デジタルとアナログの融合
企業としてこれから考えること
生活者はデジタルもアナログも縦横無尽に行き来している
日々生活している人は、世の中に溢れる情報を掻き分けて、自分たちに合った購買体験を選び取っています。デジタルシフトが間違いなく重要な時代に、決してデジタルを否定したいわけではありませんが、大事なことはデジタルだけでは解決出来ません。アナログ観点の施策との組み合わせこそが突破口なのです。
デジタルとアナログの違い
口コミ拡張力・・・ソーシャルツールによる圧倒的なパワーをもっています。アナログの口コミ拡張力は、物理的に近い家族・友人に限定されます。アナログはその分質は高いともいえます。
スピード・・・トリガーを設定さえすれば、自動的に条件に応じて理想的なタイミングでの情報付与できるデジタルに対し、常に制作・実施のリードタイムを考慮に入れる必要があるアナログ施策では難しいです。
質感・・・モニタ投影ではなく、手触り、香り、立体感のある視る、音・・・五感にリアルに訴えることができます。 お手紙の気持ちのこもったコミュニケーションのように、質のある、記憶に留まりやすい体験を創出させることができるのがアナログの良いところです。
保存性・・・デジタルは瞬間が大事といえますが、アナログの場合はしばらく保存される傾向が強く、しばらくたってからも注文があるといった特性を有しています。
デジタルとアナログの融合とは
高まるデジタル×アナログの観点
某通販系企業様ではメール・LINE・DMの組み合わせによるテストを行い、「メール×LINE」の組み合わせ効果より、「メール or LINE×DM」のほうが有用との結果を得たケースもありました。これらから得られるベーシックな示唆はとても大切と考えますが、今世の中でチャレンジされている取り組みはより高度で、多彩です。
コロナ禍によって流れが変化した営業
人と会うことが困難になり、訪問や接客にはリアルよりもオンラインツールが増加しました。コロナが終息し始めた今、「やっぱり人と話したい」「人の混雑の中に行きたい」という想いは強くなったように思います。そんな今だからこそ、新しい営業方法が求められています。
生活者はデジタルとアナログを横断する
たとえば、家電を買う場合などは、SNSや商品紹介ページで情報を集め、動画広告で機能をチェックし、比較サイトなどで類似商品との比較検討を行います。そして、最終的に商品を購入するのは、実際に家電量販店に足を運んで現物に触れてから、という人も多いのではないでしょうか。または、新聞広告やダイレクトメール(DM)で商品の存在を知り、ECサイトで購入するというプロセスをたどっている人もいるはずです。つまり、企業に求められるのは、どちらか一方への注力ではなく、デジタルとアナログを併用してバランスよく施策を行う柔軟性だといえます。
「家に住む」事はアナログ
実際に、住宅購入を検討するとしたらどうやって決めるでしょうか。「住宅購入に関する調査2022」の調査結果によると「実際にその街に行ってみた・行く」が36.8%、「地図で周辺施設・店舗を確認した・確認する」が35.0%、「街の口コミや評判などを検索した・検索する」が32.8%、「不動産業者などに話を聞いた・聞く」が31.3%、「市区町村のホームページを見た・見る」が23.5%、「その街に詳しい友人・知人に話を聞いた・聞く」が19.3%でした。このようにインターネットなどである程度の情報を得ることが出来るはずですが、実際に自分の足で歩いて、見て、気いて確かめることで得られる情報や気づくことを人は大切にしているのです。そしてこの情報や気付きは、その街や家に住むということなのです。
アナログな暮らし×デジタルな暮らし
最近では、田舎に移住するなどアナログな世界を好む人も多くいます。もちろん都会でデジタルな生活をすることを好む人もいます。その中間地点の「トカイナカ」では、リモートでの仕事などデジタルな生活もしつつ、地域の自治会との関わりなどアナログな暮らしがあります。コロナ禍を経て、「トカイナカ」の需要は今高まってきています。両方のメリットを持てるトカイナカのように、私たちもデジタルとアナログが融合した、質の高い仕事が求められます。