自宅にいるように落ち着ける空間になった・・・｜ライブリポート（リフォーム前）｜ライファ（LIFA）立川

長年に渡り地域の高齢者とそのご家族を支援してきたK老人介護ケアセンター様のリフォームをご依頼いただきました。延べ面積で650坪ある施設です。築15年以上の建物は、築年数による劣化や高齢者に対する配慮が欠けている箇所、設備機器・備品の老朽化などがいたるところで見られました。

人は皆、やがては年老いて、心身共に衰えていくわけですが、一口に高齢者と言っても、その人の生い立ちやその後の生き方や、時代背景や職業、連れ合いや子供の有無、他の人との運命的な出会いや様々な出来事によって、全く違う道を歩き、それぞれの人生の過ごし方をしていきます。しかしながら、ほとんどの人は最後は誰かに支えれられて、それぞれの人生を閉じていきます。
そんな様々な環境や考え方の違う人達が一時的とはいえ貴重な老後を一緒に過ごす訳ですから、プライベートとパブリックへの配慮も必要となります。

エントランス廻りのデザインには木とタイルを選びました。木は自然の生態系の中で、自然循環システムの中で再生されています。苗木の時、恵み（太陽や水や養分）を受け成長し、林や森となり、秋から冬には落葉となり、何千年も堆積し、木の栄養分となり、成長した木は建築資材や工芸品や生活用品として使われ、やがてはすべてが土となっていきます。その土を使って様々なデザインのタイルを造ります。
約30種類の木は、当社が様々な施工現場で使って残しておいた物や、解体工事の時に保管しておいた古材、メーカーのサンプル品等があり、それぞれ思い出深いものでした。

今回の高齢者施設のリニューアルにあたっては、そのようなイメージの元、施設を利用するお年寄りやその御家族や現場スタッフが、この施設を利用したり働いたりする中で、年月が経過する程味わいが出てきたり、少しでも温かい雰囲気が感じられるよう、デザインイメージし、施工させて頂きました。