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建築用語集

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その他「ヘ」

■塀
境界線に用いられる構造物のこと。連続した壁として作られることが多く、木材をはじめ石材やレンガ、コンクリートブロックなどで作られている。材質によって呼び名が変わることも多く、板塀や土塀、石塀などに分かれるが、本質的には屏として同じ物になってくる。形状的な区別もあり、築地塀や唐塀、透塀といった物があり、様々な物が作られてきた。これも、区画として使われるというだけではなく、目隠しといった役割を持たせることができたためと言える。壁と呼ばれることもあるが、塀と比較して外壁や内部構造として使われるという違いを持つ。垣という言葉もあるが、こちらは生垣など限定した内容に対して使われる。


■平面計画
建物全体や建物の一部の形状や各部屋の配置などを平面図上で計画すること。設計要求条件に応じ建築物の平面図を主体に計画することを意味する。具体的には建築物全体の形態を考慮し、各室の大きさと配置、窓や出入り口の大きさと位置などを決定。計画の基本また中心と言える。建物の規模や用途に合わせて、機能を十分に発揮できるよう居室や施設の相互関係、個々の居室や施設の広さや位置などを決めることだ。現代の家庭の状況や問題に合わせた部屋の配置などが考慮され計画された平面計画も見られる。平面計画を中心として、その他の立面計画、断面計画、設備計画、構造計画などを平行して進めるようになっている。


■平面図
物体を真上から見た図のこと、または建築においては各階の床面から1m程度の高さの水平断面を図面化したもの。間取図のことである。「プラン」とも呼ぶ。建物の間取りや内部構造を知るための図面だ。対象物の上面方向からの、投影図、間取り、床高、面積、壁の構造や開口部の開き勝手、建具、作りつけ家具、機器の配置などの平面寸法などを表示していて、細かな寸法が描き込まれている。平面図は設計図書の中でもっとも基本となる図面であり、他の図面の見出しや索引として使われることも多い。建物や土木構造物をある高さで水平に切ったとした切断面を真上から見下ろし、適当な縮尺で描いた図形と言える。


■併用住宅
住む以外にも、店舗や事務所など他の用途を併せ持つ住宅のことである。居住部分と業務部分が併存していて、境がはっきりとは区画されていない住宅のことだ。業務部分は、店舗、事務所、作業所、診療所、倉庫などが含まれる。また、よくある併用住宅としては、1階が店舗や作業場、2階が居住部分となっており、階段で昇降するもの、また表が店舗で奥に居住部分がある併用住宅も存在。一部に賃貸ペースを作って他人に貸すという併用住宅もある。居住部分と業務部分とが一体であるため、居住者の居住と仕事が一体的に行なわれるので、仕事と家事の両立や家内労働力の利用、就業時間や通勤時間にとらわれない業務時間の設定が可能だ。


■壁装材
壁紙のこと。主に建物の壁や天井などの仕上げ材として下地基材の表面に貼りつけることができ、複数の種類がある。ビニル壁紙、紙壁紙、織物壁紙、無機質壁紙などだ。壁紙の品質規定は、ドイツのRAL(ラル)マーク基準、ISM(イズム)規定、エコマーク、国内壁紙メーカーを主としたSV協議会の壁紙安全自主規格であるSV規格といった種類がある。また、元々は壁紙と同じ意味で使われていたが、近年ではインテリアへの関心が高まり、壁紙だけでなく、レンガ、タイル、プラスチック、石、金属板、木質材料、ガラス加工品など様々な種類の物が使われるようになったため、より講義な意味を含む言葉として壁装材という言葉が使用されるようになった。


■壁面後退
隣地境界線や道路境界線から外壁面を後退させること。ある一定距離を下げる。建物間で一定の空間を確保することができるため、風通しを確保することができるだけではなく、日照にも大きく影響。防火ということを考えても、後退させることによって性能を確保できる。構造物を後退させるということで、セットバックと呼ばれることも。これは、建築基準法に規定されている方法であり、様々な条件下で行なわれている。実際にすべての境界で壁面後退が行なわれることになり、地区計画などで定められていることが多い。規定によって異なるが、1.5mや1mとなっていることが多く、行政での確認が必要となる。大阪市のように定められていない地域もある。


■ヘップルホワイト様式
ジョージ・ヘップルホワイトが確立していった様式のこと。18世紀後半の家具作家であったことから、独特のスタイルを築いていった。シェラトン様式、チッペンデール様式とともに、18世紀に隆盛を見たイギリス家具の3大流行様式となり、多くの地域で活用されていく。盾形やハート形の背もたれも多く見られる。古典様式を基本としているが、優美でありながらも、庶民的なデザインを作り上げている。携帯も装飾も単純化されており、あまり無駄な作りはされていない。実用性も高く作られていたが、貴族階級でも利用されるような部分を持っているところが、大きな特徴となっていった。今でも様々な家具が残されている。


■ヘリンボーン
ツイードやコートなどによく見られる山と谷が見られる連続模様のこと。単純なガラの繰り返しであり、ニシンを意味するヘリングの名前がついているのは、ニシンの骨に似ているということがもとになっている。杉の葉にも見えることから、日本では杉綾織と呼ばれることが多い。第二次世界大戦以前には、アメリカ軍の衣料として多く見られた。古着などでもよく見られる模様となっている。毛織物として作られていたが、だんだんと綿や絹、化成繊維にも広がっていき、男性用だけではなく、婦人用にも使われるようになった。裏地にも使われていることが多く、一般的に目にする柄だ。派生型とも言える柄や組み合わせも開発され見ることができる。


■偏心率
建物の重心と剛心のずれの程度を表す指標。地震が起こった際、その地震力は建物の重心にもっとも大きくかかる。一方、建物にはもっとも剛性の高い点である剛心が存在している。この重心と剛心のずれを偏心と呼ぶ。地震の際には建物が水平方向に変形する、あるいは、剛心の周りを回転するように動いてねじれを生じる。重心と剛心のずれが少なければ、つまり偏心率が低ければ高い耐震性能が発揮されるが、偏心率が高くなると設計計算通りの耐震性を得ることができなくなってしまう。建築基準法では、構造計算を必要とする建築物のうち高さ13m以下かつ軒高さ9m以下の場合には偏心率を0.3以下、高さ13m以上31m以下かつ軒高さ9m超の建築物の場合には偏心率が0.15以下にすることが求められている。


■変性シリコーン系シーリング材
シリル基を末端に持つポリエーテルを主成分とするシーリング材のこと。変成シリコーン系シーリング材は、外壁の目地や窓枠、屋根板金、配管などあらゆる部分に使用することができる。耐候性、耐熱性が高いため、外壁や屋根に使用される場合が多い。-30℃から90℃程度まで対応可能。耐用年数は10〜15年で、シーリング材の中では長めである。塗装前でも塗装後でも使用することができる。また、柔軟性が高いため、ムーブメントの大きい金属類に使用することも可能だ。湿気で硬化する1成分形と、基材と硬化剤からなる2成分形の二種類がある。2成分形のシーリング材の方が適用範囲が広い。


■ベッドスプレッド
ベッドを使わないときに、掛けておく布のこと。ベッドスプレッドをかけておくことによって、ベッドにほこりがついてしまうことを防ぐことができる。装飾上の意味を持って使われることも多い。ベッドスプレッドが使われているというだけでも、清潔感を演出することができ、だれも触っていない状態であることも示すことができる。ベッドカバーと呼ばれることもあるが、こちらは和製英語であり、海外では通用しない。ホテルのベッドによく掛けられているが、ベッドメイクでは必要不可欠。ベッド本体に掛けるだけではなく、枕を包むカバーに関しても、ベッドスプレッドと呼ぶ。様々なバリエーションが存在し、インテリアに合わせて選択する。


■ベランダ
アパートやマンションなどに設けられた住居の外壁からせり出して造られているスペースのこと。同じような造りであっても、屋根がある場合は「ベランダ」、屋根がない場合をバルコニーと呼ぶ。また、「ベランダ」はバルコニーに比べて、面積が狭いというイメージがあるが、面積の大小による呼称の違いはない。アパートやマンションなどの「ベランダ」は、隣家と間仕切りされているがつながっており、災害時、緊急時に避難経路として活用される。「ベランダ」には専用の屋根があるため、雨天時には洗濯物が濡れにくいというメリットがある。なお、1階にある専用庭やテラスは、「ベランダ」とは異なる。


■ベルサイユ宮殿
パリの南西部にある宮殿のこと。ブルボン王朝のときに建てられた離宮のひとつ。バロック様式のもつ華麗な内装は、ブルボン王朝の象徴とも言える。ルイ14世の時代であった17世紀後半から建築が始まっていき、50年をかけて建築していった。シャルル・ル・プランが指揮をした建築物であり、幾何学的な様式は、どこから見てもバランスが整っている。庭園内にも様々な建物があり、ルイ14世の時代の建設様式やインテリアを知る大事な建築物だ。ルイ14世が、有史以来もっとも大きく豪華な宮殿を建てよと命令したことが、今でも見て取ることができる建築物となっている。実際に贅をつくした情感となっており、ヨーロッパでも随一と言われる豪華さを誇る。


■ペールトーン
薄い色調で淡くクリアなイメージを持つトーンのこと。白が多く混ざったような色合いを持っているところが特徴。似たような色調にパステルカラーがあるが、画材のパステルに使われている色という形容であることから根本的な部分で異なる。薄いという表現がなされるが、浅いといったことが正確であり、ファッションでは淡色として表現されることも多い。ペールトーンは、軽やかなイメージを与えるようになることから、ファッションやインテリアでは、少し暗くなってくる時期でもある秋に取り入れると大きな効果を上げることができる。さわやかな感じを与えることができる一方で、温かみは薄まってしまう。性別を問わず使うことができる色合いとも言える。


■ペイズリー
模様として使われているデザインのこと。様々な装飾に用いられている。松かさをもとにしているという説もあるが、カーブした羽のように見える。他にも強風で曲がってしまった糸杉など、多くの説があるが、19世紀のスコットランドの中心だったペイズリーで量産されるようになったことから名称がとられたという説も。日本では形状が似ていることから勾玉模様と呼ばれることが多い。ペルシャが起源という説もあり、インドで発展してからイギリスに入ってきたということも考えられている。曲線的なデザインでもあり、複雑化した輪郭を持つことから、様々な素材にもマッチしやすい。非常に複雑に作られたペイズリー柄も存在し、復元は不可能とも言われるようなものもある。


■ペディメント
建築デザインのことで、屋根にデザイン上の小屋根を設けた物を指す。古代ローマの神殿の形状がペディメントの始まりとされている。彫刻などの装飾を施した物が多く、建築上にも重要な部分となっていった。後世の建築では、入り口や窓などの開口部上の切妻形を形成している三角壁も示す。それに対して、バロック、ロココ建築では半月形や半円形をなす物が多い。日本家屋では同じような意味を持つ物として破風があるが、破風は建物の正面と裏面を指すのに対し、ペディメントは建物の正面部分だけを示すところに大きな違いがある。近年の洋風建築においては屋根以外にも、窓や扉の上部で三角になっている部分を称する言葉としても使用されている。


■ペデスタル型
台付きの洗面器のこと。ペデスタルとは、柱や何かを置くための代といった意味があり、洗面器を設置して一体化させることで、化粧脚となりすっきりした印象に。デザイン性を大きく高めていく洗練されたデザインとも言える。このままでは収納などを設けることはできないが、キャビネットも利用していくことで、利用価値を高めることができる。ペデスタル型は、脚の部分のデザインによっては床からの給水や排水がしにくいため、給排水の経路も設計段階で考えておかなければならない。特にあとから付ける場合には、給排水がうまく機能するとは限らないため、事前に十分な検討をしていく必要がある。


■ペニンシュラ型キッチン
キッチンのレイアウトのこと。オープンキッチンやセミオープンキッチンで用いられることが多い。作業台の一部や全部を壁から突出させる。半島状に突出させるところが特徴とも言えるが、これがダイニングと対面式となることから一定以上のスペースがなければ作ることができない。様々な設置位置に影響を与えることになるため、排気ダクトまで含めて検討していく必要がある。対面式となってくることから、キッチンとリビングやダイニングとの関係性を保つことができるため、コミュニケーションもしっかりと取っていくことができるところがメリット。壁を作ることによって、アイランドキッチンよりも油汚れの心配もない。


■ペンション
ヨーロッパ発祥の食事付きの下宿。日本では特にリゾート地などで運営されている、洋室主体の小規模なホテルのことをさす。逆にヨーロッパでは都市型立地で長期滞在向けのものが一般的である。家族で経営されている場合が多く、旅館よりも低価格で宿泊できる場合が多い。ペンションの多くは旅館法上ホテル営業として許可を受けて営業。民宿とは異なり、専業で経営されており、食事が提供される。特に、Bed&Breakfast(B&B) のように1泊1食付きではなく、1泊2食付きの料金体系を採用している所が多い。もともとはフランス語で年金や恩給を意味する単語であり、年金生活者が自宅の空き部屋を利用して宿泊施設を営んだことに由来している。


■ペンダント照明
コードやチェーンを用いて天井から吊るすタイプの照明器具のこと。シェードで光源を覆った物は、ランプの真下と周辺を照らすことができ、ダイニングテーブルの上などの照明に採用されている場合が多い。一方シャンデリアのような物は部屋全体を照明するのに用いられる。約3kgまでの軽量の照明器具はコードで吊り、約5kgまでの物はワイヤー入りのコードで吊る。それよりも重い物については、パイプやチェーンを用いて吊るすのが安全上適切だ。ペンダントライトを吊るしたり電源を供給したりするのには、引掛シーリングロゼットが天井に設置されていることが必要である。規格によって吊りさげられる照明の重量が規定されている。


■ペントハウス
マンションやホテルなどの建物の最上階に設けられる小屋のことである。機械室や階段室、給水タンク置き場などとして設置されていることが多い。建築基準法では、建築面積の8分の1までならペントハウスは、建物の高さ・階数には原則として含まれない。もともとは、そういう建物最上階や屋上に設置された小部屋のことをペントハウスと言うのだが、タワーマンションや高層ホテル最上階にある、一番価格の高い豪華な部屋のことを指す場合も多い。その場合、ペントハウスは建物の最上階にあり、建物の部屋の中で一番広く、分譲マンションの場合はいわゆる億ションと言われる部屋である。その部屋だけが特別仕様で、同じタイプの部屋は階下には存在しないが、その建物のイメージを代表する部屋として、モデルルームとして公開されることも少なくない。

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