ARCHITECTURAL TERM

建築用語集

HOME 建築用語集> その他「ホ」

その他「ホ」

■方形屋根(ホウギョウヤネ)
屋根形式のひとつで、平面が正方形または八角形で、頂点がひとつの勾配屋根のこと。寄棟屋根(よせむねやね)の一種。建物の平面が正方形のときによく用いられる。鳥瞰すると正方形をした屋根の中心点から、4方向に傾斜する屋根で構成。このため、4つの屋根は横からは三角形に見える。五重塔などの寺社建築などで、よく見かけられる屋根の形状だが、洋風の建物にも多く使われている。寄棟屋根と同じように、外壁を風雨から守る効果が高まる反面、屋根裏の換気に配慮しなければならない。敷地が狭い場合などに隣地射線制限や北側斜線制限などの建築基準法に対応しやすい。その外観上、和洋どちらの建物にもマッチし、建築デザインの自由度が広がる。


■法22条地域
建築基準法の22条に定められた地域のこと。防火地域及び準防火地域以外の市街地において、火災による類焼の防止を図る目的から定められた地域だ。法22条地域では、建築物の屋根を不燃材で葺くなどの措置をとる必要がある。この場合には、屋根を不燃材用の瓦、彩色セメント系スレート板、その他の不燃材料にしなければならない。法22条地域では建築に関する制限はそれほど厳しくないが、火災に対する対策としてより厳密な規制が設けられている防火地域や準防火地域では建物の工法や階数、面積なども厳しく制限されている。特に防火地域では、すべての建築物を耐火建築物または準耐火建築物にしなければならず、小規模であっても木造の建築物を建てることはできない。


■補助照明
特定の場所を照らす正目方法や照明器具のこと。部分照明や局部照明とも呼ばれる。これに対して、部屋全体を平均的に照らす照明のことは主照明と呼ぶ。補助照明の例として挙げられるのはブラケット、スポットライト、フットライトなど。補助照明は、直接照明だけでは影になってしまう場所や光量が不足している場合に利用される。あくまで補助的な役割であることから、照明器具自体は小さくて移動が容易で、意図した部分を計画に照らすことができる物が補助照明としてふさわしい。補助照明を用いることで必要な光量を用意できるため、作業効率を上げ、目への負担も軽減させる。また、枕もとのライトなど、場合によっては補助照明のみを用いて作業することもできる。


■ホゾ
木材や石、金物などを接合する際に、一方の材にあけた穴にはめ込むために他方の材に作った突起のこと。あけた穴のことはホゾ穴とよび、この接合方法のことをホゾ継ぎと言う。ホゾは一般的に直方体状で、形状によって片胴付きホゾ、三方胴付きホゾなどがある。木造建築では柱と土台をホゾ継ぎするのが原則だ。この際、水平力がかかると、接合部はずれないが、柱の上部はぐらつくピン接合になる。柱に水平力がかかっても倒れないようにするためには、筋違を設置すればよい。これは剛接合にはならないが、柱、土台、筋違による三角形は崩壊しなくなる。ホゾ継ぎのための施行をホゾ付け、ホゾ穴彫と呼ぶが、プレカット工法が一般的になってからはどちらも行なわれなくなった。


■蛍スイッチ
暗くてもスイッチの位置を視認できるように、スイッチの一部が蛍のように光っている物のこと。廊下や階段、玄関やトイレなど、周囲が暗いときに使用することが多い場所に設置される。照明のスイッチを切るとスイッチプレートに小さな緑のランプが点灯するのが一般的。パイロットスイッチと兼用で照明の点灯中には、赤など異なる色のランプがつく物も商品化されている。パイロットスイッチは、建物外部周りの照明器具のスイッチや換気扇など、点いていることを忘れやすい部分によく用いられ、消し忘れの防止に効果的だ。ほたるスイッチという名称はパナソニック株式会社の商標であり、東芝ライテック株式会社ではオンピカ・オフピカと呼ばれるなど、様々な呼称がある。


■ホビールーム
趣味のために設けられた部屋のこと。音楽、舞踊、絵画、手芸など、趣味の内容によって内装は大きく変わる。日常生活の場とは隔てて小屋裏や地下室などに設けられる場合も。例えば音楽用のホビールームでは防音加工を施したり、ピアノを置くためにその部分の耐荷重を大きくしたりする。また、絵画や工芸に用いる場合には換気設備を設けたり専用の蛇口を設けたりすることもある。その趣味に応じて特有の対応がとられるのがホビールームだ。また、車やバイク、自転車等の乗り物を整備したりするために車庫を拡張するような形で、ホビールームが作られる場合も。乗り物等やアウトドアグッズを収納するホビールームでは、外につながるドアをシャッターにするなどして、物を出し入れしやすくするなどの工夫をする場合もある。


■洞床(ホラドコ)
床の間の様式のひとつ。床の前面の間口よりも床内部の方が広く、洞の形を取る床の間で、内部の壁や天井などを壁土で塗りまわして入り隅に木部を見せない床の間である。千利休が創案したと言われていて、草庵茶室などで用いられる形式。床板には框を設けず、踏込み板としていて、落とし掛けなどは使わない。全面の壁を塗りまわさず、内部の壁だけを塗りまわして、床柱や落とし掛けなどを使った床の間のことは室床と言う。室床や洞床にすると床の間の奥行きが分かりにくくなり、幽玄な雰囲気を持つ。洞床では、軸釘・中釘共に大平壁の幅の中心線上に取り付けられる。洞床の代表例としては仁和寺の飛濤亭や松江の管田庵などがある。


■ホルムアルデヒド
ホルムアルデヒドは、厚生労働省で規制されている揮発性有機化合物(VOC)のひとつである(化学式はHCHO)。建材や家具・接着剤等の材料に多く使用されている。建築基準法で材料に含まれるホルムアルデヒド放散量により使用制限を設けている。


■ホワイエ
劇場やホール等の入口から観客席までの広い通路のことである。暖炉や団らんを意味するフランス語からきており、主に幕間の休憩や社交の場として使われる空間になっていて、通常はロビーと同じ意味で使われることが多い。「ホワイエ」は劇場等だけで使われる言葉ではなく、大きなビルや建物においては、入口近くに設けられる広いスペースのことを指す。また住宅においては、家族がゆとりを持って行き交いラウンジのように言葉を交わせる、入口から居間や寝室等の間に設けた広い空間や広めの廊下などを指すこともある。ホテルや結婚式場においては、ゲストの待合室や休憩所といった意味合いで使われ、「ホワイエ」はゲスト同士のコミュニケーションの場となる。


■本畳
天然素材で作られた畳床を持つ畳のこと。稲わらで作られており、湿気を吸収し乾燥してきた場合には湿気を放出することができる。和室の床材として使われている物が畳であり、平安時代から使われてきた。日本文化の代表的な建材であり、現在でも和室には欠かすことができない。マンションといった洋風建築でも使われており、数多く見ることができる。畳の大きさを1畳と呼ぶが、実際に畳の寸法は一定ではなく、いくつかの種類が存在している。稲わらを糸で刺して固めていくが、この上にい草の畳表を付けることでできあがっていく。側面に断面が見えてしまうことになるが、短辺はそのまま畳表を使いつつみ、長辺は布で縁を作り包みカバーする。


■本床
本式に作られた床の間のこと。一般的に必要とされるものは備えており、簡略化されていない。床框や畳座、床柱、落しかけ、床脇といった物がすべて備わっていることから、一般的と言えるだけではなく格式も高い。この本床から様々なかたちに派生していった。和風住宅の中で、書画を掛けることができるように作られた入込であり、室町時代には押板として存在したことが分かっている。起源としては、伊勢貞丈が僧家で仏画をかけたりするために作ったと言われているが、実際には絵画鑑賞として掛け軸が使われるようになり、場所が必要になったことが起因という説が有力。柱には面取りした角材が用いられており、違い棚と付書院も備えている。


■ボールタップ
浮力を利用して自動的に開閉する水栓のこと。レバーの先端にボール状の浮き球が付いており、水面が上下することで浮き球も上下し、レバーの付け根にある弁を開閉。水位が下がって給水の必要が出てくると浮き球が下がって弁が開き、給水が始まる。水位が十分になると逆に弁が閉まり自動的に給水が停止。トイレのロータンク内や高置水槽、クーリングタワーなど各種タンクの給水栓に設けられ、自動給水に用いられる。浮き球の材質はポリエチレンの他、用途によって銅やステンレスが用いられることも。水洗トイレや高置水槽でボールタップを用いる際には、ボールタップが故障した場合に備えてオーバーフロー管を取り付け、家財が濡れる被害を防ぐ必要がある。


■ボウウインドー
張り出し窓のうち、弓形状の物のこと。緩やかなカーブを描きながら複数の窓が連結した構造。一般的に、小さなヌックを作ったり、屋内から見える景色を広げたり、部屋の中に面白いスペースを作ったりするために用いられる。また、室内の採光とのために設けられたり、外観のアクセントとして設けられることも。大きさは大小様々であり、腰窓の高さでせいぜいちょっとした飾りが置ける程度の大きさの物から、ボウウインドーの張り出した部分の中に人がくつろげるスペースを作れるほど大黄な物まである。外観の装飾のメインとして中央に大きく配置されたり、左右対称に複数個配置されたり、様々に配される。


■防音
壁など室外から伝わる騒音などを防ぐこと。防音という言葉自体は観念的なものであり、具体的な方法論を意味するものではない。実際に防音するための具体的な対策を「遮音」「吸音」などと言う。遮音は空気中で伝わってくる音を遮断して、外へ音が浸透しないようにする方法。伝わってくる音を跳ね返すことで音を遮断させる仕組みだ。遮音の素材として鉄板やコンクリート、石膏などが用いられる。吸音も遮音と同じく防音を目的とし、音を吸収することで音の反射を防ぐ方法。音が室外に浸透するのを防ぐ、あるいは音を発する室内において音の反響を抑える働きをする。吸音の素材としてグラスウール、ロックウール、ウレタンフォームなどが用いられることが多い。


■防火地域
市街地において火災が発生した場合、この火災の延焼を防止することを目的として設けられた地区のこと。都市計画法の第9条20項で「市街地における火災の危険を防除するため定める地域」 として、具体的な規制が定められている。建築物が「防火地域」と準防火地域の両方の地域にまたがって建てられている場合には、規制レベルの高い地域での規制条件を適用。例えば、「防火地域」と準防火地域の場合には「防火地域」に、準防火地域と未指定区域の場合には準防火地域の規制が適用される。「防火地域」では規制が多く、自由な建築設計が制限される印象があるが、実際には防火地域内の耐火建築物では建ぺい率の制限が緩和されているなど、より自由度の高い建築が可能となる場合もある。


■防蟻剤
防蟻処理に用いる薬品のこと。防蟻処理とは、木造住宅の土台や構造材にシロアリ等の被害を防ぐための処理を施すことを言う。防蟻剤には、シロアリが付くのを防ぐ予防剤や、ついてしまったシロアリを駆除する駆除剤、両方の性質を持つ予防駆除剤、その他に土壌処理剤などの種類がある。また、以前は神経毒性を持つ有機リン系やピレシロアリン成長や生殖を阻害する効果を持つベイト剤等によってコロニーを全滅させる方法もあった。スロイド系の殺虫剤が防蟻剤として多用されていたが、化学物質過敏症など、人体へ影響があることが判明。2003年の建築基準法の改正で、これらの中でも有機リン系のクロルピリホスの散布や含有建材の使用が禁止された。


■ボックスガーダー
箱梁とも言い、鋼板同士を組み合わせて作られた梁。鉄骨梁の断面で、鋼板や山形鋼を使ってフランジやウェブを箱形に構成する物。またはクレーンの構造部分のこと。クレーンのI ビームをアングルで補強した構造を「プレートガーダ」と言い、プレートガーダは、この断面のみである程度の水平力を支えることができるため、 補助けたなしで用いられることがある。ボックスガーダーはこのプレートガーダの水平方向に対しての強度を補強した物。箱型構造の断面のみで十分に水平力を支えることができるため、補助けたを必要としない。サビが発生しにくく塗装は容易だが、スパンが長くなるとクレーンの質量が大きくなるため、走行に大きな動力を必要とする。


■ボンエルフ
まちづくりの際に人と車が安全に共存できるように工夫した道路整備の形態のこと。ボンエルフはオランダ語で「生活の庭」と言う意味を持つ「Woonerf」に由来しており、人や車が利用する生活道路を車や自転車がわざとジグザクに進むように設計することで、自然に通行速度を緩めさせ、人が安全に歩行できるようにする。道路に張り出すように花壇やオブジェを設けたり街路樹を植えたり、道その物を蛇行させたり段差を設けるなど、方法も様々。特に大規模な戸建住宅の分譲地や大型マンションの敷地内で採用されることが多く、機能性に加え、デザイン性も考慮して設計されている。


■ボンタイル
本当のタイルではないが、建物の外壁に吹きつけると化学的に硬い層ができて美しい仕上げとなる耐水性、耐火性、耐薬品性に富む表面仕上げ材のこと。スプレーガンを用いて吹き付けするが、綺麗で一定の模様に吹き付けをするには高い技能が必要。そのため、一級塗装技能士の試験にはスプレーガンによる吹き付け技能の実技試験も行なわれる。ボンタイルは1960年代に旧西ドイツの企業が導入された物の正式名称だ。吹き付けタイルとよく同一視されるが、ボンタイルを参考に施工されていた物が吹き付けタイルと呼ばれるようになり、両方の名称が広まったとされる。現在ではタイルの名称、模様の名称の両方を指すことも多い。


■ポーチ
玄関から突き出ているスペースのこと。建物の玄関部分にあり、建物とは別に屋根(ひさし)が付いている下の部分を指して、ポーチと呼ぶ。主に戸建住宅や分譲マンションに設置されているが、なかにはマンションやアパートなどの賃貸住宅でもポーチを造り付ける物件がある。賃貸住宅において、ポーチは建物の玄関でなく、それぞれの部屋や物件の玄関前に設置されたスペースを意味し、玄関前が広くなっていたり、簡易の門扉が付けられていたりする。このような造りは戸建住宅に住んでいる感覚を演出する目的で設置され、特にファミリー層の物件に多い。なお、このポーチ部分には子ども用品や自転車を置くなどの使い方がされている。


■ポケットパーク
中高層のビル街や団地の一角に作られた小さな公園。わずかな土地を有効利用して都市環境を良くしようとするもの。


■ポストモダン
1960年代に登場した、近代主義の原理を批判し、脱近代を目指す立場や状況のこと。建築の領域から思想領域などに流入した語である。ポストモダン建築は、モダニズム建築への批判から提唱された建築様式で、画一化され合理化された建築への反動として、装飾性や過剰性、歴史性、象徴性などの回復を目指した。ポストモダンの手法として、一般大衆とのコミュニケーションを意識したポップなデザインが推奨されたため、商業主義と結びつき量産された。特に日本では1980年代の好景気やバブル経済と結びついて発展。ポストモダン建築は、単なる記号的なデザインとして低い評価がなされ、一過性の流行現象として語られることが多い。

小さな工事から難しい条件の大きな工事まで、是非ご相談ください。ライファ立川ならすぐに駆け付けます! ご相談・現場調査・お見積り等、ご契約までは全て無料です。まずはお気軽にご相談ください。

お問合せはこちら

お電話でのお問合せ
0120-5000-25
24時間365時間受付