建築用語集
■差尺
椅子の座面からテーブルの天板上端までの距離を指す。垂直距離のことであり、テーブルや椅子を選ぶときの高さや大きさの基準となってくる。適正な差尺は個人差があるものの、座高を1/3にした物に2〜3cm引くと適切な高さが出る。様々な人が利用することを前提とする場合、30〜33cmを目安とすることで適正な高さになるが、これは靴などの履物を使用していることを前提としているためだ。履物を使用しない場合には、27〜30cm程度を目安とする。
■SUS(サス)
「Steel Use Stainless」の略称で、ステンレスのこと。正しくは「エス・ユー・エス」と読むが、通常は「サス」と呼ぶ。JISでSUSの略号が使用されている。鉄を主成分とし(50%以上)、クロムを10.5%以上含んでいる合金鋼で、他には「ステンレス鋼」「ステンレススチール」「ステン」「不銹鋼」とも言う。
■三角窓
換気を目的として、切妻の棟木部分に取り付ける三角形の窓を言う。屋根の形に沿った物となり、デザイン性の高い窓になっている。しかし、細工ができず、開閉の機能のない窓も多い。また、屋根に合わせて作るため、高い位置にあることが多く、窓ふきや掃除がしにくいという難点も。
■サンクンガーデン
一般の道路よりも低い位置に作られる庭園のこと。半地下の広場もサンクンガーデンと呼ばれる。西洋庭園の方式のひとつであり、沈床庭園と訳す。床面を掘り下げていくが、底面だけではなく斜面にも植栽して修飾していく。都市開発に使われていたが、開放的な空間になることから、個人宅を含め多くの場所で用いられるようになった。半地下にすることによって、景観を立体的にできるだけではなく、地下室に光を取り入れることから、個人宅でも有効な手法となる。
■サービスルーム
住宅の居室にはある一定基準以上の採光に必要な窓、その他の開口部の設置が定められている。そのような採光基準などを満たしていない居室以外の部屋で、通常は納戸として建築確認を受けているものをサービスルームと称している場合がある。多目的ルーム、スペアルーム、フリールームなどと表現されることも多くある。
■散水栓
外部で散水するために取り付けられている水道栓のこと。ホースが取り付けやすいように加工してある。地中に埋めておくタイプでは、ボックス付きと呼ばれる地面から上に設置する物が一般的。コンクリート柱を使った立水栓も散水栓として使われることがある。ボックス付きにした場合、ホースを外すと水があふれてしまうことが多い。そのため、清潔に使うためにも排水口を設けることが重要になってくる。
■サンディング
やすりをかけることによって、表面を滑らかにする作業のこと。木材、金属、プラスチックなどの表面が対象で、様々な素材を対象としている。フローリングに行なうときには、サンディング用のドラムサンダーマシーンを利用して行っていく。これによって、古い塗膜を削ることができるようになり、下地の面が出せ、新品同様の状態にすることが目的となる。リフォーム作業として重要であり、この後、プライマーを塗布したのちに、塗装しなおすことできれいに仕上がった保護膜を作り上げていく。スキーの板やサーフボードの滑走面の処理を行なうときにもサンディングし、幅広く使われている方法と言える。
■サンルーム
天井や壁をガラス張りにし、外から遮断された空間でありながら、太陽光を十分に採り入れることのできる部屋のこと。欧米では、住宅を建てる際に設計段階から「サンルーム」を含めて計画することが多い。日本でも集合住宅でサンルーム付きの部屋がある物は、あらかじめ設計されて建てられるが、戸建住宅の場合は、あとから増築の形で「サンルーム」を増築するケースが多い。いずれの場合も、建築基準法に基づき、居室の条件を満たした物が「サンルーム」と呼ばれている。「サンルーム」では天候にかかわらず洗濯物を干したり、子供を遊ばせたりできるのがメリット。サンルーム付きの賃貸アパートもあり、日中仕事で家を空けることの多い世帯に人気がある。
■座板
木製の椅子やベンチなどの腰掛けの、尻を乗せる部分の板材のこと。「床板」の意味で使われることもある。一方、同義語としても使用される「座面」は、腰掛ける面の材質を確認するのに用いられる場合が多い。
■座敷
日本建築の畳敷きの接客用に使われる部屋のこと。平安時代末期に、畳を敷くようになったが、板敷の上に座具としての畳を敷いて座るにとどまっており、それも客用として使われる物で、日常的に使う物ではなかった。これが発展し、近世始めには居間などにも現代のように畳が敷き詰められて使われるようになっていく。このことから、来客に対応できるための部屋を座敷と呼び、客間のことを指す。
■座敷飾り
書院造作りの主室に設けられる唐物を飾るための物のこと。室町時代に室内空間が快適な環境になってくるとともに、中国からわたってきた唐物と呼ばれる美術工芸品を収集することが流行していく。収集を進めるとともに、飾り付ける場所が必要となり、作られるようになったのが座敷飾りである。三具足を置くための押板から始まり、棚やつけ書院を設けることで、座敷飾りというかたちができあがっていった。床が作られるようになってからは、座敷飾りは床の上に移るようになり、客を迎え入れる様式となっていく。これが書院造の成立とともに、座敷飾りも伴って変化していき、日常的な生活様式として取り入れられるようになっていった。
■座卓
床や畳などに座って使うことができる高さの低い机のこと。読書や文書作成、食事の際に利用することが多い。似たような家具にローテーブルと呼ばれるものがあるが、座卓との違いは和室用と洋室用であることや、ローテーブルでは食事での利用はされないという点。ただ、座卓に使われる原料は、杉や桐、欅といったさまざまな種類があり、原料やデザインによって和洋どちらでも使用可能とされている。
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