ARCHITECTURAL TERM

建築用語集

HOME 建築用語集> その他「カ」

その他「カ」

■カラン
給水栓、水洗、蛇口などのことで、水や湯を供給し、止水する器具の総称。「カラン」には様々な種類があり、「シングルレバー混合水栓」はレバーハンドルがひとつで、これを左右に動かすことで水の温度を調整し、上下に動かすことで水の量や供給・止水をコントロールする。水圧によっては上下動作時にウォーターハンマーを起こす可能性があるため、ウォーターハンマー防止機能付きのシングルレバー混合水栓を選ぶのが望ましい。「サーモスタット付き混合水栓」は、温度調整機能付きの混合水栓のことで、温度を調整できるレバーが付いている。吐水圧力が十分に確保できない場合もあり、特にサーモ部の圧力損失が大きく、水源の水圧が低い場合は注意が必要。他にも、「洗濯機用水栓」「定量止水栓」などの種類がある。


■仮囲い
工事期間中、工事現場の周辺に設ける囲いのこと。作業場、加工場、置き場などの区画を明らかにすることで、関係者以外の立ち入りを禁じたり、盗難を防止したりするのが目的だ。また、区画外への資材や粉塵などの飛散防止の役割もある。工事現場では騒音が発生することから、それが外部に伝わるのを防ぐために、高さ2メートル以上の防護板を設けるのが一般的。材料としては鋼製版、波鉄板、合板の他、有刺鉄線などが用いられる場合もある。市街地に設置される場合には、機能の他に美観や通行人に対する安全性も考慮しなければならない。大規模な街の工事などでは、囲いの板に絵やその地域の歴史などが印刷される場合もある。


■枯山水
水を使わず、白砂や石、コケなどで水の流れや滝などを表す庭造りの手法である。白砂や小石を敷いて水面に見立てることが多い。抽象的な表現の庭が室町時代の禅宗寺院で特に発達した。京都の竜安寺や大徳寺の大仙院などの石庭が枯山水としてよく知られている。また、従来の庭園でも技法として一部に用いられ、寝殿造庭園でも枯山水の部分を含んだり、大名屋敷に作られた回遊式庭園に含まれていたりもした。もともとは唐山水からできた言葉である。仮山水、故山水、乾泉水、涸山水などとも呼ぶ。砂庭を基本とする枯山水が有名であるが、太山寺の安養院庭園のように、砂を用いず石組みだけで風景を表現する、枯池式と呼ばれる枯山水も存在している。


■瓦葺き
瓦を使用した屋根の葺き方を言い、本瓦葺きと桟瓦葺きの2種類がある。本瓦葺きは古くから社寺建築に用いられており、平瓦と丸瓦を交互に組み合わせて並べていく。重厚感はあるが、屋根の重量が重くなるのが欠点。桟瓦葺きは平瓦と丸瓦を一体化させた波型の桟瓦を使用した葺き方で、本瓦葺きの問題点である重量の重さを軽減できる葺き方である。さらに、桟瓦葺きからまた瓦の形を変形させた引掛け桟瓦葺きが明治初期に考案され、建物の屋根瓦の葺き方としては一般的。他にも瓦の形状には、S瓦、スペイン瓦、フランス瓦、波型瓦、平形瓦等多くの種類がある。瓦を葺く工法は、瓦を銅線や釘で留める乾式工法が主流となっている。


■瓦棒葺き
屋根の流れに沿って瓦棒を取り付け、金属板を葺いた屋根のこと。瓦棒とは、細長い角材で、接合部の雨仕舞いのために用いられる。瓦棒を役450ミリの間隔で取り付け、その間に亜鉛鉄板などを張り、瓦棒の上からも亜鉛鉄板をかぶせた葺き方を瓦棒葺きと言う。勾配の緩やかな屋根も葺くことができる。風の舞い上げにも強く、雨水の漏れる心配がもっと少ない工法。角材を入れない芯なしでの工法も存在し、長さが3メートル以上あれば曲面の屋根も葺くことができる。金属板だけで葺くため断熱性能に劣ることから、下地に断熱材を葺くことが不可欠である。


■簡易耐火建築物
建築基準法で定められている準耐火性能と同じ水準に適合した建築物のこと。主要構造部が準耐火構造と同等の性能であり、延焼の恐れのある開口部は防火戸とすることなどが定められている。具体的には、壁、床、柱、屋根といった主要な構造部を一定の耐火性を持つ「耐火構造」とすること、またはこれらの主要な構造部をコンクリート、れんが、瓦等の「不燃材料」とすることが必要。また、「簡易耐火建築物」は「準耐火建築物」に分類されており、「準耐火建築物」とは、耐火建築物以外の建築物のことで、主要部分が準耐火構造となっている物である。「簡易耐火建築物」は、法令上では独立に定義された用語ではないが、通称として使用されることが多い。


■乾式工法
コンクリートなど、水を必要とする材料を使わずに建築物を施工する方法のこと。仕上げ材や下地材で水を使わず、養生期間を必要としない施工方法である。乾燥待ちの必要がないので、気候に左右されることがなく、工期を短縮できるのがメリットだ。外壁工事の中では、「サイディング張り」「ALCパネル張り」「引掛け工法のタイル張り」などが乾式工法に当たる。内壁の中では、「化粧合板仕上げ」「ビニールクロス仕上げ」などが乾式工法の一種。反対に、水を必要とする材料を使って建築物を施工する方法を「湿式工法」と言う。湿式工法には、「聚楽壁」「モルタル」「タイル」「珪藻土」「圧着貼り」「団子貼り」などが含まれる。


■乾燥材
天然あるいは人工的に所定の含水率まで乾燥させた木材のこと。建築に使用する木材は、水分が多すぎると反りや曲がりなど、変形の原因になることがあるため、あらかじめ乾燥させた、含水率の低い木材を用いる。釜などに入れて人工乾燥させた乾燥材は、Kiln Dry Woodの略でKD材と呼ばれ、天然乾燥させたものはAir Driedの頭文字からAD材と呼ばれる。逆に乾燥の処理を行なっていない木材はグリーン材と呼ぶ。人工乾燥では木材の内部まで均質に乾燥させることができるため、寸法精度が良くなる一方、脂分が抜けてつやが失われる。自然乾燥では、つやは出るが半年以上かかり、曲がりや割れが起きやすい。


■換地
土地区画整理事業によって行なわれる土地所有権の変更のこと。土地区画整理事業では、公園や道路などの公共施設の整備だけでなく、住民らの所有地も、それまでの条件を考慮しつつ、より利用しやすいものとなるように土地の再配置が行なわれる。この土地区画整理事業施工前の土地に対して、新たに交付される土地が「換地」である。「換地」は、従前の土地とその位置、地積、水利、利用状況、環境等が照応するよう定められる。この際、住民らが保有していた従前の土地の所有権や借地権、永小作権といった権利はそのまま承継。これらの権利は、土地区画整理事業が完了した時点で換地処分により「換地」に移転され、換地処分の公告の翌日から「換地」が従前の土地とみなされる。


■カンティレバーチェア
4本脚ではなく、片方だけで座面を支える仕組みの椅子のことで、「片持ち式」とも呼ばれる。省スペースに貢献でき、オフィスの打ち合わせスペースやダイニングのチェアとして利用される。建築家のマルト・スタムが発表したスチール製のパイプ椅子が「カンティレバーチェア」の代表例として有名。すっきりとしたデザインのため、洗練されたイメージを演出できる。座ったときに座面に張られたシートが重みで沈み込み、空中に座っているかのような浮遊感があることから「雲の上の座り心地」と表現される。骨組みの素材はクロムメッキを施したスチールパイプ、座面・背面は皮革製、布地の物が主流だが、クッション材にウレタンを使い、背面から座面をシート張りにした物も存在。


■関東間
主に関東地方で古くから用いられてきた、家屋を建てる際に用いられる基準尺度のことで、田舎間とも言う。日本の家屋建築の際、設計の基準となる柱の中心から柱の中心までの長さを1間(いっけん)と呼ぶが、「関東間」ではこの1間を6尺(約181.2cm)とする。柱の中心からの長さなので、柱の太さによって、畳の大きさが変わる。この1間の尺度は、「関東間」の他にも地域によって様々な考え方があり、「関東間」と対比して良く引き合いに出されるのが、関西を中心に使用されている京間というものである。京間の場合の1間は、柱から柱までの長さが6尺5寸(約197cm)で、その長さに柱は含まないので、畳サイズは一定。「関東間」は京間よりも狭い。


■カントリースタイル
不揃いな木目をそのまま生かすなど、無垢材を使用した簡素で丈夫な家具が特徴。欧米庶民生活から生まれた、農家風の素朴なインテリアスタイルである。カントリースタイルは地方によって様々。代表的なものは、ブリティッシュカントリースタイル、フレンチカントリースタイルなど。ブリティッシュカントリースタイルでは、家具にオーク材やパイン材を用い、素朴でシンプルな木の家具や石造りの家などが特徴で、イギリスの田舎暮らしスタイルを模している。一方フレンチカントリースタイルは、無垢材の床張りに漆喰塗の壁、明るい色身のファブリックなどが特徴のプロヴァンス地方のスタイルだ。


■観音開き
中央から左右対称に開く両開きの戸を指す。さらに2つ折りになる物もある。言葉の由来は、観音菩薩像を納めた厨子の造りと同じであること。扉の場合は、左右の戸枠に付けられた蝶番を軸として、中央からそれぞれ逆方向に回転して開閉するつくりとなっている。片開きの戸と比べると幅の広い開口になるため、店舗など人の出入りが激しい場所や、大型荷物の運搬が必要な場所で良く使われる。ちなみに、扉の役割を果たすガラス窓に「観音開き」を用いた物のことを「フランス窓」、「フランス扉」、「フレンチウィンドウ」、「フレンチドア」と呼び、バルコニーやテラスへの出入り口に用いられることが多い。


■冠瓦(カンムリカワラ)
棟瓦の一種で、棟の最上部に載せられ、雨仕舞いをする瓦のこと。別雁振瓦とも呼ばれる。棟瓦そのものを冠瓦と呼ぶ場合もあるが、棟瓦のうちの比較的平たい物を衾瓦、伏間瓦と呼び、丸形や山形になった背の高い物を特に冠瓦と区別して呼ぶ場合が多い。棟瓦の連なる部分は桟と呼ばれ、冠瓦の形状から、丸桟冠瓦、角桟冠瓦と呼び分ける。通常は丸い形状をしているが、三角形や角形の物もあり、それらは特に三角冠瓦、箱冠瓦とそれぞれ呼ぶ。冠瓦は江戸で多く使われ、関西でよく使われる京伏間に対して、江戸伏間、江戸冠などと呼ばれる。また、片流屋根専用の左右非対称な形状をした冠瓦なども商品化した。


■監理技術者(カンリギジュツシャ)
元請負の特定建設業者が当該工事を実施するために締結した場合に、下請け契約の請負代金総額が4000万円以上のときに、当該工事現場に専任で配置される、施工の技術上の監理をつかさどる技術者のこと。公共工事、民間工事を問わず、個人住宅を除くほとんどの工事で、現場ごとに専任で監理技術者を配置しなければならない。監理技術者の職務は、施工計画の作成、工程管理、品質管理、その他技術上の官営及び工事に従事する者の指導監督だ。特に、下請負人を適切に指導、監督するという総合的な役割を担うことから、主任技術者よりも厳しい資格や経験が求められる。監理技術者の資格は、指定建設業では一級国家資格等が必要である他、指定建設業以外の22業種では、一定の実務経験を積めば取得可能だ。


■外構
塀や植栽、玄関アプローチなどの構造物全体を表しており、門・車庫・カーポート・外灯・土間・アプローチ・柵・垣根の他、庭木・物置までを含む。「外構」のことを「インテリア」と言うのに対して「エクステリア」と表現することもある。


■かぶり厚
コンクリートの内部に埋められた鉄筋や配水管の表面から、コンクリートの表面までの距離をさす。鉄筋を覆っているコンクリートの厚さとも言える。鉄筋コンクリートには十分な厚さが必要だ。それは、鉄筋コンクリートがそのアルカリ性によって鉄筋が錆(さ)びるのを防いでいるからである。また、コンクリートがひび割れなどにより水分が入り込んだり、中性化したりすることで錆びるため、十分な厚さを確保しないと設計通りの強度を得ることができない。


■ガラリ戸
框戸の一種で、遮光や通風などのためにガラリを取り付けた戸のこと。ガラリとは、一定の傾斜を付けて少しずつ間を空けて平行に取り付けた幅の狭い薄板のことだ。ブラインドの桟を固定させたような構造をしている。ガラリ戸は別名よろい戸とも呼ばれている。視線を遮りながら通風や換気ができるのが特徴。浴室や洗面所の間仕切り戸としてよく使用されている。また、玄関や居室の開口部に、玄関ドアやガラス戸、ガラス窓などとの組み合わせで使用されることも。玄関や居室の開口部に設置する場合には、意匠性だけでなく、機能性、防犯性ともに高い物が求められる。ドア下部にガラリを設置した物をドアガラリ、ドア全体にガラリを付けた物をガラリ戸と呼び分ける。


■臥梁(ガリョウ)
レンガ造りやブロック造りなどの組積造の建物において、各階の壁体頂部を連続的に固める鉄筋コンクリートや、鉄骨製の梁のこと。構造耐力を出すために壁の上部に壁体を補強するために渡される。階の継ぎ目、屋根の下などに設けられるのが一般的。臥梁の有効幅は20センチ以上で、かつ、耐力壁の水平力に対する支点間距離の、20分の1以上とすることが建築基準法で求められている。ただし、平屋で、壁頂に鉄筋コンクリート構造のスラブがある場合には、臥梁を設ける必要がない。最近では組積造自体の数が減っていることから、臥梁を設ける構造も減ってきている。ブロック造の補強に関して、壁の真ん中に開口部を設ける際には、開口部の上にもマグサと呼ばれる補強材を入れる必要がある。

小さな工事から難しい条件の大きな工事まで、是非ご相談ください。ライファ立川ならすぐに駆け付けます! ご相談・現場調査・お見積り等、ご契約までは全て無料です。まずはお気軽にご相談ください。

お問合せはこちら

お電話でのお問合せ
0120-5000-25
24時間365時間受付