことが大切である。


■接道義務
「建物の敷地は幅員4m以上の道路に2m以上接しなければならない」という建築基準法第43条1項に定められた規則。「幅員4m以上」の部分は、特定行政庁が指定した区域内では「幅員6m以上」になる。旗ざお地については通路幅2m以上を確保した上で、不整形の敷地でも接道部分は2m以上必要とされている。また「幅員4m以上の道路」は、私道・公道を問わない。しかし、建築基準法第42条で道路として認められる必要がある。例えば、道路法による道路、都市計画法などにより造られた道路、既存道路、都市計画法などにより2年以内に造られる予定の道路、特定行政庁から位置の指定を受けて造られる道路、そして敷地のセットバックにより将来4mの幅員を確保することが決まっている、法が適用されたときすでにあった幅員4m未満の道路などだ。


■セミオープンキッチン
リビングダイニングという連続した空間を維持しつつ、一部だけを家具などで仕切る方法のこと。空間的にはリビングダイニングをそのまま使い、垂れ幕を使ったり、大型家具を置いたりすることで遮ることができる。これにより、キッチンが丸見えになることはなくなり、それでいて人がいないという雰囲気にもならない。対面式キッチンを当初からレイアウトしておくことで、会話もできるようになる。オープンキッチンほどは、音やにおいが流れることもない。自由度が高い代わりに、電気などもともとの設備は自由に動かすことができないデメリットがある。通風に関しても遮ってしまうことにより問題が出てくるため、工夫しておかなければいけない。


■センターコア
台所、トイレ、洗面所、浴室など水を用いる部分を住宅の中心部に配置することにより、配管や防水工事を効率よく行なえるようにした構造のこと。これらを中心に据えることにより構造的にも強くなる。また、そのようなパブリックスペースと、プライベートスペースとを分離して、独立性を高めることができるという利点もある。ビルや集合住宅の、給排水、エレベーター、空調などの設備部分を一カ所に集中させることもセンターコアと言う。メンテナンスや躯体(くたい)などの構造面などの機能性を合理的することができる。また、マンションにおいて玄関を住戸の中心に置いてその両側に居室を配置した間取りのことを指す。


■センターテーブル
リビングや居間の真ん中に置く、背が低めのテーブルのことを言い、主にソファや座椅子とセットで使われることが多い。リビングで使うことからリビングテーブル、床に座ってそのまま使うことから座卓、低いことからローテーブルなどの名称も同義で使われることがある。高さは30〜50cm程度の物が主流である。天板の形状は正方形、長方形、楕円と様々で、材質も木製、ガラス製、スチール製など種類が豊富で、部屋の雰囲気やセットで使うソファと合わせてコーディネイトすると良い。


■せん断補強筋
地震などの力によって働いてしまう、せん断力に対抗するために入れられる鉄筋のこと。部材が切断されてしまうようなことを避けることができる。せん断補強筋の場合、剪断のように漢字を当てることは少ない。柱や梁には曲げに耐えられるように主筋を入れる。この主筋に対して、せん断力に耐えられるように、せん断補強筋を巻き付けて束ねていく。柱の主筋に対して水平に使われる物は、帯筋やフープ筋といった呼び名がある。梁の場合には、垂直に取り付けていくことになるが、これらはアバラ筋やスターラップと呼ばれ区別されている。名称は異なってくるが、どれも同じせん断補強筋であり、目的は変わらない。せん断補強筋は、主筋よりも細い鉄筋が使われることがほとんどである。


■センチュリーハウジングシステム
CHSと呼ばれるが、国土交通省のプロジェクトのこと。居住空間を長期的に快適なものとするため、間取りに関しても変化させやすく、点検などで住宅部品の取り換えをしやすくしている。こうした考え方の下で、長期的に快適な環境を維持できることを推進する、旧建設省時代に住機能高度化推進プロジェクトの一環として進められた。財団法人ベータリビングが認定事業者として昭和63年にスタートしている。柔軟性を持った設計をすることを推進しており、耐久性が高い住宅ということで、認定証も交付された。センチュリーハウジングシステムの考え方は、住宅金融支援機構の高規格住宅に対していかされている。


■セントラルクリーナー
建物に備え付けられた集中掃除設備のことである。掃除機本体は基本的には室外に据え付けられ、建物の壁内や床下に吸引用配管を設置し、各部屋の壁面や床面にあるホース取り付け口に掃除機ホースを取り付けて掃除する仕組みである。吸引したゴミや排気は、配管を通って外に送り出されるため、排気によるゴミやホコリの再飛散を防げる。本体は外に固定されているため、掃除の際は掃除する部屋にホースを持っていくだけと手軽で、室内では掃除の際にも音がほとんどしないといったメリットがある。吸引したゴミは、外の本体内の紙パックに集められる。しかし、施工時に配管の手間とコストがかかることに加え、家庭用掃除機の機能が向上し、音や排気についてもほとんど問題にならなくなったことから、「セントラルクリーナー」の需要はあまりなくなっている。


■専用住宅
居住のみを目的として建てられた住宅のこと。比較される用語として、「併用住宅」と「共同住宅」がある。「併用住宅」は、店舗・診療所などの事業用部分が居住用部分と結合している住宅で、「共同住宅」は、ひとつの建物で1世帯の生活単位となる戸室が2つ以上あり、各戸室または建物に付属して各世帯が炊事を行なう設備がある物のこと。ひと口に「専用住宅」と言っても、その形は社会の変化に応じて流行があり、平屋住宅や2階建て住宅、和風住宅や洋風住宅など様々な種類がある。また、在宅介護ができるように二世帯住宅や三世帯住宅、そしてバリアフリー住宅などの「専用住宅」もある。


■絶対高さ制限
景観や住環境を守るために建築物の高さの上限を定める規制のことを言う。建築基準法55条であるこの規制により、第1種低層住居専用地域及び第2種低層住居専用地域では、建築物の高さは10mまたは12mのうちどちらかの、当該地域に関する都市計画において定められた高さの限度を超えることはできない。ただし、その敷地の周囲に広い公園、広い道路などの空地を有する建築物であって、低層住宅にかかわる良好な住居の環境を害する恐れがないと認めて特定行政庁が許可したもの、学校などの建築物であってその用途によってやむを得ないと認めて特定行政庁が許可したものには、この絶対高さ制限の規定は適用されない。


■膳板(ゼンイタ)
窓枠の下板に取り付けられた部材のこと。腰壁の見切りとなる。室内側の下部に取り付けられる板であり、額縁にならって広い板を取り付ける。主体となるサッシが存在するが、このサッシの厚みが膳板の厚みということ。室内側にしか取り付ける意味はない。木製建具の場合には、サッシを受け止めるように付けられるため、外部にも見える。窓台としても使われることが多いため、数は少ないものの板を使わずに大理石などで代用することも出てくる。


■前面道路
敷地に接している道路のこと。住宅を建てる敷地は少なくともひとつの前面道路に接していることが法律上求められている。道路の幅員は4m以上、接する敷地の幅員は2m以上を必要。足らない場合は、敷地面積に対する建物の面積や道路斜線による建物の高さ制限などが付く場合がある。例えば、幅員が4mに満たない場合道路中心線から2mの位置まで敷地交代をしなければならない。また、幅員が4m以上あっても、自治体の認定幅員と実際の幅員とが異なる場合もあるため、確認することが必要となる。敷地が2つ以上の道路に面している場合は、幅員が広い方の道路を前面道路として扱うことができる。

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