ARCHITECTURAL TERM

建築用語集

HOME 建築用語集> その他「ノ」

その他「ノ」

■農地転用
そもそも農業用地である土地を農地以外の目的に転用すること。農地を農業以外の目的に使用するにはその土地の権利者であっても勝手に行なうことは禁じられている。農地転用をする場合は農地法という法律により、市区町村の農業委員会に申請し、さらに都道府県の許可を得る必要がある。その土地が市街化調整区域に入っている、または隣接していれば認可されやすい。実際は農地ではない土地で農業を行なっており、それがしっかり根付いている場合は農地でなくとも許可を得なければならないというケースもあり、必ず農業委員会の審査が必要だ。すでに農業を行なっていない農地で駐車場を営みたいような場合に行なわれる。


■軒
外壁より外側に出ている屋根の部分のこと。雨風や日光をよける働きがある。軒の先端部分のことを軒先と言う。また、軒を下から見上げて見える部分のことを軒裏や軒天井と呼ぶ。軒部分を支えるために外壁の上部に回される横架材を軒桁と言う。また、外壁よりも室内側のことは桁内と言われる。軒が外壁よりでている部分のことを軒の出と言い、軒の出1メートルまでは建築面積に含まれない。しかし、1メートル以上の部分については建築面積に算入される。軒には外壁の保護、日差しの調節、雨よけといった機能がある。木造住宅では、外壁が雨に濡れたり日差しに当たったりを繰り返すと木材の傷みが激しくなり耐久性が落ちることから、軒を付けなければならない。


■軒裏換気
小屋裏にこもった熱気や湿気を排出するための換気システムの一種。軒裏換気は、換気口を二カ所以上設ける必要がある。その換気口の大きさは、小屋裏の天井面の大きさと比べ、250分の1以上の大きさだ。棟換気と併用する場合には、換気口をこれより小さくしても良い。軒裏換気や棟換気といった小屋裏換気システムは、小屋裏内の温度や湿度の上昇を抑え、それによって木材の腐食等を軽減する効果がある。小屋裏は室内とは完全に別の空間であり、夏場になると60〜70度まで温度が上昇し、夜になるとそれが冷えて結露が発生。これにより天井にシミができたり耐久性が落ちたりと、重大な被害につながる。このため、小屋裏換気システムは非常に重要だ。


■軒瓦
軒先に葺かれる瓦のこと。水切れが良いように垂れが付いている。軒先瓦や唐草瓦とも言う。装飾模様がついている物もある。軒瓦の種類としては、万十軒瓦、一文字軒瓦が一般的。その他、特殊な物として木瓜剣唐草、垂剣唐草、花剣唐草などがある。万十軒瓦は、先についている小さな丸が饅頭に似ていることからこの名前になり、万十という字が当てられた。先に丸のついている物がほとんどであり、これがついていない物は極めて少なくなっている。丸が付いておらず平面になっている物は石持軒瓦と言われ、模様等の入った物は京華軒瓦と言う。また、一文字軒瓦は、垂れの下端が一直線になるようにした軒瓦のことである。


■軒桁(ノキケタ)
屋根の軒部分を支えるためにかけられる横架材のこと。建物の長手方向に配置され、垂木を受けて屋根を支える役割を果たす。軒桁は屋根の荷重のみを支えるため、それほど大きな部材にはならない。地面から軒桁までの高さのことを軒高と言う。入側や独立柱に支えられた庇などに使われる軒桁には化粧丸太が使われる丸桁が用いられることもある。軒を深く出す場合には、垂木だけでは軒先を支えることができないため、軒を桔木で吊る。この桔木を支える桁のことは土居桁と言う。桁の上に束を立てて、土居桁を回すのが一般的な手法だ。土居桁を用いることによって、軒の出を長くすることができる。土居桁は軒桁よりも上にあって小屋裏に隠れるため、完成後は見えない。


■軒天(ノキテン)
屋根の外壁より出ている部分である軒先の天井部分のこと。屋根の真下部分の壁にあたる。「軒天井」「軒裏天井」「上げ裏」とも言う。準耐火構造の建物や準防火地域に建てる木造建築で延焼の起こる恐れがある部分は、材料や構造などにおいて制限を受けることもある。軒店も屋根や外壁と同じく、外部にあるので雨風や紫外線にさらされているため劣化する。そのため、防カビ、防藻、防水機能のある通気性の備わった塗料が塗られることが多い。軒天に雨のしみのようなものがある場合、屋根から雨水が入り込んで下地材まで傷んでいる可能性がある。その場合は雨水により軒天の腐食で家の寿命を縮めることになるため、修繕が必要となる。


■のし瓦
屋根の棟や冠瓦の下に積まれる平瓦のこと。単にのしと呼ばれることもある。のし瓦は緩くカーブした形をしていて、真ん中に縦筋が入っており、この縦筋に沿って簡単に割れるようになっている。通常は割って使う場合が多く、この場合を特に割のしと言う。また、棟が広い場合には割らずに使用し、この場合のことを完のしと呼ぶ。切妻屋根や入母屋屋根などの胸に葺かれる。棟の左右から積み上げるため、継ぎ目から雨水が入りやすい。これを防ぐため、継ぎ目に土を塗りこみながら位置をずらして複数段積み上げるのが一般的。積み上げる段数が多い小戸下地への雨水の侵入を防ぐことができる。屋根の目立つ位置であるため、意匠性を考慮して段数が決定される場合が多い。


■野地板
屋根材の下地材のこと。垂木の上に野地板を貼り、その上に防水シートを敷いてから瓦やスレートなどを葺く。野地板には、9mmから12mmの厚さの構造用合板を用いる。12mm圧の野地板では、さね加工がなされており、施工手間が軽減される。9mmの物に、はさね加工を施すことができず、施工手間がかかり、トータルの金額が高くなってしまう。外貼り断熱工法などでは、野地板をそのまま天井の仕上げにする場合もある。住宅に用いられる野地板は、耐水合板が使用される場合が多い。耐水合板を用いることで雨漏りの恐れも少なくなる。また、耐火規制をクリアした野地合板は耐火野地合板と言う。耐火野地豪案は、準防火地域または防火地域、屋根不燃区域に家を建てる場合に施工が義務付けられている。


■野丁場
街中ではない郊外の工事現場や、規模の小さい工事現場のこと。野丁場と対になる言葉として町場がある。もともとは町場職人からの蔑称として野丁場という言葉が使われた。しかし、町場仕事の顧客が少なくなり、その仕事をしてきた大工の棟梁たちがハウスメーカーの下請けになったため、現在では野丁場のほうが施工技術が高い。野丁場と町場では、職人が使う用語にも少し違いがある。建築業者が元請けとなり、下請け業者を使って生産する形態の鉄骨造、鉄筋コンクリート造などの分野を野丁場と言う。街中での工事であっても、家屋などの支障物の撤去が行なわれ、他に支障が出ないようになっている高磁場のことも野丁場と呼ばれる。


■ノックダウン家具
運送や保管に便利なように部材がバラバラになっており、現場で組み立てるタイプの家具のこと。輸送費が安くなる、大量補完できるなどのメリットがあるが、強度はあらかじめ組み立てられている物に比べると劣る。家具の他にも、部品を輸入し、現地で組み立てて販売する手法のことをノックダウン方式と言う。大型家具などで、部屋に収納する際にボックスごとに分割して運ぶことができる物があるが、こちらの場合には強度に問題はない。使用者が自分で組み立てる場合には、必要な部品や簡易工具などがセットになっている場合が多い。デメリットとしては、組み立て方法が分からず組み間違いが起こる、場合によっては様々な工具が必要となる点などである。


■野面積み
自然石をそのまま積み上げる方法のこと。城壁などによく用いられていた。積み上げる石に加工を施さないため、石の形に統一性がなく、石同士がかみ合っていない。このため、隙間やでっぱりができてしまい、敵に上られやすいという欠点もあった。しかし、ピッタリと石がかみ合っていないため、排水性に優れている他、頑丈である。戦国時代によく用いられた手法だ。野面積みに対して大きさをそろえて加工した石を積むのは間知石積みと呼ぶ。間知石積みは隙間ができにくくきれいな詰み方であるが、積む石の形のために、表面に荷重が集中し積み方を誤るとはらみと呼ばれる崩れやすい状態になる。一方、野面積みでは表面より内側に荷重がかかるため、より安定した構造になる。


■野縁(ノブチ)
打ち上げ天井において、天井板や下地材を打ちつけるための下地骨のこと。天井仕上げ工事において仕上げ材を張り付けるため下地に使用される棒状の部材である。木摺や板張りの下地骨となる細長い材で、天井野縁を指すのが普通。壁の場合は「胴縁(どうぶち)」と呼ぶ。天井野縁は、普通天井板や塗り下地の木摺を打ちつけるために使用される横木で、野縁受け、釣木受け、釣木によって、小屋梁や上の階の床に取り付けられる。通常、45cm間隔に配し、合板やボード下地の場合は同間隔の野縁格子組とされる。木造の場合は40mm角ほどの角材、軽量鉄骨天井の場合、鉄板を加工した中空断面の専用部材であるLGSが等間隔か格子状に組む。野縁を留める部材のことは「野縁受け」と呼ばれ、吊木で構造材に留め付ける。


■延べ面積
「延べ面積」とは建築物各階の床面積の合計を指す。一般に「延床面積」と呼ばれることが多いが、正式名称である。この延べ面積は確認申請手数料の算定や不動産登記等の基礎になるものだ。確認申請の必要の有無、防火上の構造、建築士による設計の必要性の有無など、延べ面積にかかわる以下の建築制限がある。1.建築物の地階(その天井が地盤面からの高さ1m以下にあるものに限る)の住宅の用途に供する部分の床面積(住宅の用途に供する床面積の合計の3分の1まで)。2.自動車車庫・自転車置場に供する部分の床面積(床面積の合計の5分の1まで)。3.共同住宅については、共同住宅の共用廊下・共用階段・エントランスの部分の床面積(限度なし)。


■登り梁
屋根組と兼用して斜めにかけられた梁のこと。登りとは、傾斜が付いた状態のことを言う。斜め天井や天井を設けない場合など、梁を見せたくない部分に用いられる。斜め天井を用いると、室内に広々とした雰囲気を持たせたり、換気をよくしたり、採光しやすくしたりすることができる。斜め天井を設ける場合には、野地板をそのまま天井の仕上げとする場合も。トラス構造の小屋組みでは、母屋を直接受ける部分が登り梁に当たる。垂木と混同されやすいが、垂木は屋根荷重だけを負担するのに対して、登り梁は地震力等も負担。登り梁は梁の一部が高くなり構造上不安定になる場合があるため、他の部分に水平部材を入れることもある。


■法地
実際に宅地として使用できない斜面部分を指す。「法面」とも言う。法地は、自然の地形によるものもあれば、傾斜地を造成する際、土砂崩れを防ぐために切土や盛土などによりあえて造られたものもある。また、敷地補強等のための擁壁設置に伴う斜面も法地だ。不動産広告において表示される宅地面積は、法地を含む平面投影面積であるが、一般的には法地面積が別途表示されることはない。ただし土地面積のおよそ30%以上が傾斜地(法地)の場合、または、傾斜地を含むことで土地利用が著しく阻害される場合は、傾斜地を含む旨とその面積を明示しなければならないことになっている。ところが、どの程度の傾斜角度を「傾斜地」とするのか、明確な基準はないため、実際に使用できる平坦部分の面積は、現場で確認することが望ましい。


■ノルマン様式
イギリスの建築様式のひとつ。11世紀から12世紀にかけて発達したロマネスク様式のひとつに分類される様式である。発祥はフランスの北西部にあるノルマンディー地方であるが、そこのノルマン人がイングランドを征服したことによって、イギリスでこの形式が発達した。ノルマン様式は教会建築等に取り入れられている。大きな石を用いた組積建築で外部の装飾が少ないのが特徴。内部の天井では半円状の柱が交差している。知名度の高い建築としてダラム大聖堂やグロスター大聖堂などが挙げられる。日本では横浜山手聖公会などがこの様式だ。ステンドグラスが採用され、明かり窓の数が多めなのも特徴のひとつである。


■ノンスリップ
「ノンスリップ」とは階段の踏板の端に付けて、歩行のときに滑らないようにするための物。踏板の摩耗防止をかねる物もある。階段、スロープなど主に屋外での使用に適した一般屋外用、浴室、プールなど主に素足での使用に適した屋内用、通行量の多い場所に重歩行用が主だ。素材としては溝を入れた金属製やタイル製のノンスリップが一般的。室内の階段では汚れが付着しにくいタイプや、簡単に取り外しができるタイプの物が多い。その他に蛍光色により、視認効果の高い蛍光タイプ、人造研磨材を使用し、高いすべり止め効果を発揮する透明タイプ、視認効果が高く注意喚起、宣伝広告にも適した印刷ができるタイプなど、用途に合わせて様々な種類がある。

小さな工事から難しい条件の大きな工事まで、是非ご相談ください。ライファ立川ならすぐに駆け付けます! ご相談・現場調査・お見積り等、ご契約までは全て無料です。まずはお気軽にご相談ください。

お問合せはこちら

お電話でのお問合せ
0120-5000-25
24時間365時間受付