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「新しい多摩の振興プラン」
「新型コロナウイルス感染症の拡大」を経て、多摩地域を活性化させる政策

1.プランの背景及び基本的な考え方

2.多摩地域の概況

空き家、トカイナカ

3.取組の基本方針と方向性

4.まとめ





1.プランの背景及び基本的な考え方

プランの背景

① 2017年に、「2020年に向けた実行プラン」を踏まえた当面の取組や2020年の先を見据えた多摩の目指すべき地域像を示した「多摩の振興プラン」を策定し、人口減少・少子高齢化対策、道路・交通インフラの整備、産業振興、防災対策などの取組を着実に進めてきた。

② 「新型コロナウイルス感染症の拡大」により、多摩地域においても、社会経済活動の制限、外出や移動の自粛、医療体制のひっ迫などによる大きな影響を受けることとなった。

③ 多摩地域の人口が、今後減少していくことが避けられない中、コロナ禍の影響により出生数が落ち込む可能性も指摘されるなど、更に厳しい状況となることも懸念される。

④ コロナ禍における「新しい日常」において、人々はテレワークなどにより働き方の大きな変革を経験するとともに、デジタル化の取組がより一層進むなどの動きも起きている。そうした状況の中、移住への関心の高まりやEコマースの増加など、居住環境への意識やモノの動きも変わりつつある。

⑥ 都においては、2019(令和元)年12月に「『未来の東京』戦略ビジョン」を策定し、2040年代に目指す東京の姿「ビジョン」と、その実現のために2030年に向けて取り組むべき「戦略」を示し、2021(令和3)年3月には、新型コロナでもたらされた変化・変革を踏まえ、「戦略」をバージョンアップした「『未来の東京』戦略」を策定し、「構造改革」と「サステナブル・リカバリー」の考え方を軸に据えて、政策を展開している。

プランの基本的な考え方

 多摩地域は、地勢、人口動向、土地利用、産業構造など、地域によって特性や課題は様々であることから、多摩地域全体の状況を分析するとともに、5つのエリア区分ごとの特性についても分析し、地域ごとの実情の把握・整理も行った。

 コロナ禍における大きな社会の変化・変革を、より一層の発展のチャンスと前向きに捉え、この機を逃さず、より多くの方々に多摩に関心を持ってもらえるよう、新たな視点に立った取組を推進していく。 コロナ以前の社会に戻るのではなく、デジタルトランスフォーメーション(DX*)などによる生活の質の向上や機能的なまちづくりを進めるとともに、豊かな自然と調和した多摩地域の持続可能な暮らしを実現するサステナブル・リカバリーの視点を持ちながら、多摩の更なる発展を目指していく。

 このような状況にあっても、自然に囲まれ都心へのアクセスが良く、多様な産業が集積するなど、バランスのとれた暮らしやすいまちという多摩の特性を活かし、引き続き、地域それぞれの課題に応じた取組を着実に推進していく。



2.多摩地域の概況
一口に多摩と言っても、地勢、人口動向、土地利用、産業構造など、地域によって特性や課題は様々

この5つのエリアは、多摩地域の市町村が連携し、協議や活動を行うケースが多いなど、当該区分が定着・浸透しているとともに、「東京都保健医療計画」において、一般の医療ニーズに対応するために設定している二次保健医療圏とも一致している。 また、住民の日常生活圏を単位として、地域の振興整備を図る目的で設置された広域行政圏(西多摩エリアと北多摩北部エリアのみが設定)とも一致している。

 西多摩エリア:青梅市、福生市、羽村市、あきる野市、瑞穂町、日の出町、檜原村、奥多摩町
✔ 広大な森林、山岳、清流、里山風景などの豊かな自然に恵まれている
✔ 製造品出荷額等が多摩地域内で最も多い
✔ 既に人口減少が始まっており、今後も減少が続くと見込まれる

 南多摩エリア:八王子市、町田市、日野市、多摩市、稲城市
✔ 圏央道のICがあるほか、近隣にリニア中央新幹線の新駅の開設を予定している
✔ 高齢者人口が多摩地域内で最も多く、出生数も減少傾向にある

 北多摩西部エリア:立川市、昭島市、国分寺市、国立市、東大和市、武蔵村山市
✔ 交通の要所の立川駅のほか多摩地域の創業・産業支援の拠点がある
✔ エリア北部に鉄道駅がない地域がある

 北多摩南部エリア:武蔵野市、三鷹市、府中市、調布市、小金井市、狛江市
✔ 都心へのアクセスが良く、生産年齢人口が増え保育サービスの利用児童数が大きく増加している
✔ 都市化の影響や後継者の不足などにより、生産緑地面積が減少傾向にある

 北多摩北部エリア:小平市、東村山市、清瀬市、東久留米市、西東京市
✔ 玉川上水や八国山緑地などの豊かな自然環境が広がり、武蔵野の面影を残している
✔ 都市計画道路の整備を進めているが、完成率が低い

北多摩西部エリア

■ 立川駅周辺は、商業施設やオフィスビル、宿泊施設、行政機関等の集積が進んでいる。
■ 「TOKYO創業ステーションTAMA」など多摩地域の創業・産業支援の拠点がある。
■ エリア北部に鉄道駅がない地域がある。

  多摩地区で2040年の人口減少が一番少ない予想が出ている

  保育サービス利用児童数は、2016年から2021年にかけて約1,600人、約12%増加している

 立川駅は、JR中央線・南武線・青梅線、多摩都市モノレールが乗り入れ、多摩地域の交通の要所となっている  都市計画道路の整備を進めているが、2019年度末の完成率は53.7%であり、多摩地域内で2番目に低い

 多摩都市モノレールが立川市を縦貫して上北台駅まで開通しているが、エリア北部の武蔵村山市には、鉄道駅が存在しておらず、主な公共交通手段はバスとなっている

 立川駅周辺には、大型商業施設や大規模会議にも対応できる大型ホール、オフィスビル、宿泊施設、様々な行政機関等の集積が進んでいる

 2018年の総世帯数に占める一戸建て世帯数の割合が39%であり、多摩地域内で2番目に低くなっている。また、2018年の誘導居住面積水準の達成率も、多摩地域内で2番目に低く、全世帯数の44.1%に留まっている

 2018年の平均空き家率は11.7%となっており、多摩地域内で最も高い

 1960年代半ばに建設された都内最大級の村山団地などでは、少子高齢化や施設の老朽化などが顕在化し、団地の建替えなどが進められている

  多摩地域の創業支援の拠点である「TOKYO創業ステーションTAMA」や、多摩地域の産業支援の拠点として、中小企業の経営・技術支援や農林水産業の支援などを行う「産業サポートスクエア・TAMA」がある

 立川崖線と国分寺崖線の2本の崖線が通っており、ママ下湧水群や真姿の池湧水群などの湧水が多く、市街地の中の水辺空間として親しまれている

 狭山丘陵一帯は、自然公園に指定され、都民の水瓶の一つである多摩湖などもあり、多くの人の憩いの場になっている

  都市化の影響や相続による税負担、後継者の不足などにより、農地が年々減少している



空き家地域資源化プロジェクト

空き家の先駆的な活用モデルの構築、市区町村等との連携、戦略的な情報発信を循環的に発展させ、空き家を東京の地域資源として活用する

・ 空き家の活用モデルの構築に向け、民間事業者等による空き家活用や市区町村のまちづくりの方向性を踏まえたエリアリノベーション*を促進する。
・ 地域特性に合わせた空き家施策の展開に向け、市区町村が効果的に施策を推進できるよう、空き家利活用等区市町村支援事業等の実施や情報共有を行う。
・ 空き家ガイドブックやワンストップ相談窓口、SNSなどを活用し、都民や民間事業者等へ福祉にかかわる事業やサテライトオフィスなど様々な空き家の利活用等につながる情報を戦略的に発信する。

多摩地域の空き家は、2018年で、約23万戸存在しており、空き家率は10.8%(全国平均13.6%)となっている。また、空き家のうち長期不在、取壊し予定等のいわゆる「その他空き家」は5万戸存在しており、住宅総数に占める割合は2.2%(全国平均5.6%)となっている。

また、多摩地域における高齢者数は2016年に100万人を超え、2021年には108万人となり、多摩地域総人口の4分の1を超えている。「東京都人口予測」では2040年に32.4%まで上昇する見込みである。

空き家は、多摩地域は全国平均より低い水準であるが、今後高齢化の進展、人口・世帯数の減少が見込まれる中、増加が懸念される。

しかし、都全体の人口の動きは2020年転出者が転入者を上回ったが、多摩地域では転入者が転出者を上回り、現状増加の兆しが見え始めている。

トカイナカという暮らし

多摩地域の更なる発展を目指した取組の区分
■新しい働き方が浸透し、誰もが輝き、暮らしやすいまち
■安全・安心な暮らしを守るまち
■道路・交通ネットワークが充実し、地域特性に応じた快適なまち
■地域資源と先端技術を活かし、スマートな産業が確立されたまち
■豊かな自然と都市機能が調和し、環境に優しいまち
■地域が持つ資源に磨きをかけ、人を惹きつけるまち

この「新しい多摩の振興プラン」の取組の基本方針は【それぞれの地域の特色を活かし、賑わいと活力に満ち溢れ豊かな自然と都市機能が調和したより良い多摩を、サステナブル・リカバリーの視点を持って都と市町村でつくりあげる】ということである

・コロナ禍を契機とした「新しい日常」により、これまでの働き方や暮らし方などが変化し、移住(転居)やオフィス移転などを検討する動きもある。
・これまでも、地域が持つ特性や課題に対応した取組を着実に推進してきた。多摩地域それぞれのポテンシャルをより一層伸ばし、暮らしと自然と様々な都市機能が調和した、多摩の魅力を高めていくことが重要である。
・ 新型コロナは、社会経済活動の制限や外出・移動の自粛などの大きな影響を与えているが、それらに伴う新しい働き方や暮らし方などの大きな社会変化は、多摩地域の更なる発展のチャンスとも捉えることができる。
・ コロナ以前の社会に戻るのではなく、その先にある新しい暮らしを追求するとともに、多摩の豊かな自然と調和した持続可能な生活を実現するサステナブル・リカバリーの視点に立った取組を進めることも重要である。
・都と市町村がこれまで以上に緊密に連携・協力し、地域それぞれの特性や課題に応じた取組を進めるとともに、コロナ禍を乗り越えて持続可能な回復を目指すサステナブル・リカバリーの視点を持ちながら、賑わいと活力に満ち溢れ豊かな自然と都市機能が調和したより良い多摩をつくりあげていく。

コロナ禍で人との接触が制限され、リアルなつながりの価値や尊さが改めて再認識された一方で、オンラインなどを活用した地域コミュニティへの参加も見られるようになった。また、多摩地域には、多くの公園や里山などの自然、農業体験のできる農地、地域の伝統文化・芸能、スポーツイベントなども存在する。リアルとオンラインそれぞれの強みを活かすとともに、リアルとバーチャルのハイブリッドにより、「新しい日常」にも対応した様々な形での居場所の創出や地域コミュニティの活性化を実現していく。

コロナ禍で人の移動が一定の制限をされ、遠距離の旅行などが難しい状況となるなか、都心からも近く、自然豊かな多摩地域が、気軽に訪れることができる観光スポットとしてメディアにも多く取り上げられた。今後も、多摩の魅力を磨き上げ、マイクロツーリズムなど国内観光の需要を喚起し、多様なツーリズムの展開や観光型MaaS*など最先端技術を活用しながら、「新しい日常」におけるスマートな観光のスタイルなどを作り出すことで、多くの人を惹きつけていく。




3.取組の基本方針と方向性

新しい働き方が浸透し、誰もが輝き、暮らしやすいまち

コロナ禍で身近な空間レベルでの過密を回避し、安心やゆとりある生活を重視する意識への変化などにより、多様なライフスタイルに対応した取組へのニーズが高まっている。
多摩地域でも体験型英語学習施設を整備し、グローバルに活躍する人材を育成。
待機児童解消区市町村支援事業など、保育サービスの拡充に向けた市町村の取組を広く支援。
時間や場所などにとらわれない柔軟な働き方は、育児や介護などとの両立や、趣味や余暇の充実など、人生の選択肢を増やすことができる。
今後、多摩地域内において、テレワークやサテライトオフィスの活用を促進するほか、人が仕事を楽しみ、身近に緑を感じ、居心地よく歩きたくなるまちづくりを進めるなど、職住近接で快適に働き暮らせるまちを実現していく。

安全・安心な暮らしを守るまち

災害時に孤立が想定される地域にドローンを活用した物資輸送体制を構築。
中小河川における護岸や調節池の整備など、豪雨災害への対策を推進。
災害時の円滑な対応につなげるため、都道及び市区町村道の無電柱化を促進。
多摩メディカル・キャンパス整備事業などにより、多摩地域全体の医療水準を向上。

道 路・交通ネットワークが充実し、地域特性に応じた快適なまち

多摩南北・東西道路や南多摩尾根幹 線などの整備を推進。
箱根ケ崎方面への多摩都市モノレールの延 伸の事業化に向けた現況調査及び基本設計等を実施。
トンネルや橋梁などの予防保全型管理により、都市インフラの長寿命化を推進。
大規模団地の順次建替えなど、多摩ニュータウンの再生。

地 域資源と先端技術を活かし、スマートな産業が確立されたまち

東京都立多摩産業交流センターを整備するなど、都域を超えた広域的な交流によるイノベーションを創出。
IoTやAI等の先進技術を活用した東京型スマート農業を推進し、稼ぐ農業を実現。
キャッシュレス化やデジタルスタンプカードアプリ開発など、商店街のスマート化に資する取組を支援。
東京及び首都圏の物流機能を支える、物流拠点の整備に向けた関係市の取組を支援。

豊かな自然と都市機能が調和し、環境に優しいまち

生産緑地買取申出等に対応する市区に対し補助を行い、生産緑地を公園緑地として活用。
ZEV導入の促進や、多摩地域で再エネシェアリングモデル事業を実施・運用。
重要な自然地を選定し、保全地域として指定拡大・公有化を促進。
自然豊かな多摩河川の清流や水辺空間を活かし、水辺のにぎわいを創出。

地 域が持つ資源に磨きをかけ、人を惹きつけるまち

多摩地域において、観光型MaaSの実装に向けた取組を推進。
滞在型旅行(ロングステイ)に係る多摩地域の新たな取組を支 援。
気軽に参加、体験できるスポーツイベントの開催や、誰もが楽しむことができるスポーツの普及を推進。
伝統文化・芸能の魅力を発信するフェスティバルの開催や、郷土芸能を発信する民間の取組を支援。

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