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建築用語集

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その他「ミ」

■見え掛かり
建築物の仕上げ面において、部材が重なっても下にならず、表面に現れて、目に見える部分のこと。正面のことを示す「見付き(みつき)」とほとんど同じ意味になるが、見付きは正面的に全部見えるのに対し、見え掛かりのほうが見られ方の意識が薄い。見えるのだが、斜めからだったり、下からだったりすることが多い。仕上げにあたっては意匠面での配慮が必要な個所となる。反対に、見え掛かりよりも見え方が少ない場合は、「見え隠れ(みえがくれ)」と言う。例として、一枚めくらないと見えない場合や建具を動かすと見える場合などで、見える場合と同じ程度の仕上げが必要。ちなみに見付きの反対は「見返し(みかえし)」と言われる。


■御影石
建築物などの石材として使われる花崗岩のこと。かつて兵庫県神戸市御影で多く産出したことから、御影石と呼ばれるようになった。御影石は、地下のマグマが地殻内の地下深部で徐々に冷えて固まった物で、鉱物の石英、長石、黒雲母を主成分とした天然岩石だ。硬くて耐久性、耐水性、耐薬品性に優れており、磨くことによって強い光沢が出るため、建物の内外装の化粧材として、壁や床、エクステリアなどに多く利用されている。天然石のため色や模様は様々で、白御影、黒御影、桃色御影などの種類がある。また表面仕上げには、砥石で磨き上げる本磨きや水磨き、ノミで平らに仕上げるノミ切り、表面の結晶に凸凹を付けるジェットバーナーなど、方法も様々。高温・高熱で割れやひびが発生することがある。


■見切材
床や壁などに使われている仕上げ材が切り替わる部分に使う化粧材のこと。仕上げの終わった部分だけではなく、取合いにも使うことで効果を上げることができる。使う場所によって名前が付けられており、床の場合には床見切材と呼び、壁の場合には壁見切材と呼ぶ。仕上がりに段差が出てしまった場合なども、見切材があればある程度は吸収し解消することができる。壁では仕上げ材を変えたりするときにも設けられる。壁と天井の取合いにも使うことによって、明確に違いを出すことができるだけではなく、まとまりを持たせることも可能だ。廻縁や見切縁といった部材を使うことになるが、これも見切材のひとつとして考えることができる。


■ミキシングバルブ
水と湯を混ぜて吐水することができるようになっている蛇口のこと。混合水栓のことをミキシングバルブと呼ぶ。本来はばらばらの蛇口を持つが、水と湯のある2バルブとして蛇口をひとつにすることもできる。この方法の場合には、どちらかを制限することができる代わりに、人間の手で適量に調節しなければならない。これを1本のレバー制御で行なうことができるのが、シングルレバー式だ。温度の調節を設定してあれば自動で行えるようにすることもできるが、そのためには装置を組み込んであるサーモスタット式にする必要がある。一回設定しておけば、いつでも同じように温度を調節することなく使うことができる利便性も特徴と言える。


■御簾(ミス)
神殿や宮殿といったところで使われるすだれのこと。竹ひごを編んで作られている。葦で作られた物はよしずと呼ぶ。緑の布を使いふちどりした物を御簾と呼ぶが、みすではなく、ぎょれんとよむ読むこともできる。大名や公家といった人々が、境界として使っていく。声は通るが、姿は見ることができないということで、接見の場などでも使われてきた。清少納言の句にも出てくることから、百人一首の時代には御簾が使われていることが分かる。神社で使われている物は、赤い糸で編み上げていくところに特徴があり、本殿は外に掛けることになるが、それ以外の場所では内側に掛ける。巻き上げるときには、内巻きにすると定められているため、外巻きにすることはない。


■水切り
雨水が下端に回らないようにするための物のこと。壁の中に回ったりすることのないように、下に落ちるように施工する。金物を使うことが多く、板金工事のひとつとなっていく。水上に使うような笠木は、水切りにはならない。取り付ける場所によっても変わってくるため、水切りに使われる金物は、断面形状が異なる。ただし、あまりに小さい物になってしまうと効果を発揮することができないため、立ち上がりの長さが10cm以上は必要だ。水切りをも蹴るということは、単に水の流れを作ることだけではなく、壁面の汚れを防止することとともに、室内への水の浸入ということも防止する。木造の場合には、土台に侵入しないためにも設けられる。


■水勾配
水を流し去る目的で、水平よりわずかに傾斜させた勾配のこと。普通、床は水平になっている必要があるが、雨水のかかるベランダなどの床や、水洗いを必要とする床面には傾斜させた「水勾配」が施される。コンクリートの地面やテラスなどの排水管は、必ず「水勾配」が必要になる。水勾配がなければ水たまりが発生しやすくなり、カビやコケが発生する原因に。勾配は、「2%(2/100)から、3%前後(3/100)」(1mで2〜3cm下がる)とするのが一般的。ただし、駐車場など広い面積では、水たまりができてしまう恐れがあるので、中央もしくは両端に溝を付けて、溝に向けて水勾配をとるほうが良い。溝にはグレーチングなどで蓋をする。


■水腰障子
障子の中でも、下部に板を張らない障子のこと。腰とは、下部に取り付けられている腰板のことを指す。水腰障子の場合には、下部に取り付けられているため、腰付き障子とも呼ばれる。この腰がついているのには、足がぶつかってしまっても障子紙を破いたりすることを防ぐ。もともと、外との境界として使われていた時代では、雨が当たってしまって破けたりすることも防ぐことができた。30cm程度の幅が一般的だが、70cmもある物も作られている。中には腰板に彩色したり絵を入れたりする物も。天然の木材の木目を生かして作られた物もある。もっと単純に、塩ビシートを使ってラッピングするという方法も取られるようになり、華やかな物が多くなっている。


■水盛り遣り方・水盛遣方
「水盛り遣り方(みずもり/やりかた)」とは、工事を着手する前に、 建物の正確な位置を出す作業のこと。別名称を「丁張り(ちょうはり)」とも言う。作業の手順として、基準となる地面の高さを決め、 約1.8m間隔に水杭(ミズグイ)を立てる。次に、水平ライン(基礎の上端の高さ)を記し、水貫(ミズヌキ)でつなぎ、水杭と水貫が動かないように筋交い貫(すじかいぬき)を斜めに打ち付けて固定。さらに水貫と水貫の間に水糸を張って、基礎(建物)の中心線を記すものである。水盛り遣り方は、現在ではレーザーによる位置出し器を使って直角や水平を出すのが一般的。昔は辺長さが、3m、4m、5mの直角三角形を作り、直角を出していた。


■水屋(ミズヤ)
「水屋」とは茶室に付属して設ける、茶席の用意を調える場所のこと。「水遣」「水舎」「水谷」とも書く。2畳から4.5畳くらいまでの部屋で、流し、棚、物入れなどが備えられている。また「勝手」とも呼ばれ、台所を指すこともある。水屋は、茶室の大きさ、茶道口や給仕口の位置や露地との関係や、流儀や好みにより、様式や配置など必ずしも一定ではない。一般的な水屋は、間口は台目幅の四尺五寸、奥行は一尺七八寸から二尺、高さは鴨居下の五尺五六寸程度である。水屋は茶室が成立しておらず、また「点茶する場所」と「喫茶する場所」とが分離していた会所、書院茶においては、必要な道具を配列しておく「茶湯棚(ちゃのゆだな)」が用いられていた。


■未線引区域
都市計画区域内を市街化区域と市街化調整区域に分けることを「線引き」と言い、この線引きがされていない区域のことを指す。都市計画区域は原則として線引きが行なわれることになっていたが、2000年の都市計画法の改正によって、線引きをするかどうかは都道府県の選択に委ねられた。そのため、必ずしも線引きがなされるとは限らなくなり、現在では未線引きという言葉の代わりに、非線引きという言葉が使われている。非線引き都市計画区域の開発許可基準は市街化区域と同じ。非線引き都市計画区域のうち、用途地域の指定のない区域においては、「特定用途制限地域」を定めて、地域の環境を悪くする恐れのある特定の建築物の建設を制限できるようになっている。なお、ここで判断の基準となるのは、建築物そのもの種類ではなく、その用途である。


■溝形鋼
鉄骨構造として利用されている鋼材の中でも、断面がカタカナのコの字に見える鋼材のことで、Cちゃんとも呼ばれている。曲げに対する断面係数が大きくなるという特徴を持っていることから、梁のような構造部材として利用。フランジにはテーパーが付けられているというのが、構造的には一般的なみぞ形鋼となる。背中合わせにすることで、柱としても使うことができるが、この場合にはテーパーの突いていない物が用いられている。建築の他、船舶や機械などでも使われることがあるほど利用価値は高い。溝形鋼の問題としては、形状的な問題として荷重がかかる部分を計算しておかなければ、偏芯してしまう可能性が出てくる。


■見付け
正面から眺めたときの前面のことで、建築部材、造園、工芸品などにおいて使われる。または正面から見た幅の寸法のこと。「見付け部分」とも言う。見付けの奥行で見える部分は「見込み(みこみ)」である。また、同義語として、「見え掛かり(みえがかり)」があるが、見付きは正面的に全部見えるのに対して、見え掛かりは見えるのが、斜めからだったり、下からだったりする。見付きの反対は「見返し(みかえし)」と言い、正面から見たときの裏側、もしくはよく見える方の反対側のことだ。無垢の柱を用材する場合、大面に節や陽疾(アテ)のない、もっとも良い面を用材するが、柱の見付きは大面(柱のもっとよく見える面)と言う。


■南下がり
丘陵地帯を造成するとひな壇の住宅地ができあがる。このとき南斜面か北斜面かによって住み心地は大きく変わる。北斜面であれば日当たりが悪くなる可能性もあるが、南斜面ならば日当たりが良い。頂上から南に向かって下がっていくひな壇であれば、日当たり、眺望の良さはさらに増す。このように南にいくほど下がる形の住宅地を南下がりと言う。各区画の日当たりや眺望のよさだけでなく、風が通りやすく、空気がよどまない。また、そして、段差のおかげで、窓から隣の家の中が見えにくく、プライバシーが保たれる、敷地の段差を生かし、堀込み車庫を設置できるなどの長所が多い。そのため、分譲価格も高めの物件が多くなる。


■見本帖
壁材や床材の小片を本の形にしてまとめたサンプル集のこと。印刷のカタログとは違い、本物の一部なので、カタログでは分からない微妙な違いや素材感などを、直接見たり触ったりして確かめられるのがメリットだ。ビニールクロスなどのように種類が豊富で、サンプルのひとつひとつのサイズが小さくなり、イメージがつかみにくいときは、大きめの物を集めた見本帖もある。インテリアから仕上げ材、塗料用まで、様々な種類があり、どの空間にどのような素材が使われているかが分かりやすい。そのため「明るく開放的にしたい」「どっしりと重厚感をもたせたい」「シンプルに落ち着いて見せたい」など、理想の住宅のイメージに近づけることが可能である。


■宮付き
ベッドの頭の部分にあるボードに物を置いたりすることができるようになっているタイプを言う。棚や扉がついた物、引出しになっている物などがある。実際に和家具などでは、枕元にこうした家具を置いたことからベッドにも発想が用いられ作られるようになった。そのため、海外では宮付きはほとんど見ることがない。宮付きと一口に言っても様々なかたちが存在している。単に棚として使えるような物だけではなく、中には雑誌を指したりすることができるブックシェルフになっている物も。通常のベッドだけではなく、2段ベッドでも宮付きは存在し、小さな物から様々な物を収納しつつ使っていくことができるようになっている。


■ミュールコート
骨材を表しにした仕上げ材のこと。小さな石粒を樹脂のベースに塗り込んでいったような塗装であり、独特の仕上げ感を作り出すことができる。旭化成の商品であり、アクリル酸エステルに対して砕石を練り混ぜ塗布すると、アクリルが透明になって仕上がるため、砂利の存在感を前面に出して仕上げることが可能。砂利の色調もいろいろと用意されており、独特の風合いを出せるラインナップが存在する。室内に使っていくものではなく、屋外の屏や門柱、階段のけり込みなどに多く使用されている。耐久性も強く、洗浄しても耐久性が落ちない。耐アルカリ性も持っていることから、構造躯体(くたい)を保護することもできる塗装となっている。


■ミラーマット
鏡を取り付けるときに使われる両面テープのこと。発泡ポリエチレンでできたシートになっており、厚みは3mm程度。粘着剤を両面に塗布しておくことによって、接着力を高めてあるため、簡単に貼りつけることができるようになっている。ただし、貼りつける物によっては、接着力が維持できないことも出てくるため、専用の接着剤が必要になることも。鏡を貼るためではなく、梱包材として使うミラーマットは緩衝性や断熱性をもち、耐油性、柔軟性があるうえに軽量なため、荷物の重量を増やすこともない。見ためにも高級感を保つことができるようになっているため、ギフト梱包にも適している。ダンボールの中に入れるときも荷物を保全できる。


■ミルシート
品質検査証明書のこと。鉄筋や鋼材、セメントなどの品質証明に使われる。様々な性質や化学組成が記載されており、納入時に発注者に発行。ロットごとに検査された値が記載されており、規格値に対して実績値がどれだけだったのかを知ることができるようになっている。実際に同じ規格で作られたとしても、製品は常に同じ性能を示すわけではない。これは、同一の工場で生産されたとしても同じであり、気温などの細かな条件によっても性質は左右されてしまう。そこで、生産された物がどういった状態なのかを検査し、規格をクリアしているかどうかを知る必要が出てくる。それを発注者が知ることができる物がミルシートとなる。


■民家
庶民の住む家のこと。貴族や武士といった階級層に対して一般庶民の住宅という意味を持つ。武家などに対して使われることもあり、このときには農家ということを意味する。今はあまり使われることがない言葉であり、古い時代に建てられた農家や町屋といった物が民家と呼ばれることが増えた。江戸時代といった物だけではなく、明治や大正時代などに建築されたような、日本の伝統的な様式を持った住宅も民家と呼ぶことが多い。開放的な外観を持ち、茅葺屋根などの特徴がある。内装的には、複雑な間取りを持つのではなく、簡単に作られており、玄関には土間が作られるなど出入りが容易になっている。各地で特色があり、気候などの条件に合わせ工夫されていった。


■民芸家具
実用性が重視され、民衆によって生活に合わせて作られた家具のこと。芸術家や有名な職人の作ではなく、無名の職人によって作られた物をさし、これを販売して名前を高めようという意図はまったくない家具である。需要に合わせて生産されていくことになるため、数も多く作られる傾向があり、日常的に使うことができるため、単価としても抑えられている。その土地ごとに特色が存在し、暮らしを便利にしたりするために民芸家具は作られた。伝統的にも残されている物が多く、ひとりで作り上げていくよりも、熟練者によって共同で仕上げられていくことが多い。そのため、技術や知識の蓄積によって成立している部分が強く、独創的な家具もある。

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